2015年1月17日土曜日

天羽名誉教授・受章祝賀会

天羽名誉教授が昨秋、瑞宝中綬章を受章されたということで、今日、帝国ホテルで祝賀会が行なわれた。
学内関係者のみならず、東北大学、横浜市立大学関係の先生方も来られて、大いに盛り上がった。

早いもので天羽先生が退官されてから 16 年の月日が流れており、すでに 80才代ということになると思うのだが、今もとてもお元気でしっかりしておられた。
さすがという感じだ。

教室を離れた先生方とも久しぶりにお会いすることができ、とても懐かしく、同窓会状態だった。

2014年12月11日木曜日

ディスポのバッグ

「とある病院」に行ったら、なぜか麻酔器にバッグがついていなかった。

それでナースに訊いたら、システムが変わったとのことで、ラテックスフリーのディスポのバッグを出してくれた。
使ったら洗浄せずに捨ててしまうのだそうだ。

将来、「昔はバッグを洗浄していたものだった・・・」などと遠い目をして若手に語る時のために、今日の日のことを備忘録に残しておくことにする。

2014年11月23日日曜日

日本大学秋のセミナー

おととい 21 日(金)、日本大学医学部麻酔科懇話会秋のセミナーに招いていただき、池袋まで出かけてきた。

日本大学麻酔科では春と秋に学術セミナーが催され、大学内だけでなく関連病院の先生方も集まって親交を深めるのだそうだ。

例年は土曜日だということで、今年は少なめということだったのだがそれでも 40 人近くいらっしゃったようで、医局員のつながりの深さを感じた。

懇親会では医局員の先生方とお話しできて、とても楽しい時間を過ごすことができた。

いろいろな催しを定期的に、しかも永続的に伝統となるまで続けていくのはたいへんな努力を必要とするわけだが、ウチの大学でもそういうところをうまく取り入れていきたいものだと思う。

2014年11月13日木曜日

良薬は口に苦し・・・か?

先週末から風邪気味だったが、昨日は本格的に具合が悪くなり、本当につらかった。
鼻汁止まらないし、喉は痛いし、咳が出始めると止まらなかった。
満員電車では途中で降りるわけにもいかないし、マスクはしているものの、まわりにウイルスをまき散らしているようで、居心地の悪さはこの上ない。

それで帰りにドラッグストアに寄り、風邪薬(パ●コール顆粒)を買ったのだが、これが予想以上の苦さで、いかにも薬っていう感じがした。
ただしよく効くみたいで、鼻汁と咳、喉の痛みはかなり良くなった。
内服後3時間ぐらいで強烈に眠くなるけど。

咳をすると今もマスクの中が鉄サビのようなにおいがして、いかにも身体がバイ菌と闘っているっていう気がする。

2014年10月14日火曜日

ASA 第3日 --- 発表が無事終了しました

午前中にデータベースに関するポスターセッションがあり、今年もなんとか無事に発表が終了した。

昨年とはやり方が少し異なり、一人あたりの E-poster のディスプレー占拠時間が 30 分とあらかじめ定まっており、その間にモデレーターがまわってくるという形式だった。

われわれの発表は名前がセッションの中で一番上にあったので、当然最初に発表するものだと思ったのだが実際にはそうではなく、ちょっと混乱してしまった。

同様の混乱は他の日本人の研究者の間にも見られたようで、そういうのに瞬時に対応する現場力のようなもの(?)が求められているような気がした。

2014年10月13日月曜日

ASA 第2日 --- 外は暑いが中は寒い

ニューオリンズは1日のうちで時々雨が降るのだが、基本的には晴天で暑いぐらいだ。
一方、学会場の中は寒く感じるぐらいに冷え込んでおり、ジャケットを着ていてちょうどいいぐらいで、電気がもったいないという気がしてしまう。

ASA では RCL やパネルセッションのほかに Point-Counterpoint という pros-cons セッションがいくつかあり、今日は HES に関するものを見に行ってきた。

"Perioperative colloid administration - Should it be abandoned?" というタイトルだったが、HES 反対派が NEJM などのデータを紹介しつつ HES の危険性を訴え、賛成派が危険性の根拠となる研究のデザインや統計手法の問題点を指摘するといった予想通りの展開で、消化不良だったように感じられた。
聴衆の一人が主張していたが、本当のところ危険なのかどうか、凝固障害や腎傷害の機序の面から深く討論してほしかったように感じる。

ASA の Choose wisely campaign のひとつに「コロイドをルーチンで投与するのはやめよう」というのがあるらしいのだが、そういうキャンペーンがあるということを知ったのは有益だった。

一方、心不全患者の周術期管理に関するパネルセッションは、自分のよく知らない領域だけに学ぶところが多かった。

特にこの分野で UpToDate に執筆していると言っていたスピーカーの話は、ARB の術前中止の議論など、当たり前だが UpToDate に載っていることがそのまま出てきておもしろかった。
このスピーカーによると、「低血圧がなければ ARB は術前は続けた方がいい」という論調だった。

また、心不全患者における周術期のリスクが過小評価されているということについても、一貫して主張していた。

さまざまな非心臓手術の術式において 30 日死亡率などのアウトカムを比較すると、冠動脈疾患患者よりも心不全患者の方が悪い。 (Hammill BG, et al.  Anesthesiology 2008; 108: 559-67.)

肺高血圧患者の循環管理のポイント
1) 冠灌流を保ち右室の虚血を避けるために、末梢血管抵抗を保つ。
2) 肺血管抵抗の上昇を最小限にする。 --- 吸入薬など選択性のある肺血管拡張薬を用いる
3) 右室の前負荷と収縮力を保つ。
4) 右室のモニターを用いる。

LVAD を有する患者の循環管理のポイント
1) リズムと心拍数を保つ。
2) 右心機能が保たれていることを確認する。
3) 末梢血管抵抗が大きく変化しないようにする。
4) 前負荷を保つ。前負荷低下はトラブルのもと。
5) 血管収縮薬と強心薬を用いる。
6) カニューレがずれるので、心マをしてはいけない。

2014年10月12日日曜日

ASA 第1日 --- ニューオリンズに着きました

アメリカン航空の大幅な遅れのためにホテル日航成田での一泊を余儀なくされ、結局、翌朝9時に成田空港を発った。

空港の職員に「前の日のチケットでは入れません」みたいなことを言われて困ったが、アメリカン航空の「チケットの日付を変えることはできない」みたいな主張が勝ち、結局は前日のチケットのまま搭乗することとなった。

臨時便はガラガラで、客はわずか50人しかいなかったようだ。
まだ夜が明けきらないうちにダラスに着き、ニューオリンズのホテルに着いたのが現地の午前11時ごろ。
ニューオリンズは思ったよりずっと暑く、真夏のような恰好をした観光客が目立つ。

以下は、トロント大学・スリンガー教授による肺保護換気に関するリフレッシャーコース "Perioperative lung protective strategies in one-lung and two-lung ventilation" のメモ書き。
------------------------------------------------------------------------------

2000年代の初頭までは、PEEP なしの大きい一回換気量を用いて一側肺換気が行なわれていた。
その根拠となるものとして、一側肺換気中の PEEP の有無と一回換気量の大小をくらべると、PEEP なしの一回換気量 14 ml/kg の時が最も Pao2 が高い。 (Katz JA, et al.  Anesthesiology 1982; 56: 164-71.)

PPPE が生じると術者に輸液量が多すぎると批判されることになりがちだが、PPPE のリスク因子について調べた研究によると、輸液量や輸液バランスは PPPE 発生群と非発生群の間で差がなかった。 (Turnage WS, et al.  Chest 1993; 103: 1646-50.)

換気するたびに肺胞が開いたり閉じたりするのは、炎症反応の点から良くないことが示されている。単にアテレクの状態が続いた方がまだまし。 (Chu EK, et al.  Crit Care Med 2004; 32: 168-74.)

一側肺換気は換気側肺だけでなく、非換気側肺にも傷害をもたらしうる。 (Kozian A, et al.  Br J Anaesth 2008; 100: 549-59.)

開胸術後に換気側肺に強い非対称性の ARDS が生じるという報告。 (Padley SP, et al.  Radiology 2002; 223: 468-73.)

手術側肺は虚脱したままより、CPAP を行なった方が炎症反応の点から良い。もっとも手術を行なう上でじゃまになってしまうが。 (Verhage RJ, et al.  Br J Anaesth 2014; 112: 920-8.)

開胸手術後の肺傷害を予防する点では輸液はしぼった方がいいが、腎機能を傷害しうるという問題がつねにつきまとう。古典的な研究という意味で Gollege らの研究 (Ann Thorac Surg 1994; 58: 524-8.) が、新しい研究という意味で自分の研究が紹介されていた。

その他、スリンガー教授は小さい一回換気量と PEEP では、PEEP の方が肺保護への寄与の度合いが大きそうだという持論を展開していた。PEEP をかけていれば、一回換気量が大きくても小さくても、あまり関係ない。

さらにスターリングの式が修正されたこと、グリコカリックスについても話していた。グリコカリックスは虚血再灌流や炎症反応で傷害される。