集中治療部・足立先生のお誘いで、アボット社の AKI Biomarker Seminar 2015 に出席してきた。
東京大学医学部附属病院・救命救急センター 土井先生が約1時間にわたって、ARF から AKI の歴史、AKI バイオマーカーの意義、AKI の病態などについて幅広く話され、たいへん勉強になった。
正直なところ、自分としては NGAL や L-FABP、NAG などは測定はしているものの、それぞれのバイオマーカー間の性質の違いについてはデータを通して実感を得られるレベルには至っていないのだが、今回の勉強会を通してほんの少し、バイオマーカーが身近に感じられたような気がした。
今回の勉強会は、AKI バイオマーカーとしての尿中 NGAL が厚労省により認可されたことを受けてのものらしいのだが、これが麻酔科臨床にどのような影響を与えるのか、今後、注目していきたい。
2015年11月25日水曜日
2015年10月22日木曜日
臨麻の教育講演
昨日、臨床麻酔学会の教育講演が無事終了した。
週のまんなか水曜日だし、同じ時刻に学会各賞授与式と講演があったので、誰もお客さんが来てくれないんじゃないかと思っていたのだが、最後の方は後ろの方で立ち見の人もいたみたいだった。
先月の支部集会のシンポジウムがガラガラだったので、こういうことが続くことになるとトラウマ(?)になってしまいそうだ。
おいで下さった皆様、ありがとうございました。
それから座長の土井先生が、私の言い足りなかったところをうまく補うように質問やコメントを下さったので、たいへん助かりました。
御礼申し上げます。
週のまんなか水曜日だし、同じ時刻に学会各賞授与式と講演があったので、誰もお客さんが来てくれないんじゃないかと思っていたのだが、最後の方は後ろの方で立ち見の人もいたみたいだった。
先月の支部集会のシンポジウムがガラガラだったので、こういうことが続くことになるとトラウマ(?)になってしまいそうだ。
おいで下さった皆様、ありがとうございました。
それから座長の土井先生が、私の言い足りなかったところをうまく補うように質問やコメントを下さったので、たいへん助かりました。
御礼申し上げます。
2015年9月7日月曜日
支部集会&還暦お祝いの会
今回はポスター発表などには関わっていなかったのだが、そのかわりに「明日の麻酔のために」というタイトルのシンポジウムで発表を行ない、ちょっとだけだが討論にも加わった。
会場はたぶん一番広い場所だったと思うのだが、お客さんはたぶん 20 人ぐらいで、しかも前の方には誰もいなかったので、おそろしく参加者との距離感が大きかった。
以前、軽井沢で担当させていただいた支部集会の PBL を思い起こさせるものがあった。
全国規模の集会だとどんな企画でもお客さんがいないということはないと思うのだが、支部集会ではある意味、リスクが高い。
その後、東京に戻り、癌研有明病院麻酔科・横田先生(部長・副院長)の還暦のお祝いの会に参加させていただいた。
還暦だというのに横田先生は髪が黒々としており、とても若々しい。
自分が年をとっているということもあるのだろうが、自分が若かった頃とはちがって「還暦」にある意味、若さを感じるようになってきてしまった。
2015年7月15日水曜日
RCS 2015 終了
週末に渋谷で行なわれた東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2015 は、今年もたくさんの参加者に来ていただくことができ、盛況のうちに終えることができました。
参加者のみなさま、たいへんありがとうございました。
関係者のみなさま、おつかれさまでした。
今年は総会も同時に行なわれたため、一部の方、特に総会に参加された方には混乱があったかもしれません。
この場をお借りしておわび申し上げます。
来年のリフレッシャーコースセミナーに関しては会場を含め未確定な部分が多いのですが、これまでの経験を生かしてよりよいものにしていきたいと、学術委員一同、考えております。
参加者のみなさま、たいへんありがとうございました。
関係者のみなさま、おつかれさまでした。
今年は総会も同時に行なわれたため、一部の方、特に総会に参加された方には混乱があったかもしれません。
この場をお借りしておわび申し上げます。
来年のリフレッシャーコースセミナーに関しては会場を含め未確定な部分が多いのですが、これまでの経験を生かしてよりよいものにしていきたいと、学術委員一同、考えております。
2015年6月30日火曜日
2015年5月30日土曜日
日本麻酔科学会 第62回学術総会 第3日
分離肺換気のポスターディスカッションの座長を務めることになっていたので、最終日の朝早くから会場に向かった。
最終日でしかも同じ時間帯に、分離肺換気に興味を持つ人ならやはり興味を持つであろうシンポジウムが開催されていたにもかかわらず、多くの人たちが集まってくれたのはちょっと意外だったが、とても心強く感じた。
一つの会場を二つに仕切っていたために隣の会場の声が筒抜けで、しかも長細いつくりになっていたので、端っこにいた人たちはパワーポイントの画面が見えなかったではないだろうか・・・。
プレゼンテーション7分、ディスカッション5分という設定でちょうどうまくいったのは、多くの聴衆が質問やコメントなど積極的に参加してくれたためで、座長としては本当に助かった。
結局、帰りは空港で神戸肉をおみやげに買ったのだが、こちらにはきちんと「神戸ビーフ」と表示がされていた。
昨日の店はかえすがえすも残念だったが、「これは神戸の肉ではないが、神戸ビーフに負けないぐらいおいしい。なぜなら・・・」と売り込んでくれれば、まだモヤモヤ感がなくて良かったのに・・・と思う。
最終日でしかも同じ時間帯に、分離肺換気に興味を持つ人ならやはり興味を持つであろうシンポジウムが開催されていたにもかかわらず、多くの人たちが集まってくれたのはちょっと意外だったが、とても心強く感じた。
一つの会場を二つに仕切っていたために隣の会場の声が筒抜けで、しかも長細いつくりになっていたので、端っこにいた人たちはパワーポイントの画面が見えなかったではないだろうか・・・。
プレゼンテーション7分、ディスカッション5分という設定でちょうどうまくいったのは、多くの聴衆が質問やコメントなど積極的に参加してくれたためで、座長としては本当に助かった。
結局、帰りは空港で神戸肉をおみやげに買ったのだが、こちらにはきちんと「神戸ビーフ」と表示がされていた。
昨日の店はかえすがえすも残念だったが、「これは神戸の肉ではないが、神戸ビーフに負けないぐらいおいしい。なぜなら・・・」と売り込んでくれれば、まだモヤモヤ感がなくて良かったのに・・・と思う。
2015年5月29日金曜日
日本麻酔科学会 第62回学術総会 第2日
午前中は敗血症性ショックに関する PBLD に出席した。
以下はその時の覚え書き。
・敗血症性ショックの負のサイクルに、PAMPs、DAMPs、TLR などが関与している。
・PAMPs を早く減らすために、敗血症性ショック診断後、1時間以内に抗菌薬投与を開始する。
・施設ごとにアンチバイオグラムを作成する必要がある。
・敗血症における輸血開始基準は Hb < 7.0 g/dl。
・敗血症性ショック患者では、循環作動薬に反応しない場合に限り、ステロイドの投与が推奨される。
・アルギニンによって NO が過剰に産生されるので、重症患者には推奨されない。
ランチョンセミナーの後は、ちょっとだけだがフロートラック/ビジレオ関係のポスター・ディスカッションを見に行った。
知らないうちにバージョン4になっていたらしく、新旧バージョン間でさまざまな比較が行われていた。
フェニレフリン投与など、後負荷が急激に上昇したような場合のモニタリングの追随性を良くするために、新しいバージョンではそれまでになかった新たなパラメータが追加されたようだ。
夕方は、おみやげを買うために市内を散策。
せっかくだから神戸牛を買いたいと思ってある店に行ったら、おみやげ用の肉がたくさん店先に並べられていた。
ただしどこにも「神戸牛」とは書かれていない。
それで、「これは神戸牛ですか?」と聞いたら、「これは国産牛です」と店の人が言う。
「国産牛」では自分の質問に答えたことにならないのは明らかなので、再度同じことを聞いたのだが、やはり「国産牛です」とのこと。
この間、店の人は一切、目を合わせてくれず、なんかとても奇妙な感じだった。
以下はその時の覚え書き。
・敗血症性ショックの負のサイクルに、PAMPs、DAMPs、TLR などが関与している。
・PAMPs を早く減らすために、敗血症性ショック診断後、1時間以内に抗菌薬投与を開始する。
・施設ごとにアンチバイオグラムを作成する必要がある。
・敗血症における輸血開始基準は Hb < 7.0 g/dl。
・敗血症性ショック患者では、循環作動薬に反応しない場合に限り、ステロイドの投与が推奨される。
・アルギニンによって NO が過剰に産生されるので、重症患者には推奨されない。
ランチョンセミナーの後は、ちょっとだけだがフロートラック/ビジレオ関係のポスター・ディスカッションを見に行った。
知らないうちにバージョン4になっていたらしく、新旧バージョン間でさまざまな比較が行われていた。
フェニレフリン投与など、後負荷が急激に上昇したような場合のモニタリングの追随性を良くするために、新しいバージョンではそれまでになかった新たなパラメータが追加されたようだ。
夕方は、おみやげを買うために市内を散策。
せっかくだから神戸牛を買いたいと思ってある店に行ったら、おみやげ用の肉がたくさん店先に並べられていた。
ただしどこにも「神戸牛」とは書かれていない。
それで、「これは神戸牛ですか?」と聞いたら、「これは国産牛です」と店の人が言う。
「国産牛」では自分の質問に答えたことにならないのは明らかなので、再度同じことを聞いたのだが、やはり「国産牛です」とのこと。
この間、店の人は一切、目を合わせてくれず、なんかとても奇妙な感じだった。
2015年5月28日木曜日
日本麻酔科学会 第62回学術総会 第1日
初日の朝早くからにもかかわらず、たくさんの教室員が集まってくれて、T 先生の発表が無事に終了した。
せっかく医局長がポスターの前で集合写真を撮ってくれたので、あとで入手したらここに載せることにしたい。
現在進行中の LiSA の企画と少しかぶっているということもあり、今日のプログラムの中では「麻酔のリスクをどのようにどこまで説明するか」というシンポジウムがとてもおもしろく感じた。
時間の関係でビデオを全て見ることはできなかったが、麻酔の説明でだんだん不安になっていく女性患者の様子がいかにもありそうな感じで、他人事とは思えなかった。
今、テレビでドラマ 「医師たちの恋愛事情」がやっていて、その中で外科医が「絶対失敗しない」みたいなことを言っていたが、現実の世界でそんなことを言う医者はきっといないんだろうと思う。
もっとも、この患者は頑固オヤジタイプだから、術後出血や縫合不全のリスクについて説明されたところで、動じることはないんだろうと思うが・・・。
せっかく医局長がポスターの前で集合写真を撮ってくれたので、あとで入手したらここに載せることにしたい。
現在進行中の LiSA の企画と少しかぶっているということもあり、今日のプログラムの中では「麻酔のリスクをどのようにどこまで説明するか」というシンポジウムがとてもおもしろく感じた。
時間の関係でビデオを全て見ることはできなかったが、麻酔の説明でだんだん不安になっていく女性患者の様子がいかにもありそうな感じで、他人事とは思えなかった。
今、テレビでドラマ 「医師たちの恋愛事情」がやっていて、その中で外科医が「絶対失敗しない」みたいなことを言っていたが、現実の世界でそんなことを言う医者はきっといないんだろうと思う。
もっとも、この患者は頑固オヤジタイプだから、術後出血や縫合不全のリスクについて説明されたところで、動じることはないんだろうと思うが・・・。
2015年5月3日日曜日
リフレッシャーコースセミナー 2015
東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2015 の参加受け付けがすでに始まっています。
お申し込みは、東京麻酔専門医会のホームページからお願いします。
ぜひ、ふるってご参加下さい。
今年はハンズオンセミナーの同時開催はありません。
また、昨年やそれ以前とは異なり、場所は渋谷です。
お間違えのないようにお願いいたします。
お申し込みは、東京麻酔専門医会のホームページからお願いします。
ぜひ、ふるってご参加下さい。
今年はハンズオンセミナーの同時開催はありません。
また、昨年やそれ以前とは異なり、場所は渋谷です。
お間違えのないようにお願いいたします。
2015年3月14日土曜日
第21回経食道心エコー講習会 第1日
毎年恒例の春の経食道心エコー講習会が、今年も品川で催された。
第1日の今日はエコーの原理と物理、心機能、周術期管理に関する講義だったのだが、その中の多くの講義ではさかんに「ガイドライン」という言葉が用いられていた。
何年かに一度、ガイドラインは改訂されることになるのだが、ACC/AHA など最近改訂されたばかりのガイドラインを意識した内容の講義となっていたようだった。
興味深かったのは大血管病変に関する講義で、世界各国から発表されているガイドラインの間で、同じ用語であっても異なる意味で用いられることがあるので注意が必要だとのことだった。
今日はスマホで検索したルートで品川まで行ったのだが、乗ったのがたまたま今日、開業したばかりの上野東京ラインだった。
時間帯がそんなに早くなかったせいか、駅は鉄道オタクたちでいっぱいということもなく、今日が開業日だったことは帰宅してから気がついた。
第1日の今日はエコーの原理と物理、心機能、周術期管理に関する講義だったのだが、その中の多くの講義ではさかんに「ガイドライン」という言葉が用いられていた。
何年かに一度、ガイドラインは改訂されることになるのだが、ACC/AHA など最近改訂されたばかりのガイドラインを意識した内容の講義となっていたようだった。
興味深かったのは大血管病変に関する講義で、世界各国から発表されているガイドラインの間で、同じ用語であっても異なる意味で用いられることがあるので注意が必要だとのことだった。
今日はスマホで検索したルートで品川まで行ったのだが、乗ったのがたまたま今日、開業したばかりの上野東京ラインだった。
時間帯がそんなに早くなかったせいか、駅は鉄道オタクたちでいっぱいということもなく、今日が開業日だったことは帰宅してから気がついた。
2014年11月23日日曜日
日本大学秋のセミナー
おととい 21 日(金)、日本大学医学部麻酔科懇話会秋のセミナーに招いていただき、池袋まで出かけてきた。
日本大学麻酔科では春と秋に学術セミナーが催され、大学内だけでなく関連病院の先生方も集まって親交を深めるのだそうだ。
例年は土曜日だということで、今年は少なめということだったのだがそれでも 40 人近くいらっしゃったようで、医局員のつながりの深さを感じた。
懇親会では医局員の先生方とお話しできて、とても楽しい時間を過ごすことができた。
いろいろな催しを定期的に、しかも永続的に伝統となるまで続けていくのはたいへんな努力を必要とするわけだが、ウチの大学でもそういうところをうまく取り入れていきたいものだと思う。
日本大学麻酔科では春と秋に学術セミナーが催され、大学内だけでなく関連病院の先生方も集まって親交を深めるのだそうだ。
例年は土曜日だということで、今年は少なめということだったのだがそれでも 40 人近くいらっしゃったようで、医局員のつながりの深さを感じた。
懇親会では医局員の先生方とお話しできて、とても楽しい時間を過ごすことができた。
いろいろな催しを定期的に、しかも永続的に伝統となるまで続けていくのはたいへんな努力を必要とするわけだが、ウチの大学でもそういうところをうまく取り入れていきたいものだと思う。
2014年10月14日火曜日
ASA 第3日 --- 発表が無事終了しました
2014年10月13日月曜日
ASA 第2日 --- 外は暑いが中は寒い
ニューオリンズは1日のうちで時々雨が降るのだが、基本的には晴天で暑いぐらいだ。
一方、学会場の中は寒く感じるぐらいに冷え込んでおり、ジャケットを着ていてちょうどいいぐらいで、電気がもったいないという気がしてしまう。
ASA では RCL やパネルセッションのほかに Point-Counterpoint という pros-cons セッションがいくつかあり、今日は HES に関するものを見に行ってきた。
"Perioperative colloid administration - Should it be abandoned?" というタイトルだったが、HES 反対派が NEJM などのデータを紹介しつつ HES の危険性を訴え、賛成派が危険性の根拠となる研究のデザインや統計手法の問題点を指摘するといった予想通りの展開で、消化不良だったように感じられた。
聴衆の一人が主張していたが、本当のところ危険なのかどうか、凝固障害や腎傷害の機序の面から深く討論してほしかったように感じる。
ASA の Choose wisely campaign のひとつに「コロイドをルーチンで投与するのはやめよう」というのがあるらしいのだが、そういうキャンペーンがあるということを知ったのは有益だった。
一方、心不全患者の周術期管理に関するパネルセッションは、自分のよく知らない領域だけに学ぶところが多かった。
特にこの分野で UpToDate に執筆していると言っていたスピーカーの話は、ARB の術前中止の議論など、当たり前だが UpToDate に載っていることがそのまま出てきておもしろかった。
このスピーカーによると、「低血圧がなければ ARB は術前は続けた方がいい」という論調だった。
また、心不全患者における周術期のリスクが過小評価されているということについても、一貫して主張していた。
さまざまな非心臓手術の術式において 30 日死亡率などのアウトカムを比較すると、冠動脈疾患患者よりも心不全患者の方が悪い。 (Hammill BG, et al. Anesthesiology 2008; 108: 559-67.)
肺高血圧患者の循環管理のポイント
1) 冠灌流を保ち右室の虚血を避けるために、末梢血管抵抗を保つ。
2) 肺血管抵抗の上昇を最小限にする。 --- 吸入薬など選択性のある肺血管拡張薬を用いる
3) 右室の前負荷と収縮力を保つ。
4) 右室のモニターを用いる。
LVAD を有する患者の循環管理のポイント
1) リズムと心拍数を保つ。
2) 右心機能が保たれていることを確認する。
3) 末梢血管抵抗が大きく変化しないようにする。
4) 前負荷を保つ。前負荷低下はトラブルのもと。
5) 血管収縮薬と強心薬を用いる。
6) カニューレがずれるので、心マをしてはいけない。
一方、学会場の中は寒く感じるぐらいに冷え込んでおり、ジャケットを着ていてちょうどいいぐらいで、電気がもったいないという気がしてしまう。
ASA では RCL やパネルセッションのほかに Point-Counterpoint という pros-cons セッションがいくつかあり、今日は HES に関するものを見に行ってきた。
"Perioperative colloid administration - Should it be abandoned?" というタイトルだったが、HES 反対派が NEJM などのデータを紹介しつつ HES の危険性を訴え、賛成派が危険性の根拠となる研究のデザインや統計手法の問題点を指摘するといった予想通りの展開で、消化不良だったように感じられた。
聴衆の一人が主張していたが、本当のところ危険なのかどうか、凝固障害や腎傷害の機序の面から深く討論してほしかったように感じる。
ASA の Choose wisely campaign のひとつに「コロイドをルーチンで投与するのはやめよう」というのがあるらしいのだが、そういうキャンペーンがあるということを知ったのは有益だった。
一方、心不全患者の周術期管理に関するパネルセッションは、自分のよく知らない領域だけに学ぶところが多かった。
特にこの分野で UpToDate に執筆していると言っていたスピーカーの話は、ARB の術前中止の議論など、当たり前だが UpToDate に載っていることがそのまま出てきておもしろかった。
このスピーカーによると、「低血圧がなければ ARB は術前は続けた方がいい」という論調だった。
また、心不全患者における周術期のリスクが過小評価されているということについても、一貫して主張していた。
さまざまな非心臓手術の術式において 30 日死亡率などのアウトカムを比較すると、冠動脈疾患患者よりも心不全患者の方が悪い。 (Hammill BG, et al. Anesthesiology 2008; 108: 559-67.)
肺高血圧患者の循環管理のポイント
1) 冠灌流を保ち右室の虚血を避けるために、末梢血管抵抗を保つ。
2) 肺血管抵抗の上昇を最小限にする。 --- 吸入薬など選択性のある肺血管拡張薬を用いる
3) 右室の前負荷と収縮力を保つ。
4) 右室のモニターを用いる。
LVAD を有する患者の循環管理のポイント
1) リズムと心拍数を保つ。
2) 右心機能が保たれていることを確認する。
3) 末梢血管抵抗が大きく変化しないようにする。
4) 前負荷を保つ。前負荷低下はトラブルのもと。
5) 血管収縮薬と強心薬を用いる。
6) カニューレがずれるので、心マをしてはいけない。
2014年10月12日日曜日
ASA 第1日 --- ニューオリンズに着きました
アメリカン航空の大幅な遅れのためにホテル日航成田での一泊を余儀なくされ、結局、翌朝9時に成田空港を発った。
空港の職員に「前の日のチケットでは入れません」みたいなことを言われて困ったが、アメリカン航空の「チケットの日付を変えることはできない」みたいな主張が勝ち、結局は前日のチケットのまま搭乗することとなった。
臨時便はガラガラで、客はわずか50人しかいなかったようだ。
まだ夜が明けきらないうちにダラスに着き、ニューオリンズのホテルに着いたのが現地の午前11時ごろ。
ニューオリンズは思ったよりずっと暑く、真夏のような恰好をした観光客が目立つ。
以下は、トロント大学・スリンガー教授による肺保護換気に関するリフレッシャーコース "Perioperative lung protective strategies in one-lung and two-lung ventilation" のメモ書き。
------------------------------------------------------------------------------
2000年代の初頭までは、PEEP なしの大きい一回換気量を用いて一側肺換気が行なわれていた。
その根拠となるものとして、一側肺換気中の PEEP の有無と一回換気量の大小をくらべると、PEEP なしの一回換気量 14 ml/kg の時が最も Pao2 が高い。 (Katz JA, et al. Anesthesiology 1982; 56: 164-71.)
PPPE が生じると術者に輸液量が多すぎると批判されることになりがちだが、PPPE のリスク因子について調べた研究によると、輸液量や輸液バランスは PPPE 発生群と非発生群の間で差がなかった。 (Turnage WS, et al. Chest 1993; 103: 1646-50.)
換気するたびに肺胞が開いたり閉じたりするのは、炎症反応の点から良くないことが示されている。単にアテレクの状態が続いた方がまだまし。 (Chu EK, et al. Crit Care Med 2004; 32: 168-74.)
一側肺換気は換気側肺だけでなく、非換気側肺にも傷害をもたらしうる。 (Kozian A, et al. Br J Anaesth 2008; 100: 549-59.)
開胸術後に換気側肺に強い非対称性の ARDS が生じるという報告。 (Padley SP, et al. Radiology 2002; 223: 468-73.)
手術側肺は虚脱したままより、CPAP を行なった方が炎症反応の点から良い。もっとも手術を行なう上でじゃまになってしまうが。 (Verhage RJ, et al. Br J Anaesth 2014; 112: 920-8.)
開胸手術後の肺傷害を予防する点では輸液はしぼった方がいいが、腎機能を傷害しうるという問題がつねにつきまとう。古典的な研究という意味で Gollege らの研究 (Ann Thorac Surg 1994; 58: 524-8.) が、新しい研究という意味で自分の研究が紹介されていた。
その他、スリンガー教授は小さい一回換気量と PEEP では、PEEP の方が肺保護への寄与の度合いが大きそうだという持論を展開していた。PEEP をかけていれば、一回換気量が大きくても小さくても、あまり関係ない。
さらにスターリングの式が修正されたこと、グリコカリックスについても話していた。グリコカリックスは虚血再灌流や炎症反応で傷害される。
空港の職員に「前の日のチケットでは入れません」みたいなことを言われて困ったが、アメリカン航空の「チケットの日付を変えることはできない」みたいな主張が勝ち、結局は前日のチケットのまま搭乗することとなった。
臨時便はガラガラで、客はわずか50人しかいなかったようだ。
まだ夜が明けきらないうちにダラスに着き、ニューオリンズのホテルに着いたのが現地の午前11時ごろ。
ニューオリンズは思ったよりずっと暑く、真夏のような恰好をした観光客が目立つ。
以下は、トロント大学・スリンガー教授による肺保護換気に関するリフレッシャーコース "Perioperative lung protective strategies in one-lung and two-lung ventilation" のメモ書き。
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2000年代の初頭までは、PEEP なしの大きい一回換気量を用いて一側肺換気が行なわれていた。
その根拠となるものとして、一側肺換気中の PEEP の有無と一回換気量の大小をくらべると、PEEP なしの一回換気量 14 ml/kg の時が最も Pao2 が高い。 (Katz JA, et al. Anesthesiology 1982; 56: 164-71.)
PPPE が生じると術者に輸液量が多すぎると批判されることになりがちだが、PPPE のリスク因子について調べた研究によると、輸液量や輸液バランスは PPPE 発生群と非発生群の間で差がなかった。 (Turnage WS, et al. Chest 1993; 103: 1646-50.)
換気するたびに肺胞が開いたり閉じたりするのは、炎症反応の点から良くないことが示されている。単にアテレクの状態が続いた方がまだまし。 (Chu EK, et al. Crit Care Med 2004; 32: 168-74.)
一側肺換気は換気側肺だけでなく、非換気側肺にも傷害をもたらしうる。 (Kozian A, et al. Br J Anaesth 2008; 100: 549-59.)
開胸術後に換気側肺に強い非対称性の ARDS が生じるという報告。 (Padley SP, et al. Radiology 2002; 223: 468-73.)
手術側肺は虚脱したままより、CPAP を行なった方が炎症反応の点から良い。もっとも手術を行なう上でじゃまになってしまうが。 (Verhage RJ, et al. Br J Anaesth 2014; 112: 920-8.)
開胸手術後の肺傷害を予防する点では輸液はしぼった方がいいが、腎機能を傷害しうるという問題がつねにつきまとう。古典的な研究という意味で Gollege らの研究 (Ann Thorac Surg 1994; 58: 524-8.) が、新しい研究という意味で自分の研究が紹介されていた。
その他、スリンガー教授は小さい一回換気量と PEEP では、PEEP の方が肺保護への寄与の度合いが大きそうだという持論を展開していた。PEEP をかけていれば、一回換気量が大きくても小さくても、あまり関係ない。
さらにスターリングの式が修正されたこと、グリコカリックスについても話していた。グリコカリックスは虚血再灌流や炎症反応で傷害される。
2014年10月10日金曜日
ASA --- なぜか 出発できず成田泊
ニューオリンズに向けて出発するために成田空港に行ったら、出発便を示すボードに自分の乗る飛行機だけ "New date" みたいな見慣れない表示がしてあった。
それでいやな予感がしてアメリカン航空のカウンターに行ったら、今日は飛行機は出発しないとのこと。
ああやっぱりね・・・という感じ。
ここ数日いろいろとトラブルがあって、機体のやりくりがうまくいかないのだそうだ。
カウンターではいろいろと他の航空会社の便も含めて探してくれたようなのだが、結局は代わりの飛行機は見つからず、今夜は空港周辺の某ホテルに泊まることになってしまった。
というわけで、現在、ホテルの部屋でブログを書いているところ。
ホテルに着いたら、ホテルのキーに加えて今日の夕食と明日の朝食のチケットを渡された。
「ひょっとして、飲み放題なのでは・・・」とわずかに期待を膨らませてチケットをよーく見てみたら、裏面に「アルコール飲料代は当券には含まれておりません」と書いてあった。
これもやはり、ああやっぱりね・・・という感じ。
一応、宿泊先のホテルには、チェックインが大幅に遅れる旨、連絡を入れておいた。
すでに一泊分料金はもらっているのでチェックインはできるが、これでもし来なかったらもう一泊分の料金はいただきますよ・・・みたいなことを言っていたと思うのだが、英語の聞き取りに苦労したことも、ああやっぱりね・・・という感じがした。
2014年9月21日日曜日
第19回日本心臓血管麻酔学会学術大会
第19回日本心臓血管麻酔学会学術大会が、大阪・ホテル阪急エキスポパークにて行われた。昨日のI先生によるウチの大学からの発表は、窓の大きい見晴らしのいい部屋で、太陽の塔に見守られながら行われた。
午後6時になってセッションの終了時刻が過ぎると、太陽の塔の黄金の顔の目に電気が灯り、「早く終わらせろ~」と言っているようで、ちょっと笑えた。
昨年は有料のプログラムに参加しそこねたのだが、今年は早い時期にあらかじめ申し込んでおいたので、昨日は CPB セミナー2(応用講義)に、今日は ROTEM ハンズオン1 に参加することができた。
以前、自分が留学中だと思うのだが、ウチの大学では ROTEM をお試しで使ったことがあるらしいのだが、自分では触ったことがなく、自分にとっては ROTEM は今回が初めてだった。
ROTEM は止血困難がある時にヘパリンが多すぎるのか、凝固因子が足りないのか、線溶系が亢進しているのかといった判断の拠り所になりそうだが、ROTEM を使いこなすためには相当量の基本的な知識が必要なわけで、道のりはかなり険しそうに感じた。
そうはいってもいつまでも勘に頼って FFP などを投与し続けるわけにいかないのは明らかなわけで、経食道心エコーと同様に、心外の麻酔を担当するには将来的には必須のものになるかもしれないと思った。
2014年8月30日土曜日
関東甲信越・東京支部 学術集会
日本麻酔科学会関東甲信越・東京支部第54回合同学術集会が、東京・新宿の京王プラザホテルで行なわれた。
午前中のポスター会場をはじめとして、会場はどこも盛況で混み合っていた。
自分としては、特に午後のシンポジウム「SO3 麻酔科医の全科に通じるテクニック そのコツと落とし穴」がおもしろく、基本的なことであっても学ぶことはとても多かった。
最後までいられなかったので、後半の気道確保系、特に分離肺換気の話を聞けなかったのは残念だった。
自分が座長を務めたポスターセッションでは、偶然だとは思うが6演題のうちの2つまでがウチの教室の先生たちの発表だった。
しかも自分のすぐ後ろではウチの教室の先生が座長をしていたり、その隣では自分が指導した演題が発表されていたりと、ウチの先生たちがご近所に集結していたように感じた。
昔からウチの大学では呼吸の研究が盛んに行なわれていたので、たまたまこういうところでそういうことを感じることになるのかもしれない。
午前中のポスター会場をはじめとして、会場はどこも盛況で混み合っていた。
自分としては、特に午後のシンポジウム「SO3 麻酔科医の全科に通じるテクニック そのコツと落とし穴」がおもしろく、基本的なことであっても学ぶことはとても多かった。
最後までいられなかったので、後半の気道確保系、特に分離肺換気の話を聞けなかったのは残念だった。
自分が座長を務めたポスターセッションでは、偶然だとは思うが6演題のうちの2つまでがウチの教室の先生たちの発表だった。
しかも自分のすぐ後ろではウチの教室の先生が座長をしていたり、その隣では自分が指導した演題が発表されていたりと、ウチの先生たちがご近所に集結していたように感じた。
昔からウチの大学では呼吸の研究が盛んに行なわれていたので、たまたまこういうところでそういうことを感じることになるのかもしれない。
2014年7月14日月曜日
RCS 2014 第2日
昨日、無事 RCS 2014 が終了しました。
週末にもかかわらず、むし暑い中、講演して下さった方、参加して下さった方、ご協力下さった方に感謝申し上げます。
来年の RCS については現時点では場所も日にちも決まっておらず、きわめて流動的なのですが、正式に決定され次第、このブログでもお伝えするようにしようと思っています。
週末にもかかわらず、むし暑い中、講演して下さった方、参加して下さった方、ご協力下さった方に感謝申し上げます。
来年の RCS については現時点では場所も日にちも決まっておらず、きわめて流動的なのですが、正式に決定され次第、このブログでもお伝えするようにしようと思っています。
2014年7月12日土曜日
RCS 2014 第1日
東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2014 が、新宿文化クイントビル 18 階、ファイザー製薬株式会社で行なわれた。
初めて行く場所でよくわからず迷ってしまい、まだ午前 8 時過ぎにもかかわらず、着いた時には汗びっしょりになってしまった。
例年よりも参加者の出足は鈍かったように思うが、それでも最初の講演の途中には席はだいぶ埋まっており安心した。
全ての講演を聴講できたわけではないのだが、小児集中治療と癌性疼痛の治療についての講演は、自分があまりよく知らない領域だけにとても勉強になったように感じる。
初めて行く場所でよくわからず迷ってしまい、まだ午前 8 時過ぎにもかかわらず、着いた時には汗びっしょりになってしまった。
例年よりも参加者の出足は鈍かったように思うが、それでも最初の講演の途中には席はだいぶ埋まっており安心した。
全ての講演を聴講できたわけではないのだが、小児集中治療と癌性疼痛の治療についての講演は、自分があまりよく知らない領域だけにとても勉強になったように感じる。
2014年5月20日火曜日
セミナー申し込み受付開始
東京麻酔専門医会関連のお知らせがいくつかあります。
1) 今日から、東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナーの申し込みの受付が始まりました。
お申し込みはホームページからお願いします。
東京麻酔専門医会会員と非会員とでは、申し込み方法が少し違うのでご注意下さい
2) 同時開催されるハンズオンの申し込みの受付が、明日正午より始まります。
こちらはソノサイトのホームページから申し込んで下さい。
3) 平成26年度東京麻酔専門医会総会に続いて学術講演会が、6月14日(土) 14時より昭和大学医学部付属看護専門学校で行われます。
詳細はこちらをごらん下さい。
1) 今日から、東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナーの申し込みの受付が始まりました。
お申し込みはホームページからお願いします。
東京麻酔専門医会会員と非会員とでは、申し込み方法が少し違うのでご注意下さい
2) 同時開催されるハンズオンの申し込みの受付が、明日正午より始まります。
こちらはソノサイトのホームページから申し込んで下さい。
3) 平成26年度東京麻酔専門医会総会に続いて学術講演会が、6月14日(土) 14時より昭和大学医学部付属看護専門学校で行われます。
詳細はこちらをごらん下さい。
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