以下は講演などのメモ書き。
文献レビュー
・PreおよびPostconditioningのメカニズムの中にオピオイドが関与している。
・心筋におけるPreconditioning効果には、δ1受容体が関与している可能性が高い。
・ヒトにおいてδアゴニストを加えるとpreconditioningと同様の効果が得られ、アンタゴニストを加えると効果が消失する。
・Eribis peptide 94というδオピオイドアナログを投与することで心筋保護を得た研究あり。
・小児心臓外科患者において強化インスリン療法を行なった研究では、Lancet (2009)では有用だとしているのに対し、New England Journal of Medicine (2012) では差がないとしている。
・Lancet の論文は、感染・死亡のリスクの高い患者層を対象にしたものらしい。
・破裂腹部大動脈では、EVARでも開腹手術でも転帰に差なし。
・アグレッシブな輸液は、破裂大動脈における死亡率を高める。
・破裂大動脈で筋弛緩を投与するとタンポナーデ効果が失われるので、先に消毒を済ませておく。
・腎不全患者へのトラネキサム酸投与は術後けいれんを増やす。
・βブロッカーの投与は術前に中止しないことが重要で、血管外科領域では転帰はRCRIに依存しない。
・肺高血圧の臨床分類第1群・肺動脈性肺高血圧症があるが、これは以前は特発性と呼ばれていたもの。
・フローランの問題点:血小板凝集抑制作用、皮膚の血管拡張、不安定な物質、QOLの低下、穿刺部位の発赤・疼痛
・移植される肺は大きい方がいい。PH患者では60%以上
心疾患合併患者の非心臓手術の周術期管理
・日本心不全学会のカットオフ値は、BNP は 100、NTproBNP は400。ただし、NTproBNPは年令と腎機能によって値がずいぶん変わってくるので、解釈に注意が必要。
・腎機能障害がある時は、ダビガトランの術前の中止期間を長くする。
・Biphasic response : ドブタミン10γで収縮能が良くなるが、30γでかえって悪化する。→有意な虚血の所見
・低リスクの患者にβブロッカーは勧められない。
・服用中のβブロッカーは継続する。
・周術期に新たに開始するβブロッカーは有害である可能性あり。投与するなら早期に少量から始めてtitrateすべき。
低侵襲循環動態モニタリングに関する教育講演
・LiDCOrapidでは従来のモニターから血圧波形を取り込むので、必要器材がない。
・キャリブレーションが不要。
・血液駆出の結果発生する弾性動脈の容量の増減からCOを求める。
・CO、SVV、PPVが求められる。
・COの精度については今後検討が必要。 --- バイアスが低めに出る。
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