2014年7月23日水曜日

認知的固着

M&D タワーで全職員対象の安全管理研修があり、大阪大学・中島和江先生の講演があった。
医療とは直接は関係のない例を引用しつつ、医療事故の発生するメカニズムに関する話はとても興味深く、学ぶことがたくさんあった。

その中でも、最低の手間で鎖をつないでネックレスを作る(一周つなぐ)というパズルの例は、もともとの鎖を切るという発想が出にくいという盲点を突いている点で、とてもおもしろいと感じた。
正しくないとわかっていてもある(常識的な)発想から逃れることができず、解決に至らない状態を「認知的固着」というらしい。

医療の現場での経験を引き合いに出すまでもなく、自分の場合は詰将棋で日常的に「認知的固着」に苦しめられている。
詰め筋が一つ見えるとそこから逃れることができず、しつこくそれを読み続けてしまい、別の筋が見えなくなってしまうのだ。

将棋の場合は基本的には他の人の力を借りることができないが、医療の現場ではさまざまなシステムやノンテクニカルスキルなどで困難を乗り切ろう・・・というのが、中島先生のお話の主旨だったように思う。

2014年7月14日月曜日

RCS 2014 第2日

昨日、無事 RCS 2014 が終了しました。
週末にもかかわらず、むし暑い中、講演して下さった方、参加して下さった方、ご協力下さった方に感謝申し上げます。

来年の RCS については現時点では場所も日にちも決まっておらず、きわめて流動的なのですが、正式に決定され次第、このブログでもお伝えするようにしようと思っています。

2014年7月12日土曜日

RCS 2014 第1日

東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2014 が、新宿文化クイントビル 18 階、ファイザー製薬株式会社で行なわれた。

初めて行く場所でよくわからず迷ってしまい、まだ午前 8 時過ぎにもかかわらず、着いた時には汗びっしょりになってしまった。

例年よりも参加者の出足は鈍かったように思うが、それでも最初の講演の途中には席はだいぶ埋まっており安心した。

全ての講演を聴講できたわけではないのだが、小児集中治療と癌性疼痛の治療についての講演は、自分があまりよく知らない領域だけにとても勉強になったように感じる。

2014年6月19日木曜日

ダヴィンチ 登場

「とある病院」にダヴィンチが登場した。
とあるナースによると中古品を安く買いたたいたという話だが、その真偽のほどは定かではない・・・。

その「とある病院」ではダヴィンチを使うために、新しく手術室を作る(増設する)とのこと。
なので現在居場所のないダヴィンチ君は、廊下の片隅でぽつんと置き去りにされていた。

実は自分はダヴィンチを見るのはこれが初めてで、自分の身長の2倍ぐらいある巨大なマシンを想像していたのだが、実際はすごくこじんまりしていて、高価な機器にありがちな傲慢さは微塵も感じさせず、ひょっとしたら意外と庶民的ないいヤツなのかもしれないと思ってしまった。

でも本当に地味なので、大掃除の翌日とか気をつけないと、うっかり粗大ゴミ置き場にマウンテンバイクと一緒に捨てられそうであぶないような気がする。

2014年6月15日日曜日

キーパーソンは同業者

アリスの棘」が先週の金曜日に終わった。

最終回が始まるまでの段階では誰がキーパーソンなのかさっぱり見当もつかなかったが、最終回は全く意外な形でドラマが進行した。

麻酔科医はかなり地味で、外科医やナースにくらべると手術ドラマでの認知度が低い分だけ、ある意味、そういう意外な人物に仕立てやすいのもしれない。

ああいう毒薬の類を自由に手に入れられると誤解されかねない点は不本意極まりないが、主人公(上野樹里)が「麻酔科医は手術の進行に欠かせない存在」みたいなことを言っていたので、とりあえず今日のところはよしとしておくことにする。

2014年6月7日土曜日

攻めのコンプライアンス

「コンプライアンス」と言えば、その次にくる言葉としては、まず「違反」が思い浮かぶ。

食品会社が商品の消費期限を偽装したり、医療事故が起こった時に病院がきちんと説明しないような事態がこれに相当すると思うのだが、しかしこれは「守りのコンプライアンス」であって、比較的古い概念なのだということを今日の職員研修で学んだ。

「見つからなければ何をしてもいい」、「法律に反しさえしなければいい」、「倫理に反することをしなければいい」といったネガティブな考えから抜け出して、「模範的な振る舞いをする」といったポジティブな発想をすることを、正確には何と言っていたか忘れたが、「『攻めの』コンプライアンス」みたいな表現をしていたように思う。

土曜日の半日をかけた職員研修で、後半の方はかなり疲れていたが、最後の最後におもしろい話を聞くことができて、これが今日一番の収穫だったように感じる。

2014年5月25日日曜日

初めての TBL

以前にも書いたと思うが、今年から医学部医学科の教育が大きく変化した。

その一つが Team based learning (TBL) と呼ばれるもので、チーム基盤型学習と訳されているらしいのだが、学生をグループに分けてディスカッションさせながら正答を導かせるというものである。
すごく目新しい。

救急麻酔ブロックが2週間あり、その後半1週間を麻酔・集中治療で担当したのだが、今回はその1週間に TBL を3個組み込んだ。

そしてその最後の1個を自分で担当したのだが、学務課のサポートを強力に得ることで、初めてであるにもかかわらずなんとか無事に終えることができたという感じだった。

80分のうちのほとんどの時間は学生が個人またはグループで作業しており、教員はひたすら見守るだけなので、エネルギーの消費という観点からは教員は楽なのかもしれない。

ただ、学生の学習のためにはチーム間である程度は答が割れるようなものでないとディスカッションにならないので、テスト問題にはかなり工夫を要するように思った。

あと、学生の答を予見することはできないので、答がどのように割れるかわからないし、こちらから指名した学生がどういう説明をするのかも予測できないので、授業がどのように進むかがわからない点も難しく感じた。

なので、自分が初めて経験した TBL をまとめると、テスト問題というかディスカッションのもととなる教材作りがほとんど全てで、あとはディスカッションをうまく進める教員の人間力が問われるように思った。

もちろん、学務課のサポートも不可欠である。
教室と学務課の間を行ったり来たりしながら、マークシートの採点を時間内にすばやく済ませたり、答を示す掲示板を準備したりするなど、強力なサポートで心強かった。