2011年10月16日日曜日

ASA 第1日

10/15 (土) 晴れ 風が強くて寒い!

Opening Session: Target: Reducing Inpatient Surgical Mortality to Less Than 1% Globally

日本に戻った時に、ウチの職場で Sign In、Time Out、Sign Out というシステムがそれぞれ仮導入されていた。これらはどうも "Surgery Checklist" というらしいのだが、これによって手術に基づく合併症や死亡率が減少したとのこと。
(Sign In で自分の名前を改まって名乗るのが、なんとなく気恥ずかしいというかちょっと抵抗があるのは、アメリカでもそんなに変わらないらしい)

それからパルスオキシメータを用いずに手術を行っているところがいまだにあって、発展途上国にパルスオキシメータを寄付するような運動も行われているらしい。
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Anesthesia Patient Safety Foundation Workshop: Current Anesthesia Patient Safety Issues - Help Set the Priorities for Immediate Short -Term Resolution

麻酔による死亡率は減少しているが、medication error は減っていない。麻酔中は ①一人で投薬すること、②(必要に応じて)すぐに投薬すること、③担当外科医からの指示によることが多いこと、④外部からのチェックがほとんどないこと、が問題になってくる。
(ウチの Y 先生が JOA に載せたのデータが引用されていた。)

患者を ICU とか病棟に移動させた時に、コミュニケーション・エラーが起こりうる。午前中に話題になった "Check list" がここでも役立つ可能性があるらしい。

座位の脳神経外科手術における脳血流のコントロールの問題とからめて、脳血流の自動調節能の下限は、従来言われてきたものよりも高いらしい。Less permissive hypotension なのだと言っていた。

残存筋弛緩が術後(呼吸器)合併症をもたらすことは知られているが、ASA には筋弛緩モニタリングに関する十分なガイドラインが現時点では存在しない。

オペ室での火災を分析すると、その大部分のケースでは鎮静中の患者で高濃度の酸素が投与されている。2008年の recommendation では、①高濃度の酸素を投与する時はラリマなどで気道を確保すべき、②鎮静中の患者で気道が確保されていない(開放されている)時は高濃度の酸素を投与すべきではないとのこと。①については、会場の参加者の多くが賛同していた。

腹臥位での脊椎手術後の失明の頻度は、0 ~ 1:500、あるいは 1:1800 という報告がある。かなりまれだが起こると重篤。男性、肥満、Wilson frame、麻酔時間、出血量が ischemic optic neuropathy のリスク因子。コロイド投与は保護的に作用する。
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Refresher Course Lecture --- Perioperative Management of Petients With Respiratory Diseases

術前に最適な状態にもっていくことが重要
・術前に十分に呼吸機能を評価しておく
・ステロイドについてはルーチンにやるものではなく、必要に応じて行う。コルチコステロイドは麻酔導入後の喘鳴の頻度を減らし、気道反応性や炎症のコントロールに役立つ。
・禁煙は手術前の短期間でも役立つ。
・Incentive Spirometry

手術中の人工呼吸
・低一回換気量、PEEP、リクルートメント
・100% 酸素は避ける
・呼吸機能が悪くても、自発呼吸にはよく耐えることがある。

合併症を避ける上で全麻よりも区域麻酔が優るかどうかは、議論の余地がある。

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