ウチでは毎年のことらしいのだが、正月早々、教員研修 (Faculty Development: FD) が昨日行なわれた。
今回の FD は、「学習成果基盤型教育 (Competency Based Medical Education (CBME) の導入」に関するものだったのだが、「学習成果基盤型って何?」っていう感じで最初は何が何やらさっぱりわからなかった。
しかし帰る頃には何となくわかってきたような気がしてきたわけで、半日の FD の効果は大したものだと思わざるをえない。
学習成果基盤型というのは従来のように学習のプロセスを云々するのではなく、まず最初に医学部卒業時のゴールを定めておくことに特徴があるようだ。
ゴールを定めておくことで、医師の質の一部を担保することにつながるらしい。
そしてそのゴールを達成するためにいろいろな教科の垣根を取り払って、大学入学時から卒業時までの6年間を見渡してカリキュラムを組んでいくことになるのだそうだ。
医療に限らず最近はなんでもそういう傾向にあると思うのだが、「質の保証」が以前よりも重要視されている。
身近なところでは麻酔科指導医・専門医が更新制になったことが挙げられるし、JB-POT は少なくとも 10 年に一度は基準点に達しないと資格を失うことになってしまう。
受験する側にとってはキツいことこの上ないのだが、そうでもしないと資格自体の信頼が損なわれてしまうことにもつながるということだろう。
医学教育は毎年何らかの進歩を遂げており、医学の進歩とはまた別の意味で、医療の質も向上しているように感じる。
その一方で医学生の負担はどんどん増えているみたいで、ちょっと気の毒な気さえしてしまう。
20 年以上前は今よりもずっとずっとのんびりとしていて、学生の立場としてはとても恵まれていたように思う。
鉛筆を握る時間よりもオールやバーベルを握る時間の方がはるかに長かった学生時代は、今となっては夢の中のできごとのように感じる。
0 件のコメント:
コメントを投稿