2014年12月11日木曜日

ディスポのバッグ

「とある病院」に行ったら、なぜか麻酔器にバッグがついていなかった。

それでナースに訊いたら、システムが変わったとのことで、ラテックスフリーのディスポのバッグを出してくれた。
使ったら洗浄せずに捨ててしまうのだそうだ。

将来、「昔はバッグを洗浄していたものだった・・・」などと遠い目をして若手に語る時のために、今日の日のことを備忘録に残しておくことにする。

2014年11月23日日曜日

日本大学秋のセミナー

おととい 21 日(金)、日本大学医学部麻酔科懇話会秋のセミナーに招いていただき、池袋まで出かけてきた。

日本大学麻酔科では春と秋に学術セミナーが催され、大学内だけでなく関連病院の先生方も集まって親交を深めるのだそうだ。

例年は土曜日だということで、今年は少なめということだったのだがそれでも 40 人近くいらっしゃったようで、医局員のつながりの深さを感じた。

懇親会では医局員の先生方とお話しできて、とても楽しい時間を過ごすことができた。

いろいろな催しを定期的に、しかも永続的に伝統となるまで続けていくのはたいへんな努力を必要とするわけだが、ウチの大学でもそういうところをうまく取り入れていきたいものだと思う。

2014年11月13日木曜日

良薬は口に苦し・・・か?

先週末から風邪気味だったが、昨日は本格的に具合が悪くなり、本当につらかった。
鼻汁止まらないし、喉は痛いし、咳が出始めると止まらなかった。
満員電車では途中で降りるわけにもいかないし、マスクはしているものの、まわりにウイルスをまき散らしているようで、居心地の悪さはこの上ない。

それで帰りにドラッグストアに寄り、風邪薬(パ●コール顆粒)を買ったのだが、これが予想以上の苦さで、いかにも薬っていう感じがした。
ただしよく効くみたいで、鼻汁と咳、喉の痛みはかなり良くなった。
内服後3時間ぐらいで強烈に眠くなるけど。

咳をすると今もマスクの中が鉄サビのようなにおいがして、いかにも身体がバイ菌と闘っているっていう気がする。

2014年10月14日火曜日

ASA 第3日 --- 発表が無事終了しました

午前中にデータベースに関するポスターセッションがあり、今年もなんとか無事に発表が終了した。

昨年とはやり方が少し異なり、一人あたりの E-poster のディスプレー占拠時間が 30 分とあらかじめ定まっており、その間にモデレーターがまわってくるという形式だった。

われわれの発表は名前がセッションの中で一番上にあったので、当然最初に発表するものだと思ったのだが実際にはそうではなく、ちょっと混乱してしまった。

同様の混乱は他の日本人の研究者の間にも見られたようで、そういうのに瞬時に対応する現場力のようなもの(?)が求められているような気がした。

2014年10月13日月曜日

ASA 第2日 --- 外は暑いが中は寒い

ニューオリンズは1日のうちで時々雨が降るのだが、基本的には晴天で暑いぐらいだ。
一方、学会場の中は寒く感じるぐらいに冷え込んでおり、ジャケットを着ていてちょうどいいぐらいで、電気がもったいないという気がしてしまう。

ASA では RCL やパネルセッションのほかに Point-Counterpoint という pros-cons セッションがいくつかあり、今日は HES に関するものを見に行ってきた。

"Perioperative colloid administration - Should it be abandoned?" というタイトルだったが、HES 反対派が NEJM などのデータを紹介しつつ HES の危険性を訴え、賛成派が危険性の根拠となる研究のデザインや統計手法の問題点を指摘するといった予想通りの展開で、消化不良だったように感じられた。
聴衆の一人が主張していたが、本当のところ危険なのかどうか、凝固障害や腎傷害の機序の面から深く討論してほしかったように感じる。

ASA の Choose wisely campaign のひとつに「コロイドをルーチンで投与するのはやめよう」というのがあるらしいのだが、そういうキャンペーンがあるということを知ったのは有益だった。

一方、心不全患者の周術期管理に関するパネルセッションは、自分のよく知らない領域だけに学ぶところが多かった。

特にこの分野で UpToDate に執筆していると言っていたスピーカーの話は、ARB の術前中止の議論など、当たり前だが UpToDate に載っていることがそのまま出てきておもしろかった。
このスピーカーによると、「低血圧がなければ ARB は術前は続けた方がいい」という論調だった。

また、心不全患者における周術期のリスクが過小評価されているということについても、一貫して主張していた。

さまざまな非心臓手術の術式において 30 日死亡率などのアウトカムを比較すると、冠動脈疾患患者よりも心不全患者の方が悪い。 (Hammill BG, et al.  Anesthesiology 2008; 108: 559-67.)

肺高血圧患者の循環管理のポイント
1) 冠灌流を保ち右室の虚血を避けるために、末梢血管抵抗を保つ。
2) 肺血管抵抗の上昇を最小限にする。 --- 吸入薬など選択性のある肺血管拡張薬を用いる
3) 右室の前負荷と収縮力を保つ。
4) 右室のモニターを用いる。

LVAD を有する患者の循環管理のポイント
1) リズムと心拍数を保つ。
2) 右心機能が保たれていることを確認する。
3) 末梢血管抵抗が大きく変化しないようにする。
4) 前負荷を保つ。前負荷低下はトラブルのもと。
5) 血管収縮薬と強心薬を用いる。
6) カニューレがずれるので、心マをしてはいけない。

2014年10月12日日曜日

ASA 第1日 --- ニューオリンズに着きました

アメリカン航空の大幅な遅れのためにホテル日航成田での一泊を余儀なくされ、結局、翌朝9時に成田空港を発った。

空港の職員に「前の日のチケットでは入れません」みたいなことを言われて困ったが、アメリカン航空の「チケットの日付を変えることはできない」みたいな主張が勝ち、結局は前日のチケットのまま搭乗することとなった。

臨時便はガラガラで、客はわずか50人しかいなかったようだ。
まだ夜が明けきらないうちにダラスに着き、ニューオリンズのホテルに着いたのが現地の午前11時ごろ。
ニューオリンズは思ったよりずっと暑く、真夏のような恰好をした観光客が目立つ。

以下は、トロント大学・スリンガー教授による肺保護換気に関するリフレッシャーコース "Perioperative lung protective strategies in one-lung and two-lung ventilation" のメモ書き。
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2000年代の初頭までは、PEEP なしの大きい一回換気量を用いて一側肺換気が行なわれていた。
その根拠となるものとして、一側肺換気中の PEEP の有無と一回換気量の大小をくらべると、PEEP なしの一回換気量 14 ml/kg の時が最も Pao2 が高い。 (Katz JA, et al.  Anesthesiology 1982; 56: 164-71.)

PPPE が生じると術者に輸液量が多すぎると批判されることになりがちだが、PPPE のリスク因子について調べた研究によると、輸液量や輸液バランスは PPPE 発生群と非発生群の間で差がなかった。 (Turnage WS, et al.  Chest 1993; 103: 1646-50.)

換気するたびに肺胞が開いたり閉じたりするのは、炎症反応の点から良くないことが示されている。単にアテレクの状態が続いた方がまだまし。 (Chu EK, et al.  Crit Care Med 2004; 32: 168-74.)

一側肺換気は換気側肺だけでなく、非換気側肺にも傷害をもたらしうる。 (Kozian A, et al.  Br J Anaesth 2008; 100: 549-59.)

開胸術後に換気側肺に強い非対称性の ARDS が生じるという報告。 (Padley SP, et al.  Radiology 2002; 223: 468-73.)

手術側肺は虚脱したままより、CPAP を行なった方が炎症反応の点から良い。もっとも手術を行なう上でじゃまになってしまうが。 (Verhage RJ, et al.  Br J Anaesth 2014; 112: 920-8.)

開胸手術後の肺傷害を予防する点では輸液はしぼった方がいいが、腎機能を傷害しうるという問題がつねにつきまとう。古典的な研究という意味で Gollege らの研究 (Ann Thorac Surg 1994; 58: 524-8.) が、新しい研究という意味で自分の研究が紹介されていた。

その他、スリンガー教授は小さい一回換気量と PEEP では、PEEP の方が肺保護への寄与の度合いが大きそうだという持論を展開していた。PEEP をかけていれば、一回換気量が大きくても小さくても、あまり関係ない。

さらにスターリングの式が修正されたこと、グリコカリックスについても話していた。グリコカリックスは虚血再灌流や炎症反応で傷害される。

2014年10月10日金曜日

ASA --- なぜか 出発できず成田泊

ニューオリンズに向けて出発するために成田空港に行ったら、出発便を示すボードに自分の乗る飛行機だけ "New date" みたいな見慣れない表示がしてあった。
それでいやな予感がしてアメリカン航空のカウンターに行ったら、今日は飛行機は出発しないとのこと。
ああやっぱりね・・・という感じ。
ここ数日いろいろとトラブルがあって、機体のやりくりがうまくいかないのだそうだ。
カウンターではいろいろと他の航空会社の便も含めて探してくれたようなのだが、結局は代わりの飛行機は見つからず、今夜は空港周辺の某ホテルに泊まることになってしまった。
というわけで、現在、ホテルの部屋でブログを書いているところ。
ホテルに着いたら、ホテルのキーに加えて今日の夕食と明日の朝食のチケットを渡された。
「ひょっとして、飲み放題なのでは・・・」とわずかに期待を膨らませてチケットをよーく見てみたら、裏面に「アルコール飲料代は当券には含まれておりません」と書いてあった。
これもやはり、ああやっぱりね・・・という感じ。
一応、宿泊先のホテルには、チェックインが大幅に遅れる旨、連絡を入れておいた。
すでに一泊分料金はもらっているのでチェックインはできるが、これでもし来なかったらもう一泊分の料金はいただきますよ・・・みたいなことを言っていたと思うのだが、英語の聞き取りに苦労したことも、ああやっぱりね・・・という感じがした。

2014年10月1日水曜日

指導医更新 --- 申請完了

職務経歴書へ院長先生の印鑑をいただくのに1週間かかると言われていたが、実際にはわずか2日しかかからず、今日、あらゆる書類を日本麻酔科学会に送付することができた。
まあまあスムーズに申請のプロセスが進んだように感じるのだが、気になったことがひとつ。

Web 申請を済ませた後で書類を印刷すると、昨年度分までの症例数が出力されるだけでなく、なぜか今年の4月から Web 申請日までの麻酔症例数がゼロの状態で印刷されてしまうのだ。
今年度の分も入力すべきだったのにうっかり忘れてしまったのかと、一瞬、わけがわからなくなってしまった。

これについては昨日、学会に問い合わせたところ、今年度の分については破棄していいとのこと。
どうやら学会でもこの問題については十分に認識しているようなので、今後、システムが改善されることを期待したい。

2014年9月24日水曜日

指導医更新 --- さらに一歩前へ

指導医更新に必要な内容をウェブサイト上で入力し終わり、ウェブ上の申請を済ませ、クレジットカードで2万円を支払った。

さらに入力した内容を印刷し、院長先生と教授にサインと捺印をお願いするところまで進み、あと一歩で手続き終了というところまでこぎつけたところ。

留学期間は別として自分の場合は単一機関で働いていたからいいが、いくつかの施設で働くと施設ごとにサインと捺印をいただかないといけないのでものすごく大変だ。

異動は資格の切れ目がいい・・・ということなのかもしれない。

2014年9月21日日曜日

第19回日本心臓血管麻酔学会学術大会

第19回日本心臓血管麻酔学会学術大会が、大阪・ホテル阪急エキスポパークにて行われた。

昨日のI先生によるウチの大学からの発表は、窓の大きい見晴らしのいい部屋で、太陽の塔に見守られながら行われた。
午後6時になってセッションの終了時刻が過ぎると、太陽の塔の黄金の顔の目に電気が灯り、「早く終わらせろ~」と言っているようで、ちょっと笑えた。

昨年は有料のプログラムに参加しそこねたのだが、今年は早い時期にあらかじめ申し込んでおいたので、昨日は CPB セミナー2(応用講義)に、今日は ROTEM ハンズオン1 に参加することができた。

以前、自分が留学中だと思うのだが、ウチの大学では ROTEM をお試しで使ったことがあるらしいのだが、自分では触ったことがなく、自分にとっては ROTEM は今回が初めてだった。

ROTEM は止血困難がある時にヘパリンが多すぎるのか、凝固因子が足りないのか、線溶系が亢進しているのかといった判断の拠り所になりそうだが、ROTEM を使いこなすためには相当量の基本的な知識が必要なわけで、道のりはかなり険しそうに感じた。

そうはいってもいつまでも勘に頼って FFP などを投与し続けるわけにいかないのは明らかなわけで、経食道心エコーと同様に、心外の麻酔を担当するには将来的には必須のものになるかもしれないと思った。
 

2014年9月13日土曜日

指導医更新 --- 一歩前進

今年が5年ごとの指導医の年に当たるため、先々週ぐらいからコツコツと手続きを進めている。

この5年間のうち2年間は留学していたため最初は暫定的な更新を目指していたのだが、現地で臨床研究に携わった場合は正式更新 OK との力強いお言葉を学会当局からいただいたため、方針転換して正式更新を目指すことにした。

もっとも言葉の印象とは異なり「暫定更新」は決して楽ではなく、手続き自体は正式更新の概ね 80% ぐらいの労力となるため、点数とかで無理がなければ正式更新がいいみたいだ。

それで臨床の業績として全麻(吸入)が何件だとか、胸壁・腹壁・会陰の手術の麻酔が何件だとか数え始めたのだが、大きなデータベースから数え上げるのが容易ではないことに気づくことになった。

最初は1件、2件と地道に数え始めたのだが、すぐにそれでは終わらないことに気づき、ちょっと(かなり)焦ったのが昨日のこと。

まだ数え始めた人は少ないためか、誰に訊いてもよくわからないと言う。
それで医局長が日本光電さんを呼んでくれ、結局、エクセルへのエクスポートのやり方を教えてもらうことになった。

エクセルに落としさえすれば、あとはフィルターをかけつつ必要なデータ数を数えるだけなので大丈夫。
いろんな研究でけっこう慣れてるし・・・。

これで指導医の更新が一歩前進したわけだが、きっとさらに障害が待ち受けているはずなので、根気よく粘り強く取り組たいものだと思う(正直なところ、現時点ではまだ少し余裕アリ)。

2014年8月30日土曜日

関東甲信越・東京支部 学術集会

日本麻酔科学会関東甲信越・東京支部第54回合同学術集会が、東京・新宿の京王プラザホテルで行なわれた。
午前中のポスター会場をはじめとして、会場はどこも盛況で混み合っていた。

自分としては、特に午後のシンポジウム「SO3 麻酔科医の全科に通じるテクニック そのコツと落とし穴」がおもしろく、基本的なことであっても学ぶことはとても多かった。
最後までいられなかったので、後半の気道確保系、特に分離肺換気の話を聞けなかったのは残念だった。

自分が座長を務めたポスターセッションでは、偶然だとは思うが6演題のうちの2つまでがウチの教室の先生たちの発表だった。
しかも自分のすぐ後ろではウチの教室の先生が座長をしていたり、その隣では自分が指導した演題が発表されていたりと、ウチの先生たちがご近所に集結していたように感じた。

昔からウチの大学では呼吸の研究が盛んに行なわれていたので、たまたまこういうところでそういうことを感じることになるのかもしれない。

2014年7月23日水曜日

認知的固着

M&D タワーで全職員対象の安全管理研修があり、大阪大学・中島和江先生の講演があった。
医療とは直接は関係のない例を引用しつつ、医療事故の発生するメカニズムに関する話はとても興味深く、学ぶことがたくさんあった。

その中でも、最低の手間で鎖をつないでネックレスを作る(一周つなぐ)というパズルの例は、もともとの鎖を切るという発想が出にくいという盲点を突いている点で、とてもおもしろいと感じた。
正しくないとわかっていてもある(常識的な)発想から逃れることができず、解決に至らない状態を「認知的固着」というらしい。

医療の現場での経験を引き合いに出すまでもなく、自分の場合は詰将棋で日常的に「認知的固着」に苦しめられている。
詰め筋が一つ見えるとそこから逃れることができず、しつこくそれを読み続けてしまい、別の筋が見えなくなってしまうのだ。

将棋の場合は基本的には他の人の力を借りることができないが、医療の現場ではさまざまなシステムやノンテクニカルスキルなどで困難を乗り切ろう・・・というのが、中島先生のお話の主旨だったように思う。

2014年7月14日月曜日

RCS 2014 第2日

昨日、無事 RCS 2014 が終了しました。
週末にもかかわらず、むし暑い中、講演して下さった方、参加して下さった方、ご協力下さった方に感謝申し上げます。

来年の RCS については現時点では場所も日にちも決まっておらず、きわめて流動的なのですが、正式に決定され次第、このブログでもお伝えするようにしようと思っています。

2014年7月12日土曜日

RCS 2014 第1日

東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2014 が、新宿文化クイントビル 18 階、ファイザー製薬株式会社で行なわれた。

初めて行く場所でよくわからず迷ってしまい、まだ午前 8 時過ぎにもかかわらず、着いた時には汗びっしょりになってしまった。

例年よりも参加者の出足は鈍かったように思うが、それでも最初の講演の途中には席はだいぶ埋まっており安心した。

全ての講演を聴講できたわけではないのだが、小児集中治療と癌性疼痛の治療についての講演は、自分があまりよく知らない領域だけにとても勉強になったように感じる。

2014年6月19日木曜日

ダヴィンチ 登場

「とある病院」にダヴィンチが登場した。
とあるナースによると中古品を安く買いたたいたという話だが、その真偽のほどは定かではない・・・。

その「とある病院」ではダヴィンチを使うために、新しく手術室を作る(増設する)とのこと。
なので現在居場所のないダヴィンチ君は、廊下の片隅でぽつんと置き去りにされていた。

実は自分はダヴィンチを見るのはこれが初めてで、自分の身長の2倍ぐらいある巨大なマシンを想像していたのだが、実際はすごくこじんまりしていて、高価な機器にありがちな傲慢さは微塵も感じさせず、ひょっとしたら意外と庶民的ないいヤツなのかもしれないと思ってしまった。

でも本当に地味なので、大掃除の翌日とか気をつけないと、うっかり粗大ゴミ置き場にマウンテンバイクと一緒に捨てられそうであぶないような気がする。

2014年6月15日日曜日

キーパーソンは同業者

アリスの棘」が先週の金曜日に終わった。

最終回が始まるまでの段階では誰がキーパーソンなのかさっぱり見当もつかなかったが、最終回は全く意外な形でドラマが進行した。

麻酔科医はかなり地味で、外科医やナースにくらべると手術ドラマでの認知度が低い分だけ、ある意味、そういう意外な人物に仕立てやすいのもしれない。

ああいう毒薬の類を自由に手に入れられると誤解されかねない点は不本意極まりないが、主人公(上野樹里)が「麻酔科医は手術の進行に欠かせない存在」みたいなことを言っていたので、とりあえず今日のところはよしとしておくことにする。

2014年6月7日土曜日

攻めのコンプライアンス

「コンプライアンス」と言えば、その次にくる言葉としては、まず「違反」が思い浮かぶ。

食品会社が商品の消費期限を偽装したり、医療事故が起こった時に病院がきちんと説明しないような事態がこれに相当すると思うのだが、しかしこれは「守りのコンプライアンス」であって、比較的古い概念なのだということを今日の職員研修で学んだ。

「見つからなければ何をしてもいい」、「法律に反しさえしなければいい」、「倫理に反することをしなければいい」といったネガティブな考えから抜け出して、「模範的な振る舞いをする」といったポジティブな発想をすることを、正確には何と言っていたか忘れたが、「『攻めの』コンプライアンス」みたいな表現をしていたように思う。

土曜日の半日をかけた職員研修で、後半の方はかなり疲れていたが、最後の最後におもしろい話を聞くことができて、これが今日一番の収穫だったように感じる。

2014年5月25日日曜日

初めての TBL

以前にも書いたと思うが、今年から医学部医学科の教育が大きく変化した。

その一つが Team based learning (TBL) と呼ばれるもので、チーム基盤型学習と訳されているらしいのだが、学生をグループに分けてディスカッションさせながら正答を導かせるというものである。
すごく目新しい。

救急麻酔ブロックが2週間あり、その後半1週間を麻酔・集中治療で担当したのだが、今回はその1週間に TBL を3個組み込んだ。

そしてその最後の1個を自分で担当したのだが、学務課のサポートを強力に得ることで、初めてであるにもかかわらずなんとか無事に終えることができたという感じだった。

80分のうちのほとんどの時間は学生が個人またはグループで作業しており、教員はひたすら見守るだけなので、エネルギーの消費という観点からは教員は楽なのかもしれない。

ただ、学生の学習のためにはチーム間である程度は答が割れるようなものでないとディスカッションにならないので、テスト問題にはかなり工夫を要するように思った。

あと、学生の答を予見することはできないので、答がどのように割れるかわからないし、こちらから指名した学生がどういう説明をするのかも予測できないので、授業がどのように進むかがわからない点も難しく感じた。

なので、自分が初めて経験した TBL をまとめると、テスト問題というかディスカッションのもととなる教材作りがほとんど全てで、あとはディスカッションをうまく進める教員の人間力が問われるように思った。

もちろん、学務課のサポートも不可欠である。
教室と学務課の間を行ったり来たりしながら、マークシートの採点を時間内にすばやく済ませたり、答を示す掲示板を準備したりするなど、強力なサポートで心強かった。

2014年5月21日水曜日

ダブルヘッダー

例年、麻酔科の医学部医学科の講義は夏から秋にかけて1週間に数コマの割合で行なわれるのだが、今年からカリキュラムが変更され、今週1週間に救急麻酔ブロックの一部として麻酔科の講義が詰め込まれている。

それで例年だと1日に2コマも講義をすることなんてなかったのだが、そういう事情のために今日は80分の講義を2コマもしてしまった。

今までの1日での講義時間の最高が 90分1コマだったので、大幅に自己新記録を打ち立てたということになる。
なんかとても疲れてしまって、もうこれ以上しゃべりたくなく、英会話教室はサボってしまった。

以前、医療従事者相手にぶっ続けに4時間講義するアルバイトの話があったのだが、引き受けなくて良かった。
のどが強い方ではないので、このぐらいが限界なのだと思う。

でも、小学校とか中学校の先生たちはもっとしゃべっているはずだし、時にはどなり声をあげたりもするわけで、自分にはとうてい勤まりそうもないように感じる。

2014年5月20日火曜日

セミナー申し込み受付開始

東京麻酔専門医会関連のお知らせがいくつかあります。

1) 今日から、東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナーの申し込みの受付が始まりました。
お申し込みはホームページからお願いします。
東京麻酔専門医会会員と非会員とでは、申し込み方法が少し違うのでご注意下さい

2) 同時開催されるハンズオンの申し込みの受付が、明日正午より始まります。
こちらはソノサイトのホームページから申し込んで下さい。

3) 平成26年度東京麻酔専門医会総会に続いて学術講演会が、6月14日(土) 14時より昭和大学医学部付属看護専門学校で行われます。
詳細はこちらをごらん下さい。

2014年5月16日金曜日

日本麻酔科学会 学術総会 第2日

自分の研究の発表を T 先生にやってもらったが、無事に終わってほっとした。
彼女の緊張がこっちにも伝わってきて、自分も心臓がバクバクしてしまった。

以下は今日のメモ書き。

機械的刺激は、アンギオテンシンⅡ受容体を介して心筋肥大を惹起する。
圧負荷はアンギオテンシンⅡ非依存性に、アンギオテンシン受容体を介して心肥大を惹起する。

esCCO という新しい CO モニタリング
心電図の R 波から末梢の Spo2 測定部位に脈波が伝わるまでの時間(脈波伝播時間 PWTT)から CO を求める
・ 校正が必要
・ ヨーロッパでは使われているが、日本ではまだ薬事が通っていない
・ 体位変換による影響あり
・ 不整脈や電メスのアーチファクトに弱く、数字が出なくなってしまう

Surviving Sepsis Campaign のガイドラインによると、乳酸値 > 4 で初期治療を開始する。
組織低酸素と関係のない高乳酸血症がある。
Lactate Shuttle という概念 --- エネルギーを産生する上で合目的的な乳酸産生と考える

ICU 症候群という名前を見直す機運が高まった。
「ICU せん妄」 は患者予後を悪化させる独立因子

Pain, Agitation, Delirium の管理法 --- PAD ガイドライン
・ 全ての重症患者には痛みがある、と考える
・ 鎮静深度の評価が重要 → 使う時はベンゾジアゼピン系以外で
・ せん妄の評価には CAM-ICU または ICDSC

2014年5月15日木曜日

日本麻酔科学会 学術集会 第1日

日本麻酔科学会第61回学術集会が横浜で行なわれた。
以下は、今日のプログラムのメモ書き。

OSA 患者の咽頭気道は解剖学的に閉塞しやすい。
これは、骨構造物の大きさとその中の軟部組織量のアンバランスによる。

覚醒時には、咽頭拡大筋の働きによって気道を開通させている。
残存麻酔薬、筋弛緩により、咽頭気道拡大筋の働きが抑制される。

咽頭閉塞性の肺容量依存性は、特に肥満患者で顕著である。
→ BMI の高い患者ほど、肺容量を保つことが重要である。

NPPV の効果
舌根沈下、肺胞虚脱、低肺コンプライアンスには PEEP が効きそう。
低1回換気長に対しては PS が効く。

NPPV は自発呼吸があることが前提となるが、一時的なマスクでの強制換気に用いることもある。

High Flow Oxygen Therapy (HFOT) は、酸素療法と NPPV の間に位置づけられる。

加温加湿した高流量ガスを鼻腔カヌラから投与する酸素療法。
最大流量 60 L/分で、吸気流量を超える設定なら FIo2 が安定する。

RCT のデータが欠けている。
長期使用の安全性はまだわからない。
あきらめて NPPV に進むべきタイミングも明らかではない。

帝切後には、一般の手術の痛みに後陣痛の痛みが加わる。
これには NSAIDs が有効だとされている。

産褥期の脊髄くも膜下麻酔の局麻量は帝切時より多いが、非妊時よりは少ない。
妊娠により亢進していたオピオイドの感受性は、産後 24~48 時間で非妊時に戻る。

フェンタニルの乳汁への移行は無視しうる。
モルヒネの慢性使用者の乳汁では、思いがけない高濃度になりうるが、児に異常行動が見られることはない。

NSAIDs メロキシカム、メフェナミク酸は乳汁移行の点から勧められない。
授乳中のメペリジン、コデイン、トラマドールは勧められない。

くも膜下モルヒネの至適投与量は 100~150 μg
硬膜外モルヒネは 2~3 mg 程度

2014年5月11日日曜日

シティドレッシング

大型屋外広告物を掲出して街全体を装飾することを「シティドレッシング」というらしいのだが、つい先日、大学から日本サッカー協会のシティドレッシングに協力することになったというメールを受け取った。

それで今日来てみたら、大学の研究棟がこんな風になっていた。

麻酔科の居室はこの巨大な香川や本田よりも上なのだが、ちょうどその階にあたるところでは、窓が肌色だったり茶髪の色だったりするのだろうか??

どうでもいいことだが、ちょっと気になる。

2014年5月1日木曜日

全室で McGrath

「とある病院」に行ったら、全てのオペ室に McGrath 喉頭鏡が置いてあった。
ついこの前まで McGrath 喉頭鏡が2台しかなく、しかもブレードが欠品だったために超貴重品扱いだったのに・・・。

全ての部屋でいつでも McGrath 喉頭鏡が使えるような環境が整うと、そのうちマッキントッシュ喉頭鏡を使ったことがない麻酔科医が現れるようになるのだろうか。

「ほら、こうやると口の中から声門が見えるんだよ」なんて、語る日も遠くないかもしれない。

2014年4月19日土曜日

大学院研究カンファレンス

今日は月1回の大学院研究カンファレンスで、M 先生と自分の番だった。

3週間ぐらい前から打ち合わせを重ね、前半は自分が研究の背景について説明し、後半は M 先生が研究についての中間報告を行なうという形式をとった。

いろいろな先生たちから意見をいただいたが、自分が全く想定していなかったものもあり、これから研究を進めていく上でとても有意義なものとなった。

自分のグループが担当するのは初めてのことで、抄読会とは違う雰囲気に少しとまどったりもしたが、まあまあ無難に終えられたと思う。

2014年4月9日水曜日

EndNote の活用

今まで文献の保管と整理にしか使っていなかった EndNote を、論文の文献挿入にも使ってみようと思い、今日初めて挑戦してみた。

最初は直感でいろいろといじっていたのだがよくわからず、結局、先日の講習会の資料を読み返すことで、少しずつできるようになってきた。

今後克服すべき課題としては、手元に PDF はあるもののインターネット経由で自動的に書誌情報が得られていない論文をどのように引用するのかということと、手打ちで入力した著者名や論文情報などを、いかに共存させるかということだろう。

とりあえず今日は新しいことに挑戦したということで、自分で自分をホメておこうと思う。

2014年4月7日月曜日

訊く vs. 聞く

日本語の某麻酔科系ジャーナルに原稿を書いたら、ゲラ刷りが送られてきた。
するとそこには編集部によって多数の修正が施されていたのだが、私が「患者に訊いた」と書いたところまで細かく、「訊いた」を「聞いた」に直されていた。

自分としては「訊いた」は "ask" あるいは "inquire" の意味で、「聞いた」は "hear" あるいは "listen to" の意味で使い分けていたので、「あいつら編集者のくせに日本語も知らんのかっ!」と思いつつ、大きくバッテンをつけつつ赤字で「訊いた」に直しておいた。

しかしなんかちょっと嫌な予感がして、念のためにスマホの辞書で調べてみたら、「聞く」には「聞こえる」、「耳を傾ける」、「従う」のほか、「尋ねる」という意味もあるとのこと。

知ったかぶりであぶなく恥をかくところだったわけで、再度「聞いた」に修正しておいたわけだが、思い込みのまま放置することなく辞書で調べるという行為ができたという点については、自分で自分をホメてあげたいと思った(笑)。

それにしてもスマホやケータイは本当に便利で、そういうのがなかったら調べる気も起らなかったように思う。

2014年4月2日水曜日

T 先生が新しく住人に

4月になり、人事異動があった。
ここ何年かでは、今年が最も人の出入りが大きいような気がする。

われわれの部屋では、窓に近い席におられた N 先生が集中治療部へ異動となり、そちらの研究室へ引っ越ししていった。

自分の隣の U 先生が N 先生の席に移動し、自分の隣の席が一瞬空席となった。
今月からウチの大学に復帰された T 先生が、そこの席に入る見込み。

ついでながら、生協に550円の弁当を買いに行ったらいつのまにか570円になっていた。
いつも買っている商品の値段が上がっていると、消費税率アップを実感する。

2014年3月25日火曜日

リフレッシュコースセミナー プログラム決定のお知らせ

7月12日(土)、13日(日)に開催される東京麻酔専門医会リフレッシュコースセミナー 2014 のプログラムが決定しました。

昨年までとは異なり今年は新宿で行なわれますので、間違えて新日本橋の方に行かないようにご注意下さい。(来年はまたさらに別の場所で行なわれる見通しです。)

今はやりの話題はもちろんのこと、教科書の膨大なページが割かれている内容をテーマにした講演もたくさんあります。

若い先生方の専門医試験対策だけでなく、ベテランの先生方の知識のリフレッシュに役立つはずですので、どうぞみなさんふるってご参加下さい。

2014年3月19日水曜日

ASA の抄録

ニューオリンズで行なわれる今秋の ASA で発表しよう(してもらおう)と思い、レジデントの T 先生と一緒に ASA のウェブサイトで抄録を登録してみた。
あっさり終わるかと思ったが、全部で2時間かかってしまった。

ちょっと面倒だと感じたのが共同演者を登録するところで、まずはウェブ上で共同演者をサーチしなければいけない点だ。
ヒットすればそれでよいいのだが、ヒットしなければあらためてフルネームを入力しなければならない。
どうやら ASA の会員、および以前に ASA で発表した人はヒットするようだった。

さらに所属が同じでも、一回ずつ所属を入力しないといけない点が面倒だ。
登録システムとしては、日本麻酔科学会の方が数段優れているように感じる。

2014年3月15日土曜日

大雪の被害

写真は今朝、駅前の公園で写したもの。
城壁のようなところに、まだ雪が残っているのがわかる。

今日行なわれた OSCE は本来は2月に行なわれるべきものだったのだが、大雪のためにやむをえず中止にしたということだった。

その時に東京から来た模擬患者さんたちは前泊していたのだが、大雪のために帰ることもできなくなり、結局4泊せざるをえなくなったのだそうだ。
この話だけでも、いかにすごい雪だったかがわかるというものだ。

帰りに乗ったタクシーの運転手が言うには、大雪の翌朝、タクシーが雪ですっかり埋まってしまって、盗まれたと思ったということだった。

今日はやや肌寒かったものの空は晴れわたり、富士山はもちろんのことアルプスの山々もよく見えて、気持ちのいい一日だった。

2014年3月14日金曜日

OSCE で遠征再び

OSCE の外部評価者として、某県の県庁所在地に泊りがけでやって来た。

その某県某大学医学部では先日の大雪で、OSCE が延期になってしまったとのこと。
それで仕切り直しすることになってしまい、ほんの数週間前に自分のところに打診があったというわけだ。

駅前の公園にはまだ雪が残っており、先日の大雪の被害が大変なものだったことがわかる。
東京はここのところ暖かく春めいてきているように感じるが、ここはまだ寒く、春はまだ遠いようだ。

2014年3月9日日曜日

経食道心エコー講習会 第2日

昨日と今日の講習の中で、多くの演者が大動脈弁輪の形状について触れていた。

現在では大動脈弁輪は正円ではなく、楕円であることが広く受け入れられているのだそうだ。

つまり、長軸像での弁輪計測値をもとに正円として流出路断面積を計算すると、過小評価することになるとのことだった。

また、文献を読む限りでは TAVI はすでに確立した治療法であるような印象があるのだが、実際には発展途上の技術らしい。

今日も昨日に続いて、とても勉強になった。

2014年3月8日土曜日

経食道心エコー講習会 第1日

たぶん2年ぶりだと思うのだが、経食道心エコー講習会に参加してきた。

今日の中で一番おもしろかったのは「スペックルトラッキング法による評価」で、早期心機能異常の指標である長軸方向の収縮の障害を捉えることができ、拡張能に異常がない段階での心機能の異常を見つけることができるのだそうだ。

まだ臨床で広く用いられる段階ではないようだが、拡張能の異常よりも直観的には理解しやすいように感じるので、現場には受け入れられやすいのではないかと思う。

それから ASE のガイドラインが改変され、基本20断層像がすでに過去のものになっていることも初めて知った。
不勉強を恥じる次第だが、これを知っただけでも今日行った甲斐があった。

2014年2月26日水曜日

EndNote 講習会

図書館で行なわれた EndNote X7 講習会に出席した。
RefWorks は実習もあったが、これは講義のみ。

現在、EndNote の最新のバージョンは X7 なのだが、X4 以前のものだとかなり使い勝手が悪くなっているとのこと。
自分のはつい最近買ったばかりのように思うのだがバージョンが X5 で、たいして活用していないうちにいつのまにか古くなっていることに気づかさせられた。

EndNote は import, management, output ができることが特徴なのだそうだ。
今まで前2者についてはやっていたが、肝心の output はほとんどやっておらず、本当に古くなって使えなくならないうちに使っておこうという気分になった。

2014年2月24日月曜日

RefWorks 説明会

図書館で RefWorks の説明会が行われたので参加した。

医中誌や PubMed などで検索した論文を RefWorks で管理するだけでなく、論文を書く際にはさらにそのタイトルやジャーナルの巻数、ページ数などを、Vancouver Style などで引用できる形に仕上げてくれるとのこと。

しかも添付ファイルを付けたりメモ書きなどもできるので、これが使えるのならば自分自身の備忘録的なホームページはいらないんじゃないかと思うほどだった。

この説明会で印象的だったのは、自分はほとんど使っていない Google Scholar が、実はものすごくパワフルなツールだという話を聞けたことだった。

もちろん Google Scholar で検索した論文も「引用」ボタンで RefWorks に生かせるので、両方を組み合わせることでかなりなことができそうな気もする。

2014年2月23日日曜日

船橋での合宿研修再び

2年前に続いて、今年も船橋での医学科4年生対象の合宿研修に参加した。
前回よりも教員の数が少なく、全体的にコンパクトになった感じがあった。

夕食の時に隣の学生に聞いた話によると、この学年の大学入試がバンクーバー・オリンピックの真っ最中で、ウチの大学の入試前日が浅田真央選手の銀メダル獲得の日だったとのこと。
ちょうど同年代のアスリートの活躍に、自分も頑張ろうと思ったということだった。

もうまもなくソチ・オリンピックが終わるが、たぶん今年の受験生も同じようなことを感じているわけで、もしも4年後に合宿研修に自分が参加することがあれば、そういうことを訊いてみたいと思う。

2014年2月22日土曜日

アセリオ初体験

「とある病院」でアセリオが採用されたので、先日、さっそく使ってみた。

たまたまその患者さんが小柄な人で体重が 50kg に満たなかったので、添付文書に従って 1.5 ml/kg 静注することにしたのだが、ビンにメモリがないので不便に感じた。

縦型ポンプを使えば投与量の調整は簡単なのだろうが、手元にポンプがない場合はちょっと面倒だ。

この日はあらかじめ投与しない分をシリンジで抜き取っておき、残りを全量入れることにした。

ビンの下の方に微妙にメモリのようなものはあるのだが、半量を意味しないことは明らかで、何を意味するのかは不明である。

2014年2月9日日曜日

指導医講習会2日め

大雪が降った翌朝、日曜日にもかかわらず電車が大幅に遅れている中を大学に出かけ、指導医講習会の2日めに参加した。

今日はグループワークが3つもあり、参加者はきっとタスクフォースの自分よりも疲れただろうが、全てのプログラムを終えることができた。

最後に参加者が感想を一言ずつ述べたのだが、9年前に参加した時と全く異なったのは、全ての人が参加して良かったと感謝の言葉を述べていて、こういうことをやること自体に疑問の声を上げる人が一人もいなかったことだ。

以前とくらべて講習会のプログラムが格段に改善しているのかもしれないし、臨床研修医制度自体が浸透したということかもしれないし、ウチの大学の教育がうまくいっているということなのかもしれないのだが、昔の指導者層がすっかり牙を抜かれてしまっているような気がして、正直なところなんかさびいしいような気分が拭い去れなかった。

2014年2月8日土曜日

三連覇達成 --- 偉大な記録

大雪にもかかわらず大学で医局長選挙があり、H 先生が一昨年、昨年に引き続き、医局長に選出された・・・らしい。

「らしい」というのは、自分はそのころ大学の指導医講習会にタスクフォースとして参加しており、残念なことに歴史的瞬間に立ち会えなかったのだ。

昭和40年10月に開講以来、同じ人が医局長を三期続けて勤めるのは史上初めてのことである。
H 先生がわが麻酔科の「レジェンド」となるべく第一歩を記した日として、今日という日は今後長く記憶にとどめられるべきと考える。

参考までに本日の時点で、わが麻酔科の同一人物による生涯最多選出記録は N 准教授による4回で、2000年冬に達成された。
次回の医局長選挙は H 先生がこの記録に並ぶかどうかがかかるわけで、従来にない盛り上がりが期待される。

一方の指導医講習会だが、今日は大雪のために若干予定よりも短縮されて終了した。
その後、電車が止まってしまう前に、ダッシュで帰ったことは言うまでもない。

指導医講習会は規定の時間数をこなさなければならないらしく、今日短縮した分、
明日は延長される見込みだそうだ。

写真は指導医講習会で出された、大学名入りのまんじゅう。

2014年2月2日日曜日

教育関係の FD

毎年正月の土曜日に行なわれている FD が、今年は昨日行なわれた。

学生数が近いうちに増えること、教育の質が国際的に保証される必要があることなどから、大学だけでなく大学外の施設まで巻き込んで、学生の教育が相当大きな規模で行なわれる必要に迫られる可能性があるらしい。

そうなると現行のシステムを続けて行くのは難しいわけで、どうしても北米型の大学と病院の関係、つまり各病院に大学から任命された教授や准教授がいて、学生を各病院に配置した上で大学の名のもとに責任を持って教育を行なうような形に変わらざるを得ないのではないかと考えてしまう。

2014年1月30日木曜日

リフレッシャーコースセミナー 2014 のお知らせ

東京麻酔専門医会のリフレッシャーコースセミナー 2014 が、今年も7月に東京で開催されます。

まだプログラムは決まっていないのですが、候補にあがっている講演はいずれも麻酔科医の関心や興味をひくようなものばかりです。

みなさん、ふるってご参加下さい。

例年は新日本橋のアステラス製薬のビルなのですが、今年はちょっと違って新宿のファイザー株式会社本社ビルなので、その点だけ要注意です。

2014年1月28日火曜日

新しい留学生

新しい留学生 O 先生と、教授室で初めて会った。

日本語がうまい、少なくとも自分の英語よりは・・・。

一緒に研究をしていくことになると思うが、とても楽しみだ。

2014年1月26日日曜日

徹底分析の原稿完成

今年の初夏頃だろうと思うのだが、LiSA で呼吸器外科の麻酔関係の特集(徹底分析)が組まれる・・・って言うか、自分で組ませてもらった。

その中で自分でも一つ原稿を書かせてもらって、先週の金曜日に宅急便で送った。

その前に書いた「気管切除術の麻酔」のテキストに続き、今回も締め切りよりも1週間以上前に仕上げることができたというわけで、最近どういうわけか原稿書きのスピードだけは身につきつつあるように感じる。

2014年1月21日火曜日

オリーブ油の効用

ダブルルーメンチューブに細径の気管支鏡を通す時にキシロカインスプレーをずっと使っていたのだが、倉田先生の勧めにしたがってオリーブ油を使ってみたところすごく滑りがよく、すっかり気に入ってしまった。

通常はどうも腹腔鏡のポートを入れるのに使っているものらしいのだが、少量をガーゼに取り、それを気管支鏡の表面に塗り込むとすごく滑りがよくなる。

しかもキシロカインスプレーにくらべて効果が長持ちするし、コストも決して高くないので、お勧めできるやり方なのだと思う。

2014年1月10日金曜日

天津みやげ

医局に行ったらたまたま中国人留学生の C さんがいて、天津のおみやげをもらった。

一見、揚げパンみたいなのだが実はコリコリしていて、香ばしくておいしかったよ、ありがとう!

ふだんは 350 ml のビールしか飲まないのだが、今日は手の皮がむけるまでポンピングした(ウソ)ので、500 ml を飲むことにする。

2014年1月9日木曜日

カナダは遠くなりにけり・・・

ふだん一緒に英会話に通っている A さんが、近いうちにイエローナイフへ行くのだそうだ。

それが直行便ではなくてバンクーバー経由で、しかも帰りにバンクーバーで一泊するのだと言う。

それでバンクーバーはどこに泊まるのかと尋ねたら、Granville Station のそばの某ホテルだとのことだったのだが、その時、Granville Station がどこなのか一瞬、全く思い出せなかった。

A さんにネット上の地図を見せてもらって、ようやく1年目に毎日のように通った英会話クラブのすぐそばだということに気づいた。

帰国から2年以上経つのでしかたがないが、なんかバンクーバーでのくらしが記憶の彼方に飛んで行っているような気がしてならない。

たまに受け取る向こうの友人からのメールや手紙、なんとかキープしようとして頑張っている英会話力、少しはうまくなったかもしれないサーブぐらいが、当時をかろうじて思い出させてくれる痕跡のように感じる。

2014年1月5日日曜日

やっぱり「腎傷害」か?

"KDIGO" って何て読むのかを探すためにネットで検索していたら、内野先生のブログにたどりつき、そこで内野先生が AKI の日本語訳は「急性腎傷害」だという持論を展開していた。

以前の自分の意見とほぼ同じだということに気づき、非常に勇気を得た。

が、医学部倫理委員会に研究の承認申請書類を提出するたびに「傷害」が誤字だと指摘され、「障害」に修正するように言われ続け、そのたびに持論を展開していたが正直なところかなり辟易し、最近では面倒だからと「障害」で済ませていたところ・・・。

「障害」はやっぱりヘンなのだが、本家本元の日本腎臓学会がそう言っているのだから、これはもう覆らないのだろうと思う。