2013年12月25日水曜日

臨時増刊号の原稿完成

臨床麻酔「臨時増刊号」への依頼原稿を書き上げ、ついさっき投稿した。
いつものことだが余裕がなく、締め切り当日の投稿となった。

原稿用紙25枚超だったから、自分としては久々の大作の部類に入る。
LiSA の場合はたいてい10~15枚だからその倍ぐらいの時間と労力をかけたことになるわけで、さすがに「書き終えた~」という実感がある。

ちょっとくたびれたので、現在某ジャーナルに投稿中の論文がリジェクトされて戻ってこない限りは、年内はもう執筆活動は終わりにしようと思う。
今日は研究日なのだが、残りの時間は書棚の整理とそうじにあてることにする。

2013年12月24日火曜日

クリスマスツリー @ 御茶ノ水

クリスマスイブの今日、M&D タワー南面に巨大なクリスマスツリーができた。

ウチの大学の、数少ない自慢のひとつ(笑)。

麻酔科の部屋は全て、「灯りをつけてブラインドを開ける」役回りだったのだが、あやうく情報室の電灯を消しかけてしまい、ちょっとあせった。

2013年12月14日土曜日

駐車場 --- 完成間近っぽい

夏の間、M&D タワーの南側に巨大な穴を掘っている・・・と思ったら、いつの間にか立体駐車場ができあがりつつあるのに気がついた。

写真は M&D タワーと病院の渡り廊下から写したもの。

ピントがガラスに合ってしまったのが残念だが、駐車場の上に大学のシンボルマークがあるのがわかる。

2013年12月11日水曜日

2人そろって歯科受診

大学で夕方、感染対策関係の講習があった。
全職員対象の講習だし、自分が麻酔科の感染対策係だということから本来は当然出席すべきだったのだが、夕方、歯科受診の予約を入れていたことから、出席することができなかった。

それで今日の昼間、研究室で隣の席の K 先生が私に講習に出るかどうか尋ねてきた時、「歯科に受診するので出られない」と答えたのだが、その K 先生が「実は私もなんですわ」と関西弁で言ってきた。

自分としてはそれは K 先生がサボる口実としての「歯科受診」なのかな・・・と思ったのだが、実は本当らしく、K 先生はわざわざはずれた詰め物を見せてくれた。
私も負けずに(?)はずれた金属の詰め物を見せ、お互いに納得(?)してみたりした。

日本の麻酔科医で今日の夕方、詰め物のはずれのために歯科に受診した人が何人いるのか知らないが、たまたま研究室で隣どうしの2人がそうだったということで、たわいもないことだが奇跡のような確率のできごとだと考えることにしたい。

2013年12月8日日曜日

同門会の忘年会

今年も毎年恒例の忘年会が、京王プラザホテル本館 44 階ハーモニーにて行なわれた。

自分が生まれたころから麻酔科医として働いている大先輩も来られ、教室の歴史が脈々と続いていることを感じさせられた。

開業されている先生の中には、勤務医には想像もできないような大成功を収めて景気がこの上なくいい先生もいらっしゃって、ふだんの宴会とはまた違った意味で大いに盛り上がった。

2013年12月6日金曜日

口腔内異物

麻酔の導入が終わってオペが始まり、研修医に説明をしていたら自分の口の中に突然固いものが出現したのに気づいた。

いやな予感がして、マスクをはずして口から出してみたら、予想通り、金属製の歯の詰め物だった。

つい先日はチョコを食べていてポロリととれたが、今回は何かを噛んだりしたわけではなく、しゃべっていて上の歯から落ちたらしい。

こんな風に簡単に取れてしまうということは、麻酔導入中にこういうことが起こることもありうるわけで、気管内に落ちたらたいへんなことになってしまうと思う。

2013年11月28日木曜日

ファーストネームで呼びあう間柄

エピドラをやるために患者さんを横向けにしたところ、その患者さんの病棟の受け持ちの看護師さんがオペの見学にやって来た。

オペ室のスタッフとのあいさつが終わった後で、その看護師さん、「○○さん、おはようございます、△△です」と、患者さんの姓ではなく下の名前で呼んだ上に、自分のことも下の名前を使っていた。

すると患者さんも、「おう、△△さんか、おはよう」と、やはり下の名前で呼んでいた。

カナダではそれがふつうだったが日本では初めてで、すごく新鮮だった。
なんか仲が良さそうで、すごくうらやましい!

2013年11月22日金曜日

口腔外科専門医試験

「とある病院」で、たまたま歯科だか口腔外科だかの専門医の実地試験に出くわした。

まるで昔の麻酔科指導医試験のように、よその施設の年配の先生(たぶんどこかの教授)がやってきて、目の前で手術の腕前を評価するというものだった。

麻酔科の場合と違うのは、おそらく全体の人数が少ないからなのだと思うのだが、試験を受ける側も評価する側もお互いに知り合いらしく、なんか妙に仲がいいという点だ。

自分が実地試験を受けた時は、試験官だった N 大学の S 教授はつねにニコニコしていたが、直接の上司がおそろしくピリピリしていたことを思い出す。

その口腔外科の実地試験では、ちょうど手術が終わって麻酔器が移動を始めたころに患者も動き出し、「すごい、もう覚めた!」と試験官の先生方にホメてもらったのだが、そのこともせっかくなので忘れないように備忘録に記録しておこうと思う。

2013年11月15日金曜日

オレのスタビライザー

いきさつはよく知らないが、とある有名なスタビライザーの開発者がウチの大学にやって来て、まさにそのスタビライザーを使っている手術を見学していった。

オフポンプではいつものことだが心臓を脱転するたびに血圧がジェットコースターのように動き、安定させるのにひどく苦労してしまった。
カテコラミンの調節はもちろんのこと、ポンピングもした。

ところがその開発者、たまたま血圧が安定している時にモニターを見て、すごく満足そうだった。
「さすが、オレのスタビライザー」って言ってたような気がする。

本当に頑張ってたのは、オレたちなんだけどね・・・。

2013年11月10日日曜日

初めての遠近両用体験

本をあまり読まなくなったせいか、最近回復してきたように思うのだが、一時期、近くに目の焦点があわなくて本当に困ったことがあった。

留学前は決してはずすことがなかった手背の静脈に、カテが入らなくなったのだ。
なんか静脈が1本の線ではなく、青く平べったくにじんで見えるようだった。

認めたくはないのだが、老眼のせいなのだろう。
東京麻酔専門医会学術委員会の諸先輩方からは、「ねばるのは見苦しいから早くメガネを買え」とアドバイスをいただいていたのだが、くやしいような気持ちが消えなくてふんぎりがつかなかった。

ところが今日、メガネが致命的なレベルまで変形するアクシデントがあり、近所のメガネ屋に行ってみて、遠近両用メガネを体験するチャンスに恵まれた。
確かにすごくよく見える。
新聞の字はもちろんのこと、自分の手背の静脈も。

ただ思ったよりかなり高価で、勧められたのがレンズ1組で6万円だった。
とりあえずメガネの修理だけは済ませて帰ってきたのだが、たぶんきっと近いうちに買うことになると思う。

今回体験してみて良かったのは、自分の今までのイメージとは違って、遠近両用メガネがそんなにおじいさんぽくなかったことだ。
自分がほしいのは「ガリレオ」の湯川准教授(福山雅治)がかけているようなやつで、気分だけは優秀な准教授になってみたい(笑)。

2013年11月3日日曜日

ブックレビュー ・・・ 人間、感激を忘れたらおしまいですよ

臨床麻酔学会でシンポジストを務めたからだと思うのだが、学会場で本を1冊いただいた。
「2013(平成25)年11月1日 初版第1刷発行」 と書いてあるので、出版したばかりということになる。

人間、感激を忘れたらおしまいですよ
臨床麻酔学の父 岡山の提督 - 小坂二度見 言行録
新井達潤 著  山陽新聞出版センター

金沢からの帰りの飛行機の中で一気に読んだ。
大学の学長室に Z 旗を掲げておくなんて、常人のできる技ではない。
かなりすごい人物なのだということは、このエピソード一つだけで容易に察しがつくというものだ。

自分の中では小坂先生が教授として学会とかで講演をされていた記憶は全くないのだが、それもそのはずで 1991 年、私が大学を卒業した年、に教授を退官されたらしい。
まさに、日本の麻酔学の草分けの一人というわけだ。

この本の中では小坂先生が麻酔を志したきっかけと思われるできごとがいくつか描かれているのだが、これがまた歴史を感じさせてなんともすごい。
今ではごくフツーに行なわれている全身麻酔が、当時では最先端の技だったりして、脊麻が切れて患者がもがき苦しみながら死んでいく・・・なんてホラーみたいなことが、日常的にあったようなのだ。
シンジラレナイ・・・。

というわけで、小坂先生の人物像の一端に触れるたけでなく、昔の麻酔がどんな感じだったかを知るのにも役に立ちそうで、秋の夜長に最適の1冊ということでおススメしたい。

2013年11月2日土曜日

日本臨床麻酔学会第33回大会 第2日

金沢駅前にある石川県立音楽堂、ANA クラウンプラザホテル金沢、ホテル日航金沢で行なわれている臨床麻酔学会に昨日から参加している。

昨日は朝4時半に起きて8時前の羽田発の飛行機に乗ったので、体力的にはキツかった。
昨日の分はまた後日、載せることにする。

以下は今日の分のメモ書き。
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○周術期管理チームの新たなステップ

Acute Pain Service (APS) は欧米を中心に普及しているが、痛みの評価は必ずしも十分には行われていない。
APS が稼働していてもなお、3割程度の患者は痛みを感じている。
APS はコストがかかるから、やめた方がいいという意見もあり。
日本麻酔科学会では、周術期管理加算(仮称)を獲得すべく、活動している。

APS をすでに立ち上げた施設の麻酔科では・・・
IV-PCA、PCEA のついた患者の回診は1日1回
ボタンの押し方の指導がメイン
PCEA のメニュー 0.25% レボブピバカイン 150ml + 生食 130 ml + フェンタニル 20 ml で 4~6 ml/hr

消化器外科の医師にとっては、NSAIDs の使用は熱型に影響を与えるので好まない。

薬剤師が積極的に APS に関わっている病院では・・・
PCA 用 0.2% アナペイン 288 ml (+/- フェンタニル 6A) --- 院内製剤 4 ml/hr
PCA ポンプの説明は薬剤師が行っている。

専属ナースや麻酔科医などの人材確保のほか、PCA ポンプや専用輸液セットなどのランニング・コストがかかる。
PCA ポンプのリース代が数千万円
管理加算の獲得が望まれる。

下顎枝矢状分割術を対象にした遺伝子多型の研究
遺伝子によって、痛がりの人やオピオイドの効かない人が存在するということ。
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○プレセデックスのランチョンセミナー

副作用として低血圧、徐脈のみならず、高血圧に注意
高血圧は高用量をボーラスで投与すると起こることあり。
1 ug/kg を 10分かけて投与する。 ひきつづき 0.5 ug/kg/hr
オンセットが遅く、回復が遅いのが難点

(6月に添付文書が改訂されたらしく、「全身麻酔に移行する意識下気管支ファイバー挿管に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない」という文言が追加されていた。)
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○専門医が伝えるプロの技4

最近はオピオイドベースの麻酔が多いので、マスクや声門上器具による維持よりもむしろ気管挿管 + 筋弛緩に移行しつつある。
チューブのサイズ選択に迷うようなら、特に腹腔鏡や胸腔鏡手術ではカフ付きチューブを用いる。
ビデオ喉頭鏡があるので、先天奇形による挿管困難も克服できる。
揮発性吸入麻酔薬ベースの麻酔ではバッキングから開眼までは抜管すべきではないとされていたが、オピオイドベースの麻酔では抜管はいつでもいい。

ハロタン時代は emergence agitation (EA) は少なかったが、セボ・デスの時代は多い。
EA は原因不明で、就学前、不安が強い、痛み、眼科・耳鼻科手術がリスク因子。
EA の予防/治療にはミダゾラム、オピオイド、ケタミン、プロポフォール、デクスメデトミジンなど。

新生児では痛みを抑えることが stress response を抑え、予後を改善する。
動物実験の神経毒性をヒトで証明することは難しく、しかも環境の要因も見逃せないことから、吸麻よりも神経毒性が少ないオピオイドがいいのではないか。
肥厚性幽門狭窄症では、術後無呼吸となることがある。

超音波ガイド下の中心静脈カテーテル挿入は小児では賛否両論があり、評価は定まっていない。
小児の場合は椎骨動脈は浅く、内頸静脈の裏に存在することあり。
その他、頸横動脈とか甲状頸動脈が内頸静脈のそばにあることあり。
頸部の中央よりも末梢側での穿刺が安全だろう。

小児での TEE プローブ挿入は、気道に対する影響が大きい。
プローブ先端の位置によっても影響は変わり、奥に進めると影響は小さい。
プローブの種類によっては、体重 5 kg 以下でも使える。
組織酸素飽和度モニターを、腎臓でも応用できる。

2013年10月30日水曜日

くちびる、はさまれた

歯の詰め物がとれてしまったので、急遽、歯医者に行ってきた。
もともと銀色の金属が詰めてあったのだが、今回は樹脂状のものを詰められ、歯の色に近づいたように感じる。

その処置をするために歯医者が指を口に突っ込んでいる最中に、歯医者の指と歯でくちびるがはさまるということがあった。
あたりまえだが、これがものすごく痛かった。

胃管を挿入する時に自分の指と患者の歯で患者のくちびるがはさまることがあるのだが、まさにこれに相当するわけで、もっともっと優しくしないといけないと、いまさらながら感じてしまった。

2013年10月16日水曜日

無事、帰国しました

台風が関東を直撃するタイミングと成田空港の着陸が重なる可能性があったので、どうなることかと思ったが、出発がものすごく遅れるということもなく、何とか無事に帰ってこれた。

ただ、成田空港自体が閉鎖していた時期があったということもあり、滑走路やゲートはひどく混み合っていて、着陸の順番待ちやゲートが空くのを待ったりしたので、結局約2時間遅れの到着となった。

電車もかなり混乱していたが、行きは動いていなかったスカイアクセスは今度はちゃんと動いていたので、まあその点は助かった。

しかし成田空港には人があふれていて、成田エクスプレスや京成線に乗るつもりだった人や乗り継ぎ便を逃した人がたくさんいたわけで、これから遠くへ帰る人たちは本当にたいへんだと思う。

2013年10月15日火曜日

Anesthesiology 2013 第3日

ようやく第3日にして、発表の順番がめぐってきた。
国際学会が初めての S 先生が担当してくれたのだが、ポスターに没頭することなく、原稿に目を落としっぱなしにするでもなく、適当にアイコンタクトを混ぜてうまくできたように感じる。

今日気がついたのは、オッズ比が1近辺の時は小数点以下のデータも詳しく示さないと、1をまたいでいるという誤解を受けてしまうということだ。
そもそも多変量解析が何かということがわかっていなさそうな人からの質問だったので、答えるのにも苦慮してしまった。

いよいよ明日帰国なのだが、ちょうど関東地方に台風が直撃するタイミングでの到着となりそうだ。
現時点では飛行機は予定通りに出発することになっているのだが、帰国が先延ばしにならないことを祈るばかり。

2013年10月14日月曜日

Anesthesiology 2013 第2日

Perioperative coagulation and coagulopathy

血液凝固第VII因子製剤(ノボセブン)
内因系と外因系の両方に作用する。
メタ解析が3つ行なわれており、死亡率には差なし。
血栓塞栓症のリスクは上げないものの、血栓形成の報告あり。

ダビガトラン
経口的に投与できる。
他の薬物や食物と相互作用なしで、80%が腎からの排泄。
高齢者とか腎機能低下患者などを除けば、モニタリングは推奨されない。

リバロキサバン
rfVIIa か PCC でリバースできる。

抗凝固薬のガイドラインは、ランダム化研究に基づいているわけではなく、レトロスペクティブ・スタディやケースレポート、薬物動態などにも続いて作成されている。
硬膜外カテーテル留置には、薬物の半減期の2倍待つ(25% 未満の薬物が残存)のがいいかもしれない。
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Protecting the kidney from perioperative injury

Kidney Attack という言葉がある --- Kellum JA, et al.  JAMA 2012; 307: 2265-6.
術前評価、AKI の予防、早期発見、早期介入が麻酔科の仕事。

Kellum JA, et al.  Crit Care 2013; 17: 204.
KDIGO 分類が載っている。
KDIGO のウェブサイト --- www. kdigo.org

Prowle JR, et al.  Crit Care 2011; 15: R172.
術中の 94% の乏尿は AKI にならない。

Macedo E, et al.  Kidney Int 2011; 80: 760-7.
乏尿が転帰に与える影響について調べた研究。

Molitoris BA.  Crit Care 2013; 17: 181.
sCr と GFR の間の関係について調べた研究。

Coca SG, et al.  Kidney Int 2010; 78: 926-33.
AKI の期間と死亡率の関係について調べた研究。
長ければ長いほど死亡率が上昇する。

Mcllroy DR, et al.  Anesthesiology 2010; 112: 998-1004.
AKI のバイオマーカーについて。
IGFBP7 とか TIMP-2 といった Cell Cycle Arrest のバイオマーカーが脚光を浴びでいる。

Ricksten SE, et al.  Crit Care 2013; 17: 221.
Renal oxygen balance という新しいコンセプト
腎の酸素摂取率をデータとして扱っている。

Redfors B, et al.  Crit Care Med 2010; 38: 1695-701.
心外後の AKI 患者を対象に、Renal VO2 を調べた研究。

利尿薬は転帰に対して有益ではない。
尿量を増やし、肺の水分量は減らすということで、適応は限られる。

Redfors B, et al.  Acta Anaesthesiol Scand 2010; 54: 183-90.
ドパミンは GFR にも VO2 にも影響しない。

フェノルドパムはオンセットとオフセットが早い。
末梢からの投与が可能。
0.05 ug/kg/min で投与。

重炭酸ナトリウムは尿の pH を 6.5 以上にすることを目指している。
"6.5" はマジックナンバーだとのこと。
大規模な RCT が待たれる。
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Morbid and ultraobesity
ホームページ --- www.ispcop.org

ヒゲのある患者でマスク換気が難しそうな場合は、顔の上にヒゲごとテガダームを貼り付け、口のところだけ切れ込みをあけてそこから換気をするという技がある。

Kheterpal S, et al.  Anesthesiology 2006; 105: 885-91.
マスク換気を困難にする因子の研究。
ヒゲ、肥満では換気が困難になる。

Shiga T, Anesthesiology 2005; 103: 429-37.
「挿管に関する問題」は、肥満患者で3倍の頻度になる。

BMI は独立した挿管困難の因子ではない。

Safe Apnea Period (Spo2 が90%まで低下するまでの時間)は、頭高位、ビーチチェアポジションで有意に長く伸びる。
さらにランプ・ポジションを組み合わせるといいだろうとのこと。

"Obesity Paradox" という概念についての紹介あり。
BMI はアウトカムに影響しないとか、肥満は死亡率を下げるとか。
痩せている患者よりも、予備能が優れているからかもしれない。
メタボリック症候群を有する肥満患者では術後の死亡率を高めるので、BMI よりもメタボリック症候群の有無の方が重要かもしれない。

合併症を避けるためにオピオイドの投与を避けるのだとすれば、代替手段として種々の神経ブロックとかプレガバリンの前投与など、"multimodal systemic analgesia" を考慮する。

OSAS に関する講演の中でも、鎮痛手段として麻薬を避けるやり方について紹介があった。
ここでもやはり multimodal analgesia を行なうことになるとのこと。

術前に麻薬を投与する "opioid challenge" では、BMI にかかわらず Spo2 が下がる患者もいれば、変化しない患者もいる。

抜管は挿管と同様の体位で行なう。
麻酔をよく覚まして、麻薬は最小限で。

絶飲食時間は非肥満患者と同様。
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Challenging cases in Thoracic Anesthesia

声門部での閉塞 HFV Hansaker tube という細いチューブを使って HFV を行なう方法が有用とのこと。

食道内に入れたステントがろう孔を通して気管に落ち込んだ例では、右開胸で摘出術が必要になった。
その際、7.5mm のチューブと 9mm のチューブをスリップジョイント部分でつなげて、手造りのロングチューブを作成したとのこと。

Brodsky JB, et al.  Anesth Analg 2002; 94: 732-6.
肥満手術を受ける患者の 70~90% の患者では OSAS がある。
BMI が大きくなればなるほど、挿管に関する問題が発生するリスクが高くなる。

Ahn HJ, et al.  Anaesth Intensive Care 2012; 40: 780-8.
Protective OLV には利点なし。

抗凝固療法、抗血小板療法を行なっている患者における鎮痛は、エビデンスに基づいたものはない。
抗凝固薬、抗血小板薬以外に注意すべきものとして、Garlic, Gingko, Ginseng といったハーブ類 (Herbals) が挙げられる。

CHADS score に関する紹介あり。

血腫の頻度は硬膜外で 15万分の1、スパイナルで 22万分の1
傍脊椎ブロックはリスクは低いが、解剖学的に硬膜外腔とつながっているのでゼロではない。

リバロキサバンは36時間あける。
新しい抗凝固薬(リバロキサバン、アビキサバン、ダビガトラン)には、適切なモニターの手段が少ない。

2013年10月13日日曜日

Anesthesiology 2013 第1日

エアコンがなくてアメニティが乏しい、とんでもない安宿に泊まってしまったと昨日は後悔したが、寝心地だけはとても良くて、10時間近く爆睡してしまった。
ホテルの従業員もとてもフレンドリーで、そういう点は良かった。

なので午前中の Y 先生の発表は見逃してしまい、かろうじて S 先生の発表には間にあった。
ポスターディスカッションのセッションは、正面のディスプレーが小さすぎて、発表者がいかにも不自由しているという感じだった。
慣れている人は見せたいところを拡大したりしていいのだろうが、大半の人は慣れていない様子だった。

以下はリフレッシャーコースのメモ書き。
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Understanding clinical hemodynamics

拡張不全および拡張型心筋症の場合のスターリングカーブのパターンを知ったので、図に再現して載せておいた。
右房圧と静脈灌流の関係を示す図と重ね合わせることによって、CO と CVP の位置を視覚的に理解することができる。

Auto PEEP や hypovolemia ではこれらの2本の線がどう動くかということも示していたが、図で説明されると理解が進むように感じる。
また、PVP (peripheral venous pressure) = CVP + 2 という式があるそうで、末梢静脈圧を測ることで CVP を推測できるらしい。
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Perioperative glycemic management: Anesthesiologist's manual

患者自身が糖尿病だと知らずに手術を受ける患者が多いので、血糖が高いままオペを受けるケースが多い。

非心臓手術および心臓手術で手術前の血糖値が高いと、長期の転帰が悪化する。

手術をキャンセルすべき血糖値の閾値については確固たるエビデンスがないが、血糖値が 350 mg/dl 以上、あるいはケトアシドーシスまたは高浸透圧状態で手術を進めることで、リスクを伴う可能性がある。

血糖値の術中の変化は、糖尿病でも非糖尿病でも似ている。
術中にデキサメタゾンを投与した場合の血糖値変化のデータあり。血糖値の反応は小さい。
Anesth Analg 2013; 116: 1116-22.

DeLit Trial についての元論文→   Abdelmalak B, et al.  Can J Anesth 2011; 58: 606-16.

タイトな血糖コントロールは低血糖のリスクが高い。
140~180 が安全そうで良さそうだが、一部の患者や状態では 110~140 が有益である。

インスリン静注のやり方
血糖値 180~200 ボーラス量は 2U 持続投与では 2U/hr で 30分後に再検
同様に
血糖値 201~250 ボーラス量は 3U 持続投与では 3U/hr で 30分後に再検
血糖値 251~300 ボーラス量は 4U 持続投与では 4U/hr で 30分後に再検
血糖値 301~350 ボーラス量は 6U 持続投与では 6U/hr で 30分後に再検
血糖値 > 351 ボーラス量は 7U 持続投与では 8U/hr で 30分後に再検

インスリンポンプを有する患者の管理法については、
Abdelmalak B, et al.  Current Pharmatheutical Design 2012; 18: 620-14 を参照。
 

2013年10月12日土曜日

サンフランシスコに着きました!

成田に向かう時にアクセス特急が動かなくなるといったトラブルはあったが、船橋回りで何とか成田空港へ着くことができ、無事にフライトに間に合うことができた。

サンフランシスコは風が強いためか思ったより寒かった。
会場 (Moscone Convention Center) でregistration の手続きを済ませ、ちょっと周囲を散策したものの、夕方は早々に引き揚げて来てしまった。

買い出しの時に偶然、バンクーバーで散々お世話になった SAFEWAY を見つけ、すごくなつかしい感じがした。
でもカナダとは違って6個入りのマフィンは売っておらず、9個入り5ドルの巨大版を手に入れた。

これでとりあえず、朝メシには困らない。

2013年10月8日火曜日

あるけどない

依頼された原稿を書くために「たっちゃんをさがせ」で文献を検索したところ、「臨床麻酔」と「麻酔」に都合のいい論文がいくつかあることに気がついた。

で、オペ室にある本棚を探してみたのだが、そういう必要なのに限って紛失している。
自分にとってどうでもいいのは、いつまでもなくならないのに・・・。

ついでながら、図書館に返納した「臨床麻酔」と「麻酔」についてもいくつかさがしたのだが、やはり必要なのに限って「欠」となっていた。
腹立たしいことこの上ないが、優しい図書館の司書さんみたいな人が、よその大学のをコピーしてくれると言うので、とりあえず納得(?)することにする。

2013年10月5日土曜日

PubMed がんばってる

アメリカ議会が予算案を通過させることができなかったために、自由の女神像の観光にも影響が出ていると、連日、テレビで報道されている。

PubMed も例外ではなく影響を受けているらしく、PubMed のウェブサイトには「最小の人数でできる限りのことはやってる」みたいなことが書いてある。

それで情報のアップデートもままならないだろうと思っていたのだが、毎週土曜日に設定しているメールでの最新情報のお知らせが今週もきちんとやってきて、PubMed が意外とがんばってる(?)と妙なところで感心してしまった。

2013年9月28日土曜日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会・第2日

今日も引き続き、学会に出席した。
以下は講演などのメモ書き。
 
文献レビュー
PreおよびPostconditioningのメカニズムの中にオピオイドが関与している。
・心筋におけるPreconditioning効果には、δ1受容体が関与している可能性が高い。
・ヒトにおいてδアゴニストを加えるとpreconditioningと同様の効果が得られ、アンタゴニストを加えると効果が消失する。
Eribis peptide 94というδオピオイドアナログを投与することで心筋保護を得た研究あり。
・小児心臓外科患者において強化インスリン療法を行なった研究では、Lancet (2009)では有用だとしているのに対し、New England Journal of Medicine (2012) では差がないとしている。
Lancet の論文は、感染・死亡のリスクの高い患者層を対象にしたものらしい。
・破裂腹部大動脈では、EVARでも開腹手術でも転帰に差なし。
・アグレッシブな輸液は、破裂大動脈における死亡率を高める。
・破裂大動脈で筋弛緩を投与するとタンポナーデ効果が失われるので、先に消毒を済ませておく。
・腎不全患者へのトラネキサム酸投与は術後けいれんを増やす。
・βブロッカーの投与は術前に中止しないことが重要で、血管外科領域では転帰はRCRIに依存しない。
・肺高血圧の臨床分類第1群・肺動脈性肺高血圧症があるが、これは以前は特発性と呼ばれていたもの。
・フローランの問題点:血小板凝集抑制作用、皮膚の血管拡張、不安定な物質、QOLの低下、穿刺部位の発赤・疼痛
・移植される肺は大きい方がいい。PH患者では60%以上
 
心疾患合併患者の非心臓手術の周術期管理
・日本心不全学会のカットオフ値は、BNP 100NTproBNP 400。ただし、NTproBNPは年令と腎機能によって値がずいぶん変わってくるので、解釈に注意が必要。
・腎機能障害がある時は、ダビガトランの術前の中止期間を長くする。
Biphasic response : ドブタミン10γで収縮能が良くなるが、30γでかえって悪化する。→有意な虚血の所見
・低リスクの患者にβブロッカーは勧められない。
・服用中のβブロッカーは継続する。
・周術期に新たに開始するβブロッカーは有害である可能性あり。投与するなら早期に少量から始めてtitrateすべき。
 
低侵襲循環動態モニタリングに関する教育講演
LiDCOrapidでは従来のモニターから血圧波形を取り込むので、必要器材がない。
・キャリブレーションが不要。
・血液駆出の結果発生する弾性動脈の容量の増減からCOを求める。
COSVVPPVが求められる。
COの精度については今後検討が必要。 --- バイアスが低めに出る。
 

2013年9月27日金曜日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会・第1日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会が小倉で行なわれた。
以下は講演などのメモ書き。
 
マシモ社のランチョンセミナーに出席した。
SpHb は改良されてきているが、低灌流時の測定は難しい。神経ブロックで末梢循環の改善を図ると、真のヘモグロビン値との乖離が改善するという報告あり。
・人工心肺後は原因は明らかではないが、末梢循環の良否にかかわらずSpHbの信頼性が低い。
iSpo2 iPadiphoneなどのアップル社全製品に対応しており、App storeからアプリをダウンロードすればSpo2、脈拍数、PI、脈波形などが測定できる。
10月以降に発売予定。
・データの蓄積と転送ができる。
 
午後は「低侵襲手術と脳脊髄保護」のシンポジウムに出席。
・ステントグラフト内挿術 (TEVAR) ではステントを留置する位置によって、例えばZONE 1とか2に(弓部3分枝にかかるような形で)グラフト末端がランディングする場合は頸部の血管にバイパスが必要となる。
ZONE 3(頸部3分枝以遠)にランディングする場合は脊髄虚血のリスクあり。
・ステントが長いほどあるいは脊髄下部に及ぶほど脊髄虚血のリスクが高まるようだが、弓部付近の短いステントでも下肢マヒが起こることから、対策には自ずから限界がある。
・ノルアドレナリンで血圧を高く保つことが、下肢マヒの予防および治療に役に立つ。
TEVARで対マヒが起こると、死亡率40%
Collateral Network Conceptの文献 --- Ann Surg 2006; 82: 1670-8.
MEPモニタリングでは、上下肢の電位が下がってなおかつ両側性の場合に積極的に脊髄虚血を疑う。
TEVARでは遅発性の対マヒが多い。Collateral Networkの低灌流や塞栓が機序である可能性あり。
・脊髄圧と血圧のコントロールが重要で、ステロイドとナロキソンは議論の余地あり。
・術中にナロキソンを使う時は、レミフェンタニルからケタミンに切り替える。
TAVRではペーシングで心拍数を150200にすることで脈圧を10mmHg以下にする必要がある。
・基本的には手術によるAVR (SAVR)が第一選択で、TAVRをやる場合はtransfemoral、それがだめならtransapicalで行なう。
・局麻でやるという考え方もあるようだが、基本的には全麻が必要。
・径が大きすぎる弁を選ぶと致死的な合併症、小さすぎる弁ではAR、位置がずれると冠動脈閉塞やAV blockが起こる。
 
夕方は近赤外線モニターのイブニングセミナーに出席。
・脳虚血を見つける基準としては局麻下でのCEAのデータが利用されており、rSO2の絶対値で50%以下、相対変化で20%以上の低下としている。
rSO2は体温の影響を受ける。
rSO2の基準値の75%以上をキープすると、臓器障害が軽減する。--- Anesth Analg 2007; 104: 51.
rSO2をコントロールすることでPOCDを軽減するかどうかについては、議論の余地がある。さまざまな報告あり。


 

2013年9月25日水曜日

同級生がノーベル賞候補に!

朝日新聞のウェブサイトを見ていたら、大学の同級生(水島昇君)が今年のノーベル賞の候補になっていると書いてあるのに気づいた。

来月7日が発表だそうだが、今から楽しみだ。

2013年9月20日金曜日

別の会社だった

昼休みに職員食堂に行ったら、また帰りにくじ引きをやっている人たちがいて、また同じようにつかまった。
「またか・・・」と思いつつクジを引いたらなんか手の感触がちょっと違って、今回は小袋入りのお菓子だった。

さらに同じように「アンケートお願いします」と言われたので、「この前の A 賞はどうなったの?」と訊こうとしたその瞬間、アンケート用紙の下の方に、この前とは違う生命保険会社の名前が書いてあるのに気がついた。

ライバル関係にある生命保険会社が次から次へと病院へ出入りしているというわけで、なんかすごく新鮮な感じ(?)だ。
でも常勤の職員たちはほとんど興味を示していない様子で、ちょっと気の毒な感じもする。

2013年9月18日水曜日

笑顔作れない・・・

臨床麻酔学会のシンポジウムでは、たぶん演者の紹介の時になのだと思うのだが、正面のスクリーンに写真を写しだすのだそうだ。

その時の写真が必要だというので、さっき、写真を撮ってメールで送った。

以前、新聞か何かで「中年男が普通にしていると怒っているように見える」というのを読んだことがあるのだが、確かに写真は怒っているように見えた・・・ので、何回か撮りなおすことになった。

外見とは別に、心はつねに平静なのだが・・・(笑)。

というわけで無理やりひきつった笑顔の写真が撮れたので、シンポジウムにお越しの際は「ああこれがその時の写真か・・・」と納得していただけると幸いです。

2013年9月12日木曜日

賞品もらえず

先週の生命保険会社から賞品をくれるとのメールをもらったが、昼交替はいつもよりも早い時間にいただいたし、夕方は LiSA の編集会議のためにそそくさと帰ったため、結局、もらえずじまい。

賞品が「アンバサダーホテルの夕食つき2泊ご招待+スリーデーパスポート家族全員分」かどうかさえ、わからずじまいだった。

2013年9月5日木曜日

ディズニー・グッズ 当選?!

昼メシ時に職員食堂に行ったら、一見してクジ引きと思われる箱を持った人たちがたくさんいて、しつこくつきまとわれてしまった。
しかたがないのでとりあえずクジを引いたら A 賞だとのことで、ついでにアンケートに答えてほしいとのこと。

最初は福利厚生関係の職員だと思っていたのだが、そのアンケート用紙にはしっかり生命保険会社の名前が書いてあり、保険の勧誘がメインの業務らしかった。
病院でこういう形で保険の勧誘を受けたのは初めてのことだ。

その A 賞の詳細は不明なのだが、来週くれるらしい。
よもやそんなことはないだろうが、家族全員分のアンバサダーホテル2泊つきスリーデー・パスポートだったりするとうれしい(笑)。

2013年8月31日土曜日

サブスペシャリティとしての thoracic anesthesia

今日届いた ASA のニュースレターに、SCA 2nd Annual Thoracic Anesthesia Symposium の紹介が載っていた。
今年はマイアミで行なわれ、世界中から 160 人の参加者が得られたのだそうだ。

160 人という数値は、おそらく昨年のボストンでの第1回と同様の人数だったように思う。
少なすぎると言えばその通りなのだが、この報告を書いたトロント大学の Slinger 教授によると、thoracic anesthesia はそれ単独ではサブスペシャリティとは呼べず、通常は cardiovascular anesthesia に含まれるものと位置づけられているので、まあそんなものなのかもしれない。

確かにバンクーバーでも thoracic anesthesia チームはあったものの、全員が心臓麻酔チームに所属していたので、心臓麻酔の一部としてとらえられていたように思う。
現にこのシンポジウムも SCA の一部として認知されているようなので、北米ではそういう考え方が一般的だということなのだろう。

日本では今ひとつ thoracic anesthesia の立場は明確にされておらず、少なくとも心臓血管麻酔の一部という認識はなされていないようだ。
日本心臓血管麻酔学会では少なくとも、SCA のように thoracic anesthesia を一部分として扱っている気配はなさそうだし・・・。

Thoracic anesthesia の学問自体はおもしろいように少なくとも自分は感じるのだが、どうも存在自体というか、扱われ方が地味過ぎるのが残念なように思われる。

2013年8月19日月曜日

ようやく留学終了

バンクーバー留学時代の最後の研究がようやくアクセプトされたみたいで、これで本当の意味で晴れて留学を終えることになった。

それにしても、今回論文を投稿した某 Thoracic Anesthesia 専門誌は、再投稿から数日でアクセプトしてくれたのだが、あまりの早さに驚いてしまった。

最初に評価したレビュアーたちにわれわれの返事を戻しているわけがないわけで、おそらくはチーフエディターかそれに代わる人の権限においてアクセプトが決められたのだろう。

2013年8月1日木曜日

薬物の開発 >>> 加齢

ウン十年前に覚醒遅延の既往がある患者に麻酔をかけ、周囲は覚めるかどうかひやひやしていたようだが、スッキリ覚めた。
しかも BIS 40 台で。

さすがはオレ・・・と一瞬思ったが、イソ→デス、フェンタ→アルチバ、ベクロ→ロクロ+スガマデクスが、患者の加齢に勝ったということなのだろう。
麻酔の進歩って、本当にすばらしい!

2013年7月30日火曜日

ヘスパンダー --- 適正使用のお願い

ヘスパンダーよりも分子量の高いヒドロキシエチルデンプン含有製剤が重症敗血症患者においてアウトカムを悪化させたという多数の報告を受け、海外でヒドロキシエチル含有製剤の暫定的な販売承認の停止や添付文書の改訂などの措置が講じられているのだそうだ。

こういう事態を鑑みて・・・ということなのだろうが、院内メールでフレゼニウスカービジャパン株式会社からヘスパンダーなどについて「適正使用のお願い」があったというお知らせがあった。
この会社のトップページからも、「適正使用のお願い」を入手できる。

これに見ると、「重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循環血液量低下には使用しないで下さい」と、赤字で大きく書いてある。
また、効能・効果を改めて見てみると、「各科領域における出血多量の場合」と「体外循環における血液希釈液」とあり、例えば硬膜外麻酔を行なう際に相対的に循環血液量が低下するからヘスパンダーをあらかじめ1本落としておく・・・というのは、これによると本来の使い方ではないということになるわけだ。

毎日のように使っている麻酔関連薬物に関してなかなかこういう「お知らせ」は来ないので、久々に麻酔業界に影響を与えた事件だと言えそうだ。

2013年7月26日金曜日

手袋のサイズは?

留学期間とか除いて大学に通算で 17 年ぐらい勤めているが、今までのキャリアで初めて、大学の看護師さんに手袋のサイズを訊いてもらえ、しかも手袋を出してもらえた。

なんか、すごく新鮮!

2013年7月21日日曜日

座長代行 --- 再び

週末に新宿で行なわれた日本呼吸療法医学会学術総会は、無事、盛況のうちに終えることができた。

参加人数は目標としていた数値を大きく上回り、たぶん最終的には 1,500 人弱となったと思う。
一部の会場では人が入りきれず、入口に人があふれかえっていた。

そんな中、先日の日本麻酔科学会学術総会に続き、再び座長代行を務めてしまった。
今回は当日朝になってのピンチヒッターでかなりあせったが、同僚たちが iPad などを貸してくれたので、最低限の理論武装はすることができた。
いざという時に頼りになるのは、やはり同僚とインターネットだ。

学会本部にいて気づいたのは、想定内のものからそうでないものまで、さまざまなトラブルはつねに起こるものだということだ。
業者さんがつねに沈着冷静に行動しており、そういう支えのもとに華やかな学会が催されるのだということがよくわかった。

2013年7月17日水曜日

もうすぐ日本呼吸療法医学会学術総会

リフレッシャーコースセミナーとペインクリニック学会が終わり、日本呼吸療法医学会学術総会がついに今週末に迫ってきた。

教室員の役割分担も決まったので、あとは業者から説明を受けて当日を待つばかりだ。
同じように教授が会長とはいえ、日本麻酔科学会支部集会の時は特別そういうのはなかったので、今回はちょっと違った緊張感があるかもしれない。

このブログをごらんの方は、これも何かの縁ですから、ぜひおいで下さい。
学会員じゃなくても、もちろん参加 OK です。

2013年7月10日水曜日

新規採用職員 FD マイクロティーチング

もうどのくらい前だか覚えていないが、ずっーと前にボストンに研修に行かせてもらった関係で、今年も新規採用職員研修でマイクロティーチングのチューターを仰せつかった。

これは新規採用職員がこれから学生に講義を行うにあたり、どのようにすればよいか自ら5分間の模擬授業を行なうことを通して学びつつ、聞き手役が良かった点と改善すべき点をうまくフィードバックするというものだ。

ハーバード・メディカル・スクールで開発された手法らしいのだが、自分の授業がビデオに撮られ(今年は iPad mini だった)、別室でそのビデオを見ることで自分の姿を客観的に眺めるというもので、勉強にはなるものの正直なところちょっとつらい試練ではある。

自分はチューターだったから今回は自分がビデオを撮られるということはなかったが、ボストンで英語でこれをやらされた時のつらい思い出がよみがえり、全身冷たい汗でびっしょりになってしまった。

2013年7月9日火曜日

RCS 2013 無事終了!

ちょっと更新が遅れてしまったが、週末に東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナー 2013 が無事行われ、猛暑や夕立にもかかわらず盛況のうちに終わることができた。

特に遠方の方とか、日曜日の午後は帰る人も毎年少なくないのに、今年は最後まで受講する方が多く、プログラム作成に協力した者の一人としてとてもうれしく思った。
講演を引き受けて下さった先生方、参加して下さった先生方、どうもありがとうございました。

来年は、長い間使わせてもらったアステラス製薬のビルから場所が変わりそうなのですが、正式に決まり次第、このブログ上でもお知らせすることにいたします。

2013年7月3日水曜日

こまめなメモが大切

シンポジウムで使う資料を外科系診療科に借りようと思ったのだが、いつごろの手術だったのかさっぱり思い出せず、探し出すのにとても苦労してしまった。

かろうじて誰が麻酔を担当していたのか、どういう手術かはわかっていたので、T先生の協力を得てデータベースを駆使してもらい、幸いなことになんとか見つけることはできた。

個人情報が満載なのでインターネット上に保管することはできないが、こういう妙な苦労を繰り返さないようにするためには、学術的に重要なことはこまめにメモしておくのが大切なのだと思う。

2013年6月25日火曜日

傷害 vs. 障害

ひょんなことから、"acute kidney injury" の訳は「急性腎傷害」が正しいのかあるいは「急性腎障害」なのかということで、オペ室でちょっとした話題になった。
 
私は "injury" = 「傷害」、"dysfunction" = 「障害」 と使い分けているので迷わず 「傷害」 だと思ったのだが、世の中は必ずしもそのようにはなっていないらしい。
 
まず、日本医学会の用語集というのがあるというのを今日、教えてもらったのだが、それによると "acute kidney injury" = 「急性腎障害」 となっていた。
ちなみにここでは、"acute lung injury" = 「急性肺損傷」 だった。
 
一方、日本集中治療医学会の用語集によると、"acute kidney injury" の訳は載っていなかったのだが、"renal injury" = 「腎傷害」 で、"acute lung injury" = 「急性肺傷害」 および 「急性肺損傷」 だった。
 
日本救急医学会では、"acute lung injury" = 「急性肺傷害」 で、"acute kidney injury" は載っていなかった。

どうでもいいと言えばそれまでなのだが、漢字には本来きちんとした意味があるので、学会ごとにばらばらにしておくのではなく、統一してもらえると助かる。
何かにつけて 「漢字がまちがっている」 などとと言われると、非常に不本意な気分がしてしまう。
 

2013年6月19日水曜日

セブンイレブン --- もうすぐ移転

病院1階のセブンイレブンに行ったら、もうすぐ移転だということで品数が薄く、棚の中はスカスカだった。

移転先は病院の外になるらしいので、そうすると朝買い物してからそのまま研究棟に行けるわけで、移動距離が短くなってすごく助かる。
スタバも病院の建物の外にできるらしく、リラックスできる場所が一つ増えることになりそうだ。

一度も行ったことがないがフィットネスルームはすでにあるらしいので、あと院内にマックとかブックオフとかインドアテニスコートがあるとすごくうれしい。

2013年6月17日月曜日

浅井隆先生に質問しよう!

きたる7月の東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナーで統計に関する講義を担当される浅井隆先生が、東京麻酔専門医会のホームページ上で「統計のここがわからない」という質問を受け付けています。
って言うか、ついさっきそれに気づいた。

浅井先生は声門上器具だけでなく統計もプロですから、どんどん質問をお寄せ下さい。
お答えは確か、講義の中でして下さるはず・・・だと思います。

2013年6月15日土曜日

今もある府中病院

東京麻酔専門医会総会が多摩総合医療センターで行われ、役員会と総会および学術プログラムに出席および発表するために出かけてきた。

西国分寺駅で降りるのは 18 年ぶりぐらいだったが、南口があまり変わっていないのでとても懐かしかった。
東武ストアにしこくマインはそのままだったし、都民銀行やデジカメの電池を買った SONY の店も変わっていなかった。
にしこくマインの中のスパゲティ屋も、たぶんそのままなんじゃないだろうか?

多摩総合医療センターにはバスで行ったのだが、病院の中はおそろしく天井が高く、しかも大きなコンビニがあって、まるでショッピングモールのようだった。
これで巨大な本屋でもあれば、一日そこで過ごせそうなぐらいだ。

多摩総合医療センターの先生方とお話しする機会があり、そこで初めて、昔勤めた府中病院がまだあるということを知り、帰りにあたりを散策してみた。
すると昔の単身者向けの医師公舎はすでになかったものの看護師寮はそのままで、救命センターのあったあたりは中には入れないものの、外観はそのままだった。

救命センターの前の木立を見ると、指導医試験(今の専門医試験)の筆記を終えて帰ってきた時のことが思い出された。
確かその日の当直は T 先生で、ちょうどたまたまホットラインが鳴って、救急車を待つ T 先生とバッタリ会って、なぜか慰められたような・・・。

単身者用医師公舎から外に抜ける小道は閉鎖されたみたいで、ラーメンを食べていたらズボンの中を膝までゴキブリが登ってきた中華料理屋が今もあるかどうか、チェックすることはできなかった。

帰りは歩いて西国分寺駅に向かった。
懇親会で多摩総合医療センターの先生から聞いた「とん亭」を帰りに見つけたが、今はどうやら居酒屋のようだった。
確か「とん亭」はトンカツ屋で、隣は確かソバ屋だったような気がするのだが、記憶違いだったのだろうか?

2013年6月9日日曜日

ブログで夢を語る --- 林先生の教え

たまたまテレビを見ていたら、東進ハイスクールの林先生が東大受験生ではなく、いわゆる「落ちこぼれ」たちを相手に講義をしていた。

その中で林先生は「夢は言葉にして語った方がいい。今はブログやツイッターなんかがあるので、夢を助けてくれる人が見つかりやすい時代だから。」みたいなことを、多少ニュアンスは違うかもしれないけれど、言っていた。

林先生、ブログにはそういう効用もあったんですね?!
全く気がつかなかった!
なので、今後はブログで大いに夢を語ることにしたい。

2013年6月8日土曜日

教職員 FD --- 梶田氏の講演

今年の初めにあったばかりの教職員 FD だが、土曜日の日中を使ってまた行われた。
当直明けで出られるかどうかわからなかったのだが、昨夜はめずらしく平和な当直だったため、頭がスッキリした状態で出席することができた。

今回の教職員 FD では梶田叡一氏による講演 「伝統・文化を学び直す --- 和魂ルネッサンス」があり、自国の文化を学ぶことの重要性を再認識することができた。
ただ抽象的概念としてその重要性を学ぶことができたとしても、それを外国の研究者との交流の中で実際に生かすことができるかというと、それはきわめて難しいことだとも感じた。

たとえば梶田氏の講演の中で、外国の研究者の中には源氏物語や平家物語を諳んじている人もいるそうなのだが、そういうレベルまで自国の文化を身につけるのは決して容易なことではない。
自分の身に置き換えて考えると、柔道についてルールを紹介したり、技にはこんなのがあるとか紹介することぐらいはできるだろうが、より深いレベルでの歴史なんかについては怪しいことこの上ない。

梶田氏はまた一方で、自国の文化が一番だと信じ込み、異国の文化を受け入れないような状況は決して好ましくないともおっしゃっていた。
それぐらいなら自分にもできるし、自分にとっては現実的なゴールであるようにも感じる。

2013年6月7日金曜日

宿泊証明書発行依頼

先日の日本麻酔科学会の際の出張に関する手続きを行なったところ、事務から宿泊証明書が必要であるとの返答があった。

それで宿泊からすでに2週間経っているのでちょっと気がひけたが、泊まったホテルにインターネット経由で頼んだところ、いやな顔ひとつせず(ネット上だから、相手の顔色はわからないが・・・)、ちょっと時間はかかるが郵送してくれるとの返事をもらえた。

さすがは、札幌グラン●ホテル!
けっこう豪華なホテルだったが、あとのサービスもすばらしい!。

札幌の学会は次はいつになるかはわからないが、次もそこに泊まりたい。

2013年5月29日水曜日

フィリップス社訪問

TEE を使って研究を始める I 先生にくっついて、品川にあるフィリップス社まで アソビに 勉強しに行ってきた。

パソコンでもケータイでも何でもそうなのだが、真剣に使い方を究めようとすると大変で、実際には機能のうちのほんの一部しか使えていないことに気づくのだが、予想通り TEE も決して例外ではないことがよくわかった。

特に面積を測ったり長さを測ったりということは日常的によくやることなのだが、その際も単に 自己流で Trace や Caliper を使って自分で手計算するのではなく、Analyze からメニューに沿ってきちんとやると格段に発展性があるようだ。

都内にある一流企業のビルはキラキラと輝いており、通された部屋には油を使わないノンフライヤーとか自社製品が品よく並べられていて、病院とは全く異なる世界がとても新鮮でよかった。

2013年5月28日火曜日

酸素療法実習 ・・・ たぶん5回め

今年もウチの大学病院では多くの新しい職員を迎え、先週は主にそういう人たちを対象に酸素療法の講義を行い、今日は実習をした。

全国のいたるところで酸素ボンベや呼吸回路に関する事故が起こっているのだが、その大部分は知識や経験がないことに基づくものなので、それを防ぐことを目的として毎年行っている。
たぶん今年で7回めで、留学期間を除く5回を自分が担当している。

というわけで、きっと去年も同じことを書いたと思うのだが、今年も若い看護師さんや ME さん、研修医たち(なぜか研修医には「さん」がつかない)に囲まれ、汗だくだくになりながらモデル肺やジャクソンリースと格闘した。

研修医の大部分は1年で大学を離れて次の病院へ移るわけだが、どこか遠くの病院へ行ったとしても、酸素ボンベを使う時はまずはとにかく栓を開けろってことを、このブログ上でもくりかえし強調しておきたい。

2013年5月27日月曜日

ブックレビュー ・・・ 肺外科手術の麻酔(羊土社)

羊土社より、最近発売された「肺外科手術の麻酔」が送られてきた。
出版されるより前に著者の一人がわざわざ私に連絡して下さったご縁で、出版社がそのように配慮してくれたみたいだ。
(とてもありがたいことです・・・)

本を開いてみると、全てのページにわたって写真やイラストが豊富にあり、初めて肺外科の麻酔を担当する研修医やレジデント、麻酔科をまわっている学生が自習するには最適だと感じた。
肺や気管支の解剖がカラーで詳しく解説してあり、ダブルルーメンチューブや気管支ブロッカーの使い方はもちろんのこと、気管支鏡やドレーンの使い方まで書いてある。

なので、週末の時点で「これ読んどいて」と言ってこの本を渡しておくだけで、月曜日の時点で研修医のレベルは大いに向上していることはまちがいない。
肺外科手術をやっている病院の麻酔科の部屋の本棚に、一冊は置いておきたいところだ。

あえて注文をつけるとすれば、せっかく術式に関する項目があるにもかかわらず、ちょっと記載が淡泊すぎるかな、と。
各術式についてほんの1ページずつ増やすだけで、手術の流れや注意すべきポイントにまでさらに詳しく言及できたのではないかと思い、それがとても残念だ。

いずれにせよ初学者にはうってつけの本で、もしこれがわかりにくいという読者がいたとしたら、次は「『マンガでわかる』 肺外科手術の麻酔」しかないかな・・・と思う。

2013年5月24日金曜日

座長代行務めました!

学会から、本来座長を務めるはずだった T 先生が体調不良のため、急遽座長をやってほしいというメールが届いたのが先週の木曜日。
でも、今回の参加登録の時にもらったスケジュールの修正版に自分の名前はなく、本当に自分が座長をやることになったのか確信が持てず、ひょっとしたらあのメールは「なりすまし」だったんじゃないかと疑う気分で札幌の日々を過ごした。

それで今日、座長の受付にいったらやっぱり自分の名前はなく、受付にかくかくしかじかと説明をし、座長用のリボンと演者の出席表を受け取った。
これでもし T 先生が現れたらどうしよう・・・と思ったが、結局現れることはなく、国立成育医療センターの阪井先生のアシストを得ながら、無事、座長代理を務めることができた・・・と思う。

そして、座長をしていてうれしいかったことがもうひとつ。
初日に「開胸手術の麻酔 up-to-date」で演者だった花崎先生が、わざわざ訪ねてきてくれたのだ。

花崎先生は初日の講演で、昨今の開胸手術の麻酔のトレンドをただ紹介するにとどまらず、ご自身の意見を添えてトレンドに盲従することがないように注意を促しており、とても有用な情報を提供してくれた。
「Thoracic な人(開胸手術を専門とする麻酔科医を自分はこう呼んでいる)」と、こうしてまた一人お知り合いになれて、とても感激した。

2013年5月22日水曜日

前日に札幌入り

学会は明日からだが、夕方の飛行機で前日に学会入りすることができた。

1日の最高気温が摂氏15度程度ということで、ひょっとしたら肌寒いんじゃないかと思っていたが、今のところはそれほどでもなくて、コートもいらないぐらいなのではないかと思う。

今回はスケジュールはそんなにタイトではなく、しかも久々にこっちの友人とも会えそうなので、大いに北海道を楽しもう・・・と思いつつホテルでインターネットの設定をがんばっていたら、大学からあさってまでに超重要な書類を提出せよとのメールが届いているのに、さっき気づくことになってしまった。

気づいてしまった以上は心を鬼にして取り組まないわけにはいかないわけで、今夜は夜を徹してあたかも東京にいるがごとく、仕事に励むことにしたい。
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追記: たった今(午後9時)、買い物に出かけて戻ってきたところなのだが、外は冷えててなんかやっぱり肌寒い。これからこっちに来る先生方(特に夜遊びする人)には、コートを持ってくることをおススメします。

2013年5月15日水曜日

クリニカルクラークシップ説明会

5年生対象のクリニカルクラークシップ (CC) 説明会があり、麻酔科の学生係の一人として出席した。
って言うか、チューターの HY 先生が学生に熱弁を振るうのを応援しに行きがてら、HY 先生が医学教育について書く原稿の役に立つかもしれないと思い、写真を何枚か撮ってきた。

今日の説明会は各診療科ごとに小部屋を割り振り、10 分という制限時間内に教員が説明したり学生が質問するというもの。

制限時間がくると、学生が小部屋の間を移動することになる。
一方、教員は違う学生が次から次へと来るので、同じ説明を何度も何度も繰り返すというものだ。

HY 先生は流れるような説明で制限時間をわずかに余して説明を終え、学生が3人ほど質問したところでちょうど時間が終了した。
さすがは教育センター所属だけあって、そういうところにもスキルを感じさせてくれる。

2013年5月11日土曜日

第1回 御茶ノ水 Suprane Meeting

ウチの大学の関連施設の麻酔科医を中心に、第1回 御茶ノ水 Suprane Meeting としてスープレンの勉強会が都市センターホテルで行なわれた。

特別講演のスピーカーとして東海大学麻酔科の金田先生がおいで下さり、スープレンの実際の使い方のコツを紹介していただき、とても勉強になった。
特に脊椎麻酔中の鎮静としてスープレンを用いるという視点は自分にとっては新鮮で、まさに目からウロコという感じだった。

私も講演のチャンスをいただき、とてもいい勉強の機会を得ることができた。
私のテーマは「揮発性吸入麻酔薬と臓器障害」だったのだが、200 年以上の全身麻酔の歴史は、副作用との戦いの歴史でもあったということが今回よくわかった。

次回はウチの関連施設だけでなく、近隣の施設の麻酔科医の先生方もお招きするようなことをチラリと聞いたので、また新たな出会いとともに有用な情報が得られるのではないかと思い、今からとても楽しみだ。

2013年5月2日木曜日

リフレッシャーコースセミナー参加申し込み受け付け開始

東京麻酔専門医会のリフレッシャーコースセミナー 2013 の参加申し込みの受け付けが始まりました。

↓ お申し込みはこちらから ↓
http://rcs2011.kenkyuukai.jp/event/

例年はアステラス製薬本社ビルで行なわれるのですが、今年はその隣の新本社ホールで行われることになりました。

できたばかりの真新しい建物だそうです。
今からとても楽しみです。

2013年5月1日水曜日

電カルシステム更新

電カルシステム更新のため、全麻症例は大幅に制限されるなど麻酔科的には超ヒマな状態が続いていた(実際、この期間に「雑用」が大いに進んだ!)が、いよいよ今日から本格的に新システムのもとでの麻酔業務が始まった。

変更点の一つとして、「とある病院」をはじめとして先進的な病院ではすでに行っているネームバンドによる患者認証システムが当院でも麻酔器にくくりつけられるようになったのだが、これによって患者誤認のリスクはさらに低減することが期待される。

実際、「とある病院」ではオペ室での輸血の認証もバーコードの読み取りで行っているのだが、これがあると輸血の誤りのリスクが低下するのは明らかで、麻酔科医としてはプレッシャーから解き放たれるような安心感が得られる。

とは言え、新しいシステムは使ってみないと本当の良さや改善点はわからないもの。
麻酔チャート上での薬物動態シミュレーションとか目新しい装備の数々を、いろいろとじっくり堪能してみようと思う。

 

2013年4月27日土曜日

新教室会員歓迎会

男性3名、女性2名の計5名の新人を迎え、2013年度新教室会員歓迎会が銀座アスター御茶ノ水賓館で行なわれた。
 
それに先だって行なわれた教室会定例本会議でのおぼろげな記憶によると、これで教室会員が83人だか85人だかになったとのこと。
 
自分が医局長をしていた 2002~3年ごろは、構成員全部合わせても 50人はいなかったように思うので、この10年間で人数が倍になったことになるのだろうか。
ものすごい増え方のように感じる。
 
確かにここのところ、大学の手術室内での仕事に関して言えば 2004~8 年当時よりかはずっとゆとりが出てきたように思う。
それでも診療科数や手術数は増え続けており、麻酔科(専門)医数は十分とは言える状況にはなく、外科医たちを腹いっぱいにさせる(欲求を満たす)にはどれだけ仲間を増やせばいいのか、気が遠くなりそうになってしまう。
 
バンクーバー総合病院がそうだったように、大学だけで 60 人は必要なのかもしれない。
 

2013年4月24日水曜日

1番だった

今日から B 型肝炎の抗原抗体検査があったのだが、たまたま身体があいていたので受付開始時間ちょうどに行ってみた。

受付はまだ始まっておらず、ドア開くのをすでに2人が待っている状態だった。
つまり自分は3番めだった。

ところが受付が始まってみると、前の2人の名前が名簿に載っておらず(たぶん印刷忘れだと思うが)、自分が最初になってしまった。

1番のスピッツを受け取ってコンピュータ受付をしてもらったのだが、なんか1番だと気持ちがいい(笑)。
ずっと前の JB-POT の受験番号が 001 だったことがあったが、それ以来かもしれない。

2013年4月20日土曜日

他人を生かす仕事

患者を ICU まで送り届けて麻酔科控え室へ戻ると、部屋にインチャージ・マニュアルなるものが転がっているのを偶然発見した。

作者が書かれていないので誰が作ったのかはわからないが、題名と結語に「インチャージとは自分を殺し、他人を生かす仕事」みたいなことが書いてあり、インチャージの定義としてはあまりにもピッタリなので自分の中では大いに盛り上がった。

っていうことは、専門医取得前後から、自分は留学中とその直前を除くほとんどの期間は自分を殺し続けたわけで、エライのかもしれないが、一方ではとてつもなく愚かだったようにも感じずにはいられない。

インチャージを長い間続けることは立派なようにも思うが、その一方でそういう 「賤しい仕事」 は全くせずに週に複数回バイトにコンスタントに出続ける者もいるわけで、大学ならではなのだろうが、とても不思議な感じがする。

2013年4月13日土曜日

終わらない留学

バンクーバー留学時代の論文をもう一本書き終え、指導医に提出したのが約1ヶ月前。
  
共同執筆者が全員納得したのを確認したので、当然、指導医が投稿してくれていたものと思っていたら、逆に先方より「もう出した?」との問い合わせが来た。
 
1ヶ月間も放置されていたなんて、論文がかわいそうすぎる・・・。

この論文がパブリッシュされたら自分の中では留学終了と思っているのだが、このままではなかなか完結しそうもないかも、と思う。

2013年4月4日木曜日

東京麻酔専門医会総会

東京麻酔専門医会のホームページに、総会のお知らせが載っていた。
って言うか、さっき気づいた。

昔、勤務していた都立府中病院だったところで行なわれるわけで、とてもなつかしいような・・・。
でもがらりと雰囲気が変わってしまって、ひょっとしたら昔の雰囲気は全くなくなっているかもしれないわけで、いずれにせよとても楽しみだ。

このブログをたまたま訪れてしまった麻酔科医の方も、これもなにかの縁なのでぜひおいで下さい。
参加費は無料みたいです。


2013年4月3日水曜日

e-Rad 絶不調

科研費の書類をインターネット上で整えて、なおかつ大学に紙媒体で提出するという作業で、一日があっという間に過ぎていった。
 
朝のうちは調子が良くてサクサク仕事が進んだのだが、日本中の研究者たちが同時にアクセスしたせいか e-Rad が昼過ぎぐらいから極端に動きが悪くなり、全く使えない時間がしばらくあったのはホントにストレスだった。
 
科研費が採択されるのはありがたいことだが、実質的にまだプロジェクトが始まっていない今の時点ですでにキャパを超えている気がしてならない。

リフレッシュが必要なような気がする。
この前、休暇を取ったばかりだけれど。

2013年3月31日日曜日

ピンクの川面

昨日、当直明けで帰ろうとしたら、神田川が一部、ピンク色に染まっており、橋を渡る人たちが「きれーい」と歓声を上げているのに気がついた。

最初は「赤潮?」と思ったのだが、どうやら桜の花びらが川面に落ちて、ピンク色の模様ができたようだった。

今年は桜の開花が早く、とっくに散ってしまってもおかしくないような感じだったが、寒い時期が長かったせいか、桜は意外と長くもったようだ。

昨日は研修最終日で研修医が巣立ってしまい、夜には病院から若い医者がいなくなっていたことと合わせ、いかにも年度の変わりめという実感がする。

2013年3月24日日曜日

東京麻酔専門医会 超音波ガイド下ハンズオンセミナー

東京麻酔専門医会のホームページに、リフレッシャーコースセミナーと同時開催の超音波ガイド下神経ブロックハンズオンに関するお知らせがアップされた。
っていうか、さっきそれに気づいた。

上肢、下肢神経ブロックに加え、体幹神経ブロックのハンズオンもあるらしい。
たまたまこのブログを見た人も、何かの縁なのでぜひご参加下さい。

申し込みは 5/31(金) 17 時より、ソノサイトのホームページにて。
よろしくお願いいたします。

2013年3月23日土曜日

看護師さんの送別会

昨日、研修医時代からお世話になっているベテラン看護師さんを含め、4人の送別会が丸ビル36階のレストランで行われた。
近くには視界を遮るものは何もなく、夜景がとてもきれいだった。

送られる人たちが、あんなことがあった、こんなことがあったといろいろと語る中で、勤続30年以上の K さんは1分以内で話をまとめてしまった。
ある意味、すごすぎる。

また、退職する看護師さんの中には某国で言葉や医療を学び、日本との懸け橋になりたいなんていう志を述べる人もいた。
スケールがあまりにもでかくて、こせこせした毎日を送る自分が恥ずかしくなってしまう。

この日は心外のオンコールだったため、ワインを楽しむことができなかったのがとても残念。
ソフトドリンクのみっていうのはなんかせつないが、急患がものすごく多かったにもかかわらず行かせてもらえたので、それだけでも良しとせねば。

2013年3月14日木曜日

リフレッシャーコースセミナーのプログラム

今夏の東京麻酔専門医会リフレッシャーコースセミナーのプログラムが、ついに発表された。
っていうか、発表されていることにさっき気づいた。

今年はインターネット経由で申し込むことになったと思うのだが、東京麻酔専門医会のホームページによると、申し込みは 5月1日からみたいだ。

このブログを読んでくれている人も、何かの縁なのでぜひ参加して下さい。
今年は麻酔科学会みたいに参加費先払いだったと思うので、その点だけご注意下さい。

2013年3月11日月曜日

顔面への局麻

今日からリフレッシュ休暇なので、以前から気になっていた顔面のイボをとるために、近所の皮膚科へ行ってきた。

混んでいるとウワサには聞いていたが、午後3時過ぎに受付をしたら、診察は6時半になると言われてしまった。
3時間半も待っていられないので、いったん帰宅することにした。

診察を受けたのは結局、7時過ぎだったのだが、レーザーによる切除の適応だとのこと。
それで切除してもらったのだが、顔面への局麻がめちゃくちゃ痛かった。

以前、足の裏に局麻をされたことがあるが、それよりかははるかに痛い。
いかなる予防注射よりも痛いのは確か。
スケールが違いすぎる。

2013年3月4日月曜日

医局長選挙 --- 驚異的な支持率

医局長選挙が大学で早朝に行なわれ、現医局長の H 先生が圧倒的な支持を得て再選を果たした。

現役の医局長が約 95% の票を得て再選されたのは、自分が知る限り前例がない・・・と思う。

安定した仕事っぷりで上からも下からも同年代からも信頼を得たというわけで、まさにふだんの努力と人柄の賜物なのだと思う。
 

2013年2月27日水曜日

アリクストラと硬膜外カテーテル

グラクソ・スミスクライン株式会社から、アリクストラに関する資料が送られてきた。
昨日、電話したばかりなのに、対応がおそろしく早い。
 
それによると、硬膜外カテーテル挿入や抜去に関する海外の学会のガイドラインはまちまちで、例えばアリクストラ投与後のカテーテル抜去のタイミングは最短で 20~22 時間(DGAI: ドイツ)、その他の学会は一様に 36 時間だった。
 
カテーテル抜去後のアリクストラ投与のタイミングはさらにばらつきが大きく、最短で 2~4 時間(DGAI: ドイツ)、最長で 12 時間(SEDAR: スペイン、BARA: ベルギー)だった。
 
早く日本麻酔科学会でもビシっとガイドラインを作ってもらい、一刻も早くスッキリしたいものだ。

 

2013年2月26日火曜日

抗凝固薬・抗血小板薬の休薬期間

ウチの病院で抗凝固薬・抗血小板薬の休薬期間のマニュアルが改訂されることになった。
前回のマニュアルが作成されてから数年が経ち、新しい薬がいくつか発売されたこと、各種学会でガイドラインが整備されたことにより、改訂の必要が生じたのだそうだ。
 
それで前回載せられなかった区域麻酔の際の休薬期間に関するマニュアルを、今回の改訂版では載せるために整備することになった。
しかしこれが予想していたよりもはるかにたいへんで、ちょっと困ってしまった。
 
一つには、よくよく調べてみると、確固たる休薬期間のエビデンスがない薬物が少なくないことが挙げられる。
製薬会社に問い合わせても、それについては調べられていないとか、薬物動態からするとだいたい○○日ぐらいですかネェ・・・などとグレーな答しか得られないことが多かった。
 
また、薬物によっては権威ある学会のガイドラインによる休薬期間が、添付文書による記載と矛盾することもある。
こうなると学会のガイドラインが何を根拠に作成されているのか、全くわからなくなってしまう。
 

2013年2月22日金曜日

臨床麻酔2月号制覇!

医局の自分のメールボックスをのぞいたら、献本として臨床麻酔の2月号が入っていた。
 
自分では筆頭著者として論文を書いた覚えはないのでおかしいとは思ったのだが、中を見てみて共同著者として講座にひとつ、ブリーフレポートに一つ論文が載っていて、それで送ってもらえたのだと合点した。
 
それぞれの筆頭著者の努力が実って良かったと思って臨床麻酔を本棚にしまおうとして、背表紙に「fMRI の最前線」と書いてあるのに気がついた。
 
これはもしや・・・と思い、また臨床麻酔を開いてみたら、案の定、ウチの医局の K アニキの fMRI に関する総説が載っていた。
 
合計3本の論文がウチから一度に掲載されたわけで、初めてのことではないにしても、けっこうすごいと感心してしまった。
みんなけっこうがんばってる。
 

2013年2月20日水曜日

どっちが指導者だか・・・

米国の某大学の医学生 K 君が、数週間前からウチの大学に来ている。
 
先週は別の外科系診療科で過ごしていたのだが、今週から麻酔科での実習が始まり、ウチの学生に混じって彼らとほとんど同じメニューをこなしているというわけだ。
 
日本で過ごしたことのある K 君は多少、日本語ができるのだが、やはり主に英語でのやりとりになってしまう。
 
自分ももちろんすっかりサビついた英語で応対しているのだが、昨日は K 君に 「どこで英語習ったの?なかなかいいね」 とほめられてしまった(ホメてもらえた(笑))。
 
英語が母国語の人を応対する時には本当によくあるパターンなのだが、日本語を使って日本人の医学生の指導をする場合はこうはならないわけで、こうなるとなんだかどっちが指導者だかわからないと、思わず苦笑してしまった。
 

2013年2月16日土曜日

OSCE 外部評価者

今回初めて他大学の OSCE 外部評価者を務めることになり、今日、新幹線で東海地方の某大学に出かけてきた。
 
最初は大学キャンパス内のバス停から集合場所までの行き方もよくわからなくて心細い感じがしたが、その某大学の先生方も教育機構の先生もとても親切でいろいろと教えて下さり、評価者としての任務に関しては問題なく遂行できたと思う。
 
帰りはダッシュで新幹線の駅へ向かった。
全てのひかりが止まるわけではないので、おみやげを吟味する時間があまりなく、結局買ったのは茶ってら
うなぎ関係のおみやげにもかなり心が動いたが、じっくり考える時間がなかったのが残念。
 

2013年2月15日金曜日

チョコもらった

午後7時過ぎだったように思うが、研究室で文献検索をしていたら、廊下で何人かの声がしたかと思ったら、ドアをノックする音が聞こえてきた。
数人で同時に来たようなので何ごとかと思ったら、若い女医さんたちがやって来て、なんとチョコを手渡してくれたのだ。

例年だと日勤帯にオペ室でチョコを受け取ってそれで終わりなのだが、今年は展開が少し違った。
というのは、笑顔でチョコを手渡してくれた女医さんの顔を見ると、なんと額にくっきりと横に一文字のゴムの跡が・・・。

ついさっきまでオペ室で汗水垂らして働いていたのに、附属病院からはるばる隣の研究棟までこのためにやって来てくれたっていうわけなんだね・・・。
なんかちょっと嬉しかった(笑)。

現実の世界とは逆に、もしも若い男性医師が女性の上司にプレゼントを渡すという風習があったとしたら、怠け者だった自分はきっとやらなかったかもしくはものすごく億劫に感じたことだろうと思う。

2013年2月6日水曜日

あんこう解体ショー

昨日は同僚の T 先生、K 先生と一緒に神田の「あじぐら なまこ屋」で、あんこう鍋とか飲んで食ってと楽しい時間を過ごした。

この店のホームページには「運が良ければ吊るし切り(解体ショー)が見られるかも」とあるのだが、どうも運が良かったらしく見ることができた。

この解体ショーはダイナミックで迫力があるのだが、あまりにも動きが早くて写真がぶれまくってしまった。

しかたがないので、解体後の写真を載せておく。

あんこう以外にも合鴨とかすっぽんとかいろいろとあるみたいで、次回以降の楽しみとしておきたい。

2013年1月30日水曜日

ふらふらしながら原稿2つ完成!

締め切りがほぼ同時の原稿が2つあり、今日はなんとか両方完成させ、それぞれ送ることができた。

本当はもっと楽な展開になるはずだったのだが、おとといの夜あたりから体調がすぐれず、今日は出勤できるかどうかあやういところだった。

インフルエンザとかノロとかとは違うとは思うのだが、おなかがはってしまって食欲が全くなかった。
昨日は朝も昼も絶食状態で、かろうじて水分を受けつける程度だった。

今日の夕方ぐらいから少しずつ楽になってきたので、明日はきっともっといい一日になるはずだと信じたい。

2013年1月23日水曜日

2013 RCS 講演のお願い完了

先週の金曜日に東京麻酔専門医会の学術委員会があり、今年7月のリフレッシャー・コース・セミナーの講演についての話し合いがあった。

その場では全ては決まらなかったのだが、週末のメールのやりとりを経て、今週初めに11個の講演の候補を決めることができた。

自分が演者に講演をお願いするのがそのうち3つだったのだが、幸いなことに今日の時点で全員から引き受けていただけるとの返事をもらうことができた。

現時点ではまだブログで公表することはできないと思うのだが、全演題が決まり次第、早いうちにブログを通してみなさんにお知らせしたいと思っている。

去年は猛暑の中にもかかわらず会場が満杯になったので、今年もたくさん宣伝して多くの人たちに参加してもらえるようにしたいと考えている。

2013年1月19日土曜日

WebClass 講習会

大学の新しい e-learning のシステム、WebClass の使い方を学ぶために、昨日、講習会へ出席した。

多くの出席者は Blackboard (という今まで用いられていたシステム)のユーザーだったようで、すでにe-learning になじみがあるようだったが、自分は全く初めてなのですごく新鮮だった。

自分としては、講義のあとで資料を PDF 化したものを学生に見てもらうのに便利・・・といった程度のイメージしか持っていなかったが、テストやアンケートの実施のほか、成績をつけたり、会議室の運営など多彩なことができるのだそうだ。

昨年は講義のあとで、たまたま自分の講義だけでなくほかの人の講義の質問まで受けることになってしまい、あとでメールで返答することになってしまったが、そういうのも会議室の機能でシェアできるようだった。

ブログを始めてから3年半、ホームページという名前のメモ帳を始めてから1年半経ったが、今後は少し学内での情報発信および共有に目を向けてみようと思う。

2013年1月16日水曜日

抄読会 --- 心臓手術と AKI

今朝の抄読会は自分の番で、心臓外科手術における AKI のリスクに関する総説 (Arora P et al.  Preventable risk factors for acute kidney injury in patients undergoing cardiac surgery.  J Cardiothorac Vasc Anesth 2012; 26: 687-97) を紹介した。

この論文によると AKI のリスク因子は術前が8個、術中が8個、術後が2個あるとのこと。
とうてい全てを紹介できるはずもなく、それぞれのリスク因子について今までどのようなことが調べられているかと、対策があるのであればその対策を紹介するのにとどまった。

それにしても、術後の NSAID は AKI のリスク因子になるのに、術前のアスピリンは腎臓に対して保護的に作用するのはどうしてなのだろうか。
総説の引用文献まで調べてみたが、結局はよくわからなかった。

写真は研究棟から見た御茶ノ水駅周辺の様子。
雪は大部分溶けていて、駅の屋根にわずかに残っているのみ。

2013年1月12日土曜日

シード権獲得おめでとう!

駅前の明神そばで昼メシを済ませた後、大学へ戻ろうとしたらお隣の J 大学のビルに「箱根駅伝・応援ありがとう」みたいな垂れ幕があるのが偶然目に入った。
ウチの大学とは全く関係ないのだが、同じ御茶ノ水にあるというだけでなんかワクワクしてしまった。

以前は毎年、初出勤の朝には必ず J 大学のビルにぶらさがっていたように思うのだが、今年見るのは初めてだった。
ずっと前に見たやつより、今年のは小ぶりだったような気がする。

残念ながら今日はケータイを携帯しておらず、垂れ幕の写真を撮れなかったのだが、午後3時前に帰ろうとした時にはすでに撤去されていたらしく、もう影も形もなかった。
ブロガーとしてはつねにカメラを持ち歩くことが基本(?)なわけで、正月早々反省させられた次第。

話し変わって、昨年から続いていた自分の当直帯の心外の急患記録(日勤帯からの延長を含む)は、「4」に伸びた。
昭和40年10月以来の伝統を持つウチの医局では、間違いなく新記録だと思う。

もっとも、この心外の急患は I 先生と A 先生が自ら望んで最後まで麻酔を担当してくれたおかげで、当直だった自分は直接は担当することなく、他の症例の管理に集中することができた。

2013年1月10日木曜日

NOV● のラーメン

NOV● に行ったら、新年ということでクジ引きをやっていた。
 
1レッスンにつき1枚ということで1枚引いたら、なんと4等。
 
4等賞は蛍光ペンのはずだったのだが、商品が教室に届いていない(?)とのことで、かわりに NOV● オリジナルのラーメンをもらった。
 
長いこと英会話を続けていると、たまにはいいことがあるらしい。
 

2013年1月9日水曜日

記憶力低下を補う

もともと備忘録として始めたブログとホームページだが、記憶力がますます低下しているせいか、最近いよいよ役に立ってるな~と実感することがある。

例えば自分が興味のある文献を PubMed で見つけたりすると、自分のホームページに載せて長く保存しようと考えるわけだが、実はすでにもう載せてあった・・・ということが最近何回か続けてあった。

また、自分がほしい情報がネットに転がっていたりするかもしれないと思ってヤフーやグーグルで検索して、まさにこれがほしい情報だ!・・・と歓喜してしまうようなウェブサイトのタイトルが見つかったりすることがあるのだが、実際、それをクリックしてみると実は自分のホームページだった・・・ということも、最近何回か続けてあった。
自分が何を書いたかも正確には覚えていない・・・というわけだ。

記憶力低下(あるいは不足)は悲しむべきことだが、逆に考えると自分のホームページがなければそういう論文を読んだことも役に立ちそうだと考えたことも永遠に失われてしまうわけで、少なくとも自分にとっては大いに役立っていると前向きに考えたい。

2013年1月5日土曜日

新年恒例・教官研修

今年も新年恒例の教官研修が行われた。
研究不正防止への取り組み、グローバル化、pre-clinical clerkship の改革などについて、土曜日の午後を5時間ぐらい費やしていろいろと学んだ。

PBL と言えば小さい教室で少人数で行うものと思い込んでいたが、大教室で学生を小グループに分けて指導するやり方があるということを知り、自分としてはそれがとても興味深かった。
一部の学生には目が行き届かない可能性は否めないものの、教員(チューター)不足を補うことができるのだそうだ。

確かに自分が得意な領域なら学生を導くことはできる自信はあるのだが、全く縁のない病気に関するシナリオだったりすると、仮によくできたマニュアルがあったとしても正直言って心もとない。
小部屋に学生を分けるやり方だとどうしてもそういう「心もとない」教員まで動員せざるをえないわけで、必ずしもマンパワーが十分ではない日本の大学ではいいアイデアなのかもしれない。

今日の教官研修での少人数でのタスクは PBL のシナリオに使う疾患を症候別に挙げるというもので、自分は「動悸」を担当することになった。
麻酔科医としては動悸を自覚している患者に巡り合うことはそうそうないわけで(全麻下に心臓がバクバクしている患者はいるのだろうが)、自分としてはかなりキツい仕事だった。
っていうか、循環器内科の先生に完全に頼ってしまうことになってしまった。