2013年10月13日日曜日

Anesthesiology 2013 第1日

エアコンがなくてアメニティが乏しい、とんでもない安宿に泊まってしまったと昨日は後悔したが、寝心地だけはとても良くて、10時間近く爆睡してしまった。
ホテルの従業員もとてもフレンドリーで、そういう点は良かった。

なので午前中の Y 先生の発表は見逃してしまい、かろうじて S 先生の発表には間にあった。
ポスターディスカッションのセッションは、正面のディスプレーが小さすぎて、発表者がいかにも不自由しているという感じだった。
慣れている人は見せたいところを拡大したりしていいのだろうが、大半の人は慣れていない様子だった。

以下はリフレッシャーコースのメモ書き。
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Understanding clinical hemodynamics

拡張不全および拡張型心筋症の場合のスターリングカーブのパターンを知ったので、図に再現して載せておいた。
右房圧と静脈灌流の関係を示す図と重ね合わせることによって、CO と CVP の位置を視覚的に理解することができる。

Auto PEEP や hypovolemia ではこれらの2本の線がどう動くかということも示していたが、図で説明されると理解が進むように感じる。
また、PVP (peripheral venous pressure) = CVP + 2 という式があるそうで、末梢静脈圧を測ることで CVP を推測できるらしい。
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Perioperative glycemic management: Anesthesiologist's manual

患者自身が糖尿病だと知らずに手術を受ける患者が多いので、血糖が高いままオペを受けるケースが多い。

非心臓手術および心臓手術で手術前の血糖値が高いと、長期の転帰が悪化する。

手術をキャンセルすべき血糖値の閾値については確固たるエビデンスがないが、血糖値が 350 mg/dl 以上、あるいはケトアシドーシスまたは高浸透圧状態で手術を進めることで、リスクを伴う可能性がある。

血糖値の術中の変化は、糖尿病でも非糖尿病でも似ている。
術中にデキサメタゾンを投与した場合の血糖値変化のデータあり。血糖値の反応は小さい。
Anesth Analg 2013; 116: 1116-22.

DeLit Trial についての元論文→   Abdelmalak B, et al.  Can J Anesth 2011; 58: 606-16.

タイトな血糖コントロールは低血糖のリスクが高い。
140~180 が安全そうで良さそうだが、一部の患者や状態では 110~140 が有益である。

インスリン静注のやり方
血糖値 180~200 ボーラス量は 2U 持続投与では 2U/hr で 30分後に再検
同様に
血糖値 201~250 ボーラス量は 3U 持続投与では 3U/hr で 30分後に再検
血糖値 251~300 ボーラス量は 4U 持続投与では 4U/hr で 30分後に再検
血糖値 301~350 ボーラス量は 6U 持続投与では 6U/hr で 30分後に再検
血糖値 > 351 ボーラス量は 7U 持続投与では 8U/hr で 30分後に再検

インスリンポンプを有する患者の管理法については、
Abdelmalak B, et al.  Current Pharmatheutical Design 2012; 18: 620-14 を参照。
 

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