2012年12月29日土曜日

CJA にも制限 --- さびしい年の瀬

冬休み中に少しは勉強しようと思い文献検索していたら、おもしろそうな症例報告らしき論文が見つかった。
Carron M, et al.  Can J Anesth 2012; 59: 813-4. (PMID: 22585470)

タイトルからすると、残存筋弛緩に基づく術後呼吸不全と関係がありそうだ。
病的肥満患者にどのようにスガマデクスを投与するのか(実体重ベースかどうか)についても興味がある。

それで大学の図書館から CJA にアクセスしようとしたのだが、直近1年間のはダウンロードできなくなっていることに気づいた。
BJA は前からそうだったが、CJA は確か大丈夫だったはずなのに・・・。
ひょっとして、経費節減のために出版社との契約を変えたのだろうか・・・。

今年は給料が8%弱削減されるという事件があったが(もっともこれは自分だけでなく、高い職位にある人はもっとなのだが)、大学にあって学問をやっていく上で制限が加わるのはさびしい限り。
というわけで、今年の漢字は「」に決まりました。

2012年12月26日水曜日

コラムとブログに逃げる

ありがたいことに、LiSA からある徹底分析シリーズの執筆依頼をいただいた。

文献収集と理論武装がある程度済み、業者への取材を行ないつつ原稿に取り組み始めたところなのだが、いつものことながら書き始めはワープロを打つ手が重い。
ある程度進めば楽になることはわかっているのだが、そこに到達するまでが大変だ。

こういう時は楽な方向へ逃げがちなもので、どうしてもコラム欄から書き始めてしまう。
研修医時代の思い出とか苦労話とか、コラムに書くことには事欠かないからだ。

おかげでコラムはもうできた。
もうこれ以上コラムには逃げられないので、今はブログを書きつつひと休みしているところ。

2012年12月22日土曜日

たぶん新記録

大学の当直で、3回連続で心外の急患を引いた。

ウチの麻酔科始まって以来の、たぶん新記録・・・だと思うんだけど・・・。

今年はもう当直はないので、来年のさらなる記録更新が期待される。

2012年12月20日木曜日

お預かりします

とある病院では、みんながみんなそうだというわけではないが、一部の麻酔科医や看護師が休憩交替に入る時に、「患者さまをお預かりします」と言っている。

休憩させてもらう方も何となくほっと安心できるし、上品で、責任感がにじみ出ていてちょっとイイ。

でも、自分には照れくさくて絶対言えない。

2012年12月19日水曜日

無料だった文献

大学にない文献が必要だったので、先週、私費で図書館に相互複写(他大学・施設にコピーを依頼し、郵送してもらう)を依頼した。

先日、それが届いたのだが、なんと無料だとのこと。
留学前は1回につき数百円払っていたような記憶があったのだが・・・。

図書館の職員に尋ねたところ、いつまで続くのかはわからないが、現在はトライアル中で無料なのだそうだ。
実際には費用が発生しないわけではなく、図書館が肩代わりしているとも言っていた。

そしてこのシステムは基本的には公費を持たない学生さんのためのものらしく、「職員は公費を持っているんだから、今度からは公費でお願いしますね」とのこと。
大学に通算で 20 年近く勤めているが、知らないことはまだまだたくさんあるみたいだ。

2012年12月14日金曜日

人工呼吸器の管理

オペ室に1台も人工呼吸器がないことをずっと奇妙に思っていたのだが、つい先月、ついに大学病院が新しい人工呼吸器を購入してくれた。
それで喜んでどんどん使おうと思ったのだが、実は呼気弁の洗浄と滅菌が必要だということがわかり、出鼻をくじかれてしまうということがあった。

麻酔器とは異なり、フィルターを使うことで異なる患者さんに使いまわすということはできないのだそうだ。
しかも洗浄は中性洗剤もしくはぬるま湯が必須とのことで、当院でプリオン対策で用いているアルカリ性洗剤ではダメだとのこと。
一時は洗浄と滅菌を外注しようという話も出たのだが、これも業者の方から法律による規制(病院から汚染物を院外に出すには、院内での洗浄が必要)のために断られてしまった。

これですっかりやる気を失い、鬱々とした日々が続いたのだが、結局、材料部のスタッフが呼気弁だけのために洗浄をやってくれることになった。
この件に関しては病院のスタッフの人たち、特に材料部、ME の方々にはたいへんお世話になった。
感謝の気持ちでいっぱい。

2012年12月9日日曜日

「外から」派 vs. 「内から」派

ウチでは閉鎖神経ブロックは外(大腿動静脈に近い方)から刺すことは、前に書いたと思う。
合理的な理由はいろいろあるにしても、島根大学が実際にそのようにやっていて、ウチが島根大学からそのようなやり方を学んでいるということがその主たる理由となっていることは間違いないように感じる。

ウチに3週間滞在して島根大学に帰って行った H 先生も、やはり外から刺すことに疑いを持っていないようだった。
もっとも先日のガーデンパレスでのセミナーでは、講師の一人は内側から刺していると言っていたので、それが全てではないのは明らかなのだが・・・。

このあたりはおそらく、誰からそのブロックを教わったかとか、実際にどういう合併症を経験したかとか、そういうことと密接な関係があるような気がする。
以前、LiSA で気管挿管の際にスタイレットを入れる、入れないといった「お作法」で議論していたような記憶があるが、それに近いものがあるように思える。

2012年12月6日木曜日

超音波ガイド下末梢神経ブロックと Y 先生の教え

とある病院にて超音波ガイド下に閉鎖神経ブロックを行なおうとしたところ、監督の先生(イン・チャージみたいなもの)がやってきて手伝ってくれた。

するとその先生は私が平行法で外側(大腿動静脈に近い方)から刺そうとしたことが意外だったらしく、ちょっと驚いていたようだった。

自分としては、島根大学で教わってきた先生からのまた聞きなのでこれしか知らないわけで、決して強いポリシーを持って臨んでいたわけではないのだが・・・。
股間の逆サイドから操作を行なうという点では、精神的に抵抗が少ないという感じはもちろんある。

超音波ガイド下末梢神経神経ブロックは自分にとっては新しい手技なのだが、こういう比較的不慣れなことを行なう時はいつも Y 先生を思い出す。

Y 先生は自分が都立 F 病院に勤務していた時の麻酔科部長で、数えきれないぐらい多くのことを教わった。
その中でも最も役に立っている教えの一つが、「初めて何かをやる時でも、患者の前で決してオドオドしてはならない」ということだ。

Y 先生の教えを守って約 20 年。
ひょっとしたらエコーのプローブを握る手つきは怪しかったかもしれないが、一見、ベテランっぽいふるまいは少しは身についたと思っている。

2012年12月3日月曜日

玉子屋さんの弁当

ウチの大学の麻酔科では、自分も含め、昼メシに生協の弁当を食べる人が多い。
自分の場合は大学に戻ってから 15 年以上は経っているので、週に3回食べたとしても、3×50×15 = 2250 食は少なくとも食べたことになる(研修医時代や学生時代を含めると、もっとだ!)。

秘書さんがまとめて買いに行ってくれた時代もあったが、ここのところは生協にデリバリーしてもらっていた。
しかし毎日のように食べているとさすがに飽きがくるので、麻酔科とオペ室の分をまとめて玉子屋さんに配達してもらうことになった。
今日がその初日。

生協弁当と違い、おかずの箱とごはんの箱が分かれているのが妙に新鮮。
レトルトのスープもついていた。
メニューはこれ

一言で言うと、なんかすごくヘルシーな感じがする。
今日のおかずの中では、スパゲティサラダがうまかった(笑)。

生協の昼飯はエネルギーが8時間ぐらいもったとすると、玉子屋さんは6時間ぐらいかなあ。
でも毎日食べるときっとよけいな贅肉が削げて、やせることができるんじゃないかと思っている。

2012年11月24日土曜日

持続末梢神経ブロックセミナー@ガーデンパレス

持続末梢神経ブロックハンズオンセミナーがホテル東京ガーデンパレスにて行なわれ、自分も手技を身につけようと思って参加してきた。

4人のモデルがそれぞれベッドの上におり、参加者が4ヶ所に分かれて上肢と下肢の末梢神経の描出の仕方を練習した。

描出する神経の部位によって全体が4部に分けられ、島根大学・佐倉先生、Capdevila 先生(Lapeyronie University) を含む4名の講師が1部につき1ヶ所ずつ順々に回るような構成だった。

ベテランの講師陣をそろえているだけあってとてもわかりやすく、カテーテル挿入が実際にできるかどうかはともかく、下肢と腋窩アプローチの腕神経叢ブロックについては、今からでもできるような気がしてきた(?)。

頸部についてはさすがにちょっと難しいように感じる。
Capdevila 先生はそんなことはないとおっしゃっていたが・・・。

2012年11月21日水曜日

テーピング効いた

先週の土曜日にテニスで受傷し、翌日曜日の朝はほとんど歩けなかったのが、その翌月曜日にはかなり回復し、なんとか職場までたどり着くことができた。

月曜日は情けないことにオペ室では始終足を引きずるありさまだったが、その後さらに回復し、現在では下りの階段以外はほとんど問題なく歩けるようになった。

日曜日の受診以降は痛みはそんなに大きくなかったので、結局、ロキソニンは数えるほどしか飲まなかった。
今回の受傷に関してはテーピングがよく効いていたみたいで、傷害部位が心地よく圧迫されていたほか、受傷側の足が背屈しそうになるとストッパーがかかるような感覚があり、すごく安心感があった。

昨日になってテープがはがれかけていたので、風呂に入るまえに全部はがしてしまったのだが、今日はテーピングがなくても痛みはさほどでもない。
日曜日の時点ではかかとの敷き物が背屈を予防してくれて気持ちよかったが、月曜夕方には逆にかかとの痛みに変わってきたので、敷き物については2日間しか使わなかった。

2012年11月18日日曜日

下腿痛でリハビリ開始

昨日、テニスをしていたら、突然、左のふくらはぎを後ろから突然蹴られたか、もしくはボールが当たったような奇妙な感覚があった。
後ろを振り返っても誰もいないし、ボールも転がっていない。
最初は何があったのかよくわからなかったのだが、その後、走ることはもちろんのこと、歩くのも不自由するようになってしまった。

すぐにふくらはぎを冷やして帰ったのだが、翌朝起きてみると痛みは増しており、まともに歩けないありさま。
おそらく肉離れだろうと思ったが、念のため、日曜日もやっている近所の複合医療施設へ行ってきた。

案の定、腓腹筋の損傷が疑われるとのことで、テーピングで足首から下腿を固めてもらった。
また、靴のかかとのそばに入れる敷き物も作ってもらった。
かかとが浮くと膝を曲げずにすむので、歩く時に楽だ。

どうもこれからちょくちょくリハビリのために通わなくてはならないらしい。
治療計画書を手渡され、転倒などのリハビリに伴う合併症があることを記した IC 用紙にサインして帰ってきた。

2012年11月14日水曜日

奥深い内分泌・代謝内科学 --- Am I in good shape?

ずいぶん前に受けた健康診断の結果が、先日、学内便で戻ってきた。
結果はすこぶる良く、この10年間ぐらいでは最も成績が良かったように思う。

貧血が改善されて、ヘモグロビン濃度が正常範囲内におさまっていたことにくわえ、コレステロールや中性脂肪も含めて全てが正常範囲内だった。
スクール中心だが、テニスを定期的にやっているのがいいのだと思う。

ところが先週末の早朝の番組で、コレステロールなどの脂質については正常範囲内にありさえすれば良いものではないということを東京医大の内分泌・代謝内科の先生方が話していて、目からウロコが数枚落ちてしまった。

絶対値よりはいわゆる善玉と悪玉コレステロールの比が重要であることを含め、患者のアウトカムの予測については医師であっても専門家以外には手が出せない領域だと感じずにはいられなかった。

It looks like endocrinology and metabolomics are much more difficult to understand than I had thought.

Although I was happy that my data on health checkup were all within normal limits, I watched a program on the weekend and learned that they do not necessarily mean that I am in good shape.

2012年11月7日水曜日

こなから --- An authentic oden restaurant

時間が経つのは早いものでもう1週間以上前のことになるのだが、J 大学の Y 先生と一緒に、大学裏にあるおでん屋「こなから」に行ってきた・・・って言うか、連れて行ってもらった。

店の中はコの字型にカウンターがあって、5~6組ほどの客でいっぱいになってしまうような感じだったように思う。
学生の街にもかかわらず、あんまり若い客はいなかったかも。

最後に Y 先生おすすめの「ごまだれ ごますり 出世うどん」というのを食べたのだが、これは上司(教授)の顔を思い浮かべながら客が自分でゴマをするというもので、ゴマの香ばしいかおりがたまらない。
それだけで食欲が加速する感じがする。
(「出世うどん」の写真は、「こなから」のホームページのおしながきから見ることができます。)

Dr. Y and I went to an authentic oden restaurant "Konakara" and enjoyed nice food and talk.

Many of my colleagues know of it and it may be very famous although I had never been there before.

2012年11月2日金曜日

日本臨床麻酔学会第32回大会 第2日

もう10年以上も臨床麻酔学会には行っていなかったように思うのだが、同僚の K 先生が症例報告の演題を出したので、日帰りで郡山まで出かけてきた。
家を出た時はとても暖かく、コートを着て出かけたことを後悔したが、郡山は一足先に冬に入ったみたいで、けっこう肌寒かった。
 
K 先生が発表した「徹底討論」はせまい部屋で行なわれたため、すごく混んでいた。
内容としてはつっこみどころがないわけではなかったが、特に厳しい批判やコメントはなく、まあ無事終了。
S 先生の発表でものすごく議論が盛り上がった直後だったので、目立つことがなく終わったような感じもする。
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昼はオノアクトのランチョンセミナーに参加した。
以下に、講演の中で紹介された研究の一部について、メモ書きを残しておく。

Fujiwara H, et al.  Gen Thorac Cardiovasc Surg 2009; 57: 132-7. (PMID: 19280308)
周術期の低用量ランジオロール投与によって、CABG 後の心房細動の発生頻度が低下した。

Sezai A, et al.  J Thorac Cardiovasc Surg 2011; 141: 1478-87. (PMID: 21269646)
ランジオロール投与によって、CABG 術後1週間の心房細動の発生頻度が減少した。

Park H, et al.  Int J Cardiol  [Epub ahead of print] (PMID: 22608892)
予定 PCI の患者でランジオロールを冠動脈内投与に続いて持続静注を行なうと、心筋傷害の頻度および重症度が低下する。

Sakamoto A, et al.  Circ J 2012; 76: 1097-101. (PMID: 22361918)
開胸術後の心房細動に対して、ランジオロールはジルチアゼムよりも安全で効果的だった。

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午後は周術期栄養管理のシンポジウム。
以下はその時のメモ書き。

周術期栄養管理のガイドラインには、ASPEN、ESPEN、JESPEN がある。
JESPEN は日本のガイドライン。
ESPEN のガイドラインによると、「適応のある患者では、手術を遅らせてでも『栄養管理』を行なう」ものなのだそうだ。

谷口先生の話のポイントとしては、
① 絶飲食時間を短くする
② Overfeeding はよくない ← 外から栄養を補おうとしても、術直後は異化が進む
③ 高血糖はよくない
④ 人工栄養はなるべく避ける
⑤ 腸が使える時は使う

日本麻酔科学会の術前絶飲食ガイドラインによると、清澄水は2時間前まで。
固形物に関しては示されていない。
http://www.anesth.or.jp/guide/pdf/guideline_zetsuinshoku.pdf

麻酔科医は栄養管理には縁遠いようだが、知らず知らずのうちに関わっているものらしい。
術前の炭水化物飲料または術中の1%ブドウ糖添加酢酸リンゲル液を使用することで、脂肪・タンパク異化を抑制できる。
1%糖輸液は日本にしかない。

白石先生によると、2型糖尿病は手術で治るとのこと。

経口補水のアウトカムへの影響については、はっきりしていない。
インスリン抵抗性に与える影響に関するエビデンスは不明。
患者の満足度を上げることぐらいらしいが、それがとても大事なような気もする。
 

2012年10月28日日曜日

LiSA の編集会議訪問 --- LiSA editors' meeting

先週の木曜日、LiSA の編集会議にゲストとして初めて参加することができた。
以前から行きたいとは思っていたのだが、体調が優れなかったり予定が急に入ったりでなかなか実現していなかったので、ようやく希望がかなったという感じだった。

手元の資料によると LiSA 編集委員の先生が稲田先生を中心に 8~9人、ゲストが自分を含め 3人、LiSA スタッフ 5人がいて、柔道の試合のスペースぐらいの広さのところに机を真四角に並べていろいろな話題について話しあっていた。

屋外は涼しかったが室内は熱気ムンムンで、冬でも汗っかきの私は身体じゅう汗だくだくになってしまった。

日本語の麻酔関係の定期刊行のジャーナルの中で、たぶん LiSA が最もよく読まれているんじゃないかと思うが、こういう雰囲気の中から麻酔科医の知の源が生み出されているということがわかっただけでも、とても勉強になったように思う。
雑談のひとつひとつさえも実になるように感じた。

I visited one of LiSA's editorial meetings as a guest for the first time last Thursday.

We talked about a lot of things including possible topics that will be published in the near future.

2012年10月23日火曜日

金庫破壊成功 --- Successful safecracking

出勤早々、当直明けの先生から PHS にコールがあったので何事かと思ったら、重要な薬物を保管してある場所のカギを、あやまって金庫の中に施錠してしまってしまったとのこと。

ひょっとしたら自分がその金庫の開け方を知っているかもしれないと思ってコールしてくれたようなのだが、その金庫はもう10年以上もカギをかけたところを見たことがないので、カギのありかは誰もしらないはず・・・。

それでしかたなく、「金庫を破壊して取り出して下さい」と返答したのだが、その後オペ室に行ってみたら、ペアンを駆使して金庫が鮮やかに破壊されていたので、妙に感心してしまった。

One of my colleagues called me asking if I know how to open one of the safety boxes in the operating room.

I was surprised that he finally managed to crack the safe, in which he absent-mindedly kept an important key for the strictly-controlled drugs.

2012年10月16日火曜日

科研費応募不可能 --- Under pressure of the dealine

今年も科研費応募の季節となったが、いよいよ最終段階となってシステムの不調により応募を完了できずにいる。

少なくともウチの施設では同様に完了できない人がたくさんいるようので、自分だけでなく多くの人たちを巻き込んだ問題となっているもようだ。

施設内の締め切りが間近に迫っているので、なんとか早く問題が解決されてほしい。
PDF へファイルを変換しようとするたびにエラーメッセージが出てしまい、どうにも落ち着かない。

Because of system failure, I am still unable to get through the process of applying for Grant-in Aid for research.

Every time I try to convert my files into PDF, I receive an error message, which is really annoying.

2012年10月7日日曜日

「きかくじ」とは? --- Where did you go?

日本麻酔科学会の支部集会で招いた A 先生から、日本国内の観光のあと、無事に帰り着いたというメールを受け取った。
軽井沢からいったん東京に戻り、その後、京都や広島に行ったらしい。

写真も送ってくれたのだが、家族と一緒に金閣寺の前で映っていた。
ただ惜しいことに、写真のタイトルが "Kinkakuji" ではなく、"Kikakuji" となっていた。

"Kinkakushi" じゃなくてよかった。
あぶない、あぶない。

I got a e-mail from Dr. A saying that he went back to Canada after visiting Kyoto and Hiroshima.
He gave me a photo of Kinkakuji temple with his family.

2012年10月4日木曜日

ブジーはいずこ --- That's not a bougie!

挿管困難が予測される患者を担当することになり、某看護師さんにブジーを所望した。
するとその看護師さん、ブジーを知らないと言う。

それで仕方がないので 「長くて茶色くて硬くて先っぽの曲がってるやつ」 って言ったら、なんと尿管カテーテルが出てきた。

確かに長くて茶色くて硬かった・・・。
先っぽは曲がってはいなかったけど、全体的にくるりんと曲がっていたから、間違いじゃないよね・・・。

I needed a bougie for a patient with a possible difficult intubation, but the nurse did not know what it was like.

So I told her that I wanted a long, brown, and rigid thing with a curved tip, and then she gave me a ureteral catheter, which was actually long, brown and rigid, but not with a curved tip.

2012年10月3日水曜日

外科医の命令理解不能 --- Unable to understand

某日、某病院で某外科系診療科の麻酔を担当した時のこと、手術開始前に患者の体位をとるために人手が必要となった。

すると何を考えたのか、その某外科系診療科医師が同じ科の同僚に協力を求めるのではなく、私の麻酔を見学しに来ていた某君に手伝えと言ってきた。

「おまえらのオペなんだからおまえらでやれっ!」と内心腹立たしく思ったが、何度命じられてもその某君が棒立ち状態なもんだから、さすがに某外科系診療科医師も困ってしまったようだった。

何度言っても言うことをきいてもらえないその某外科系診療科医師が最後にはあまりにも気の毒になったので、「中国語だったらわかってもらえると思うよ」と棒立ちの理由を教えてあげた。

I can't understand why surgeons tend to see young anesthesiologists as their own slaves.

One of young Chinese doctors (anesthesiologists) was unable to follow the bossy surgeon's order because of the language barrier, which made him confused.

2012年9月26日水曜日

健康診断 --- Just below the upper limit

職場の定期健康診断で腹囲を測ってもらった時のこと。

測ってくれた女の人が興奮ぎみに、「おおっ、はちじゅうよんてんきゅうセンチ!」と叫んでいた。

最初は「はぁ?」っていう感じだったが、ぎりぎり正常範囲内だってことで盛り上がっていたってことだったらしい。

I took a health checkup at my workplace today.
My waste size was 84.9 cm, which was just below the upper normal limit.
It's a miracle, isn't it?

2012年9月22日土曜日

日本麻酔科学会関東甲信越・東京支部 第52回合同学術集会

ウチの教授が会長だったということもあり、みんなで大挙して軽井沢に出かけてきた。
ついでにテニスでもできればよかったのだが、日帰りで帰るのはなんかうらめしい。
 
午前中はデスフルランのシンポジウム。
デスフルランについては、わかっていない(調べられていない)ことがいまだにたくさんあるらしいということが、よくわかった。
以下はそのメモ書き。
 
デスフルランの沸点は23.5℃と、他の麻酔薬よりずっと低い。
1気圧20℃では沸騰しない。蒸気圧が681mmHgで、1気圧よりずっと低いから。
 
デスフルランはわずかの温度変化で蒸気圧が大きく変わる。
ほかの気化器とは構造が全く異なり、39℃に加熱している。
亜酸化窒素を使うと気化器から出てくるデスフルランの量が減るが、臨床的に問題になるほどではない。
 
デスフルランの濃度上昇速度と交感神経活動には、正の相関関係がある。
デスフルランの濃度上昇により、平均血圧↑、心拍数↑。
(Muzi M, et al.  Anesthesiology 1996; 84: 1035-42)
 
デスフルランによる高血圧や頻脈は、フェンタニルによりある程度、抑制可能。
(Pacentine GG, et al.  Anesthesiology 1995; 82: 823-31)
 
40才、男性。165cm60cm。フェンタニル 100ug 静注で、ピーク血中濃度は 2ng/ml
1時間後は 0.4ng/ml、2時間後は 0.2ng/ml
適切な血中濃度は12ng/ml
 
デスフルランではセボフルランにくらべて醒めが速く、抜管までの時間も速い。
(Bilotta F, et al.  J Neurosurg Anesth 2009; 21: 207-13)
 
てんかん患者の一部では、12%デスフルランを吸入させると、平坦脳波となる。
一方、2MAC セボフルランでは平坦脳波は見られず、burst-suppression となる。
 
午後は長期予後に関するシンポジウム。
以下はそのメモ書き。
 
d-Tc を用いると、死亡率が上昇する。
(Beecher HK, et al.  Ann Surg 1954; 140: 2-34)
 
残存筋弛緩の定義がモニター方法によって異なり、MMGではTOF>0.9AMGではTOF>1.0以上ないと危ない。
 
TOF値が十分にあっても、外舌筋、舌骨上筋、咽頭筋は母指内転筋よりも筋弛緩薬に対する感受性が高いので、上気道閉塞が起こりうる。
 
その一方で、初期のARDS患者に筋弛緩薬を投与すると、その後の P/F 比や炎症反応が改善する。
(Forel JM, et al.  Crit Care Med 2006; 34: 2749-57 )
 
2000年ヒトケタ台には麻酔法が長期予後に影響を与えるという論文が多く見られた。
2010年以降は、麻酔法によって癌患者の長期予後は変わらないとするレトロスペクティブ・スタディが多く見られる。
Ismail H, et al.  Br J Anaesth 2010; 105: 145-9.
Gottschalk A, et al.  Anesthesiology 2010; 113: 27-34.
Tsui BC, et al.  Can J Anesth 2010; 57: 107-12.
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自分の PBLD はと言うと、うまくいかなかった症例をもとにシナリオを作り、それを題材にして若い先生たちに多くを学んでもらおうと思ったのだが、こちらの意図が伝わっていなかったようで全く不本意な結果に終わってしまった。
 
シナリオの作成がまずかったのかもしれないし、PBLD全体の構成に問題があったのかもしれない。
反省の一日。
 

2012年9月19日水曜日

新しい泊まり部屋 --- A nice room to stay

昨日から今日にかけては当直ではなかったのだが、予定症例が著しく延びたことと大変な急患があったことから、自分も泊まらざるをえなくなってしまった。

当直室は当直医が使うだろうし、カンファレンス室で寝るのもちょっと気乗りしなかったので、とりあえず当直室を管理する事務のおじさんに相談してみた。

すると適当な部屋があるのとことで教えてもらったのだが、場所がそもそもわかりにくく、施錠方式が変わっていたりでなかなか目的の部屋に到達できなかった。

でも、あきらめない気持ちと事務のおじさんの粘り強い説明とで、最期にはなんとかたどり着くことができた。
利用者はあまりいないようなのだが、けっこう使えるような気がする。

I happened to find a nice place to stay over in our hospital.

Although the room is small , I think it is clean and tidy.

Because the locking system has been changed, it took me more than half an hour to access and open the room.

2012年9月15日土曜日

両方当たった --- Tennis coupon

ふだん通っているテニススクールでは、四大大会の時期になると優勝者クイズを行なっている。
シングルスのチャンピオンを男女それぞれで当てると、当てた参加者の間で数十枚のレッスンチケットを山分けするというものだ。

今回の全米オープンテニスでは男子はアンディー・マリー、女子はセリーナ・ウィリアムズがそれぞれ優勝したのだが、奇跡的にこれを当てることができ、今日はレッスン・チケットを2枚もらってきた。

聞くところによると参加者は 180 人ちょっとで、当てることができたのは10人ちょっとだったのだそうだ。
女子は忘れたが、男子はジョコビッチが一番人気で、ジョコビッチを含めた組み合わせが多かったようだ。

実は自分は最初は男子はナダルと書いて提出していたのだが、ナダルが欠場したために書き直すように言われて、それでマリーと書いたといういきさつがあり、そういう妙な展開も自分にはラッキーに働いたということになる。

I won some coupons for tennis drills at my tennis school today because I successfully predicted the champions of both female and male singles at US open tennis.

Although I had guessed that Nadal would become a champion before the tournament started, he unfortunately did not participate in it and I had to change my decision, which was lucky to me.


2012年9月12日水曜日

学生への講義(その2) --- My Talk on pediatric and obstetric anesthesia

臨床麻酔学各論の第2弾ということで、おととい、医学科の学生に小児麻酔と産科麻酔について講義した。

小児麻酔と産科麻酔について講義したのは、もう7、8回めぐらいではないだろうか。
毎年しゃべる内容を増やしており、今回は80分を少し超えそうになってしまった。

先週の講義の時もそうだったが、今年の学生は出席率はさほど高くはないものの、質問してくる学生についてはとてもよくできるような印象がある。
質問が鋭くて、的をついている。

そういう学生とは、臨床実習で会うのがとても楽しみだ。

I made a talk on pediatric and obstetric anesthesia to the medical students this week.

Although I found only about half of the students were present in the class, some students asked me very good questions and I was really impressed by them.

2012年9月5日水曜日

名刺注文 --- My new name cards

名刺の残りが少なくなってきたので、新しい大学のロゴ入りのを生協で注文した。

校正が必要とすると2週間かかるとのことで、地方会で新しくお目にかかった人に渡すにはなんとか間に合いそうな感じだ。

I ordered name cards so I could give them at the anesthesia meeting at Karuizawa.

It takes 2 weeks including the process of checking the proof, so I will finally get them just before the meeting.

2012年9月3日月曜日

学生への講義(その1) --- My talk on thoracic and neuroanesthesia

留学後初めてだから 2009 年以来ということになるのだが、3年ぶりに医学科の学生への講義を担当した。

今日は「呼吸器外科、脳神経外科の麻酔」というタイトルで、最初の50分間は呼吸器外科の麻酔について、残りの30分間は脳神経外科の麻酔についてしゃべった。

講義が終わってから4、5人の学生から質問を受けたのだが、最も多い質問が「高濃度の酸素を投与するとなぜ無気肺ができやすくなるのか」というものだった。
学生が学ぶ範囲ではないと思って省略してしまったのだが、優秀な学生はそのあたりが気になるものらしい。

他には、「ダブルルーメンチューブと気管支ブロッカーをどのように使い分けるのか」とか、「無気肺ができやすいとわかりつつ、なぜ一側肺換気では高濃度酸素を投与するのか」とか、いろいろと臨床上重要な質問を受けた。

学生の出席率は必ずしも高くはないのだが、熱心な学生が少なくないことがわかり、また次回もがんばろうと思う。

I gave a lecture on thoracic and neuroanesthesia to the medical students of our university.

It was my first lecture to our students after I came back from north America.

Although some students skipped the class, some students were zealous and asked me some questions including how atelectasis is created by the administration of high inspired oxygen concentration, which I felt were clinically very important.
 

2012年9月1日土曜日

入局説明会@OAKS --- Recruiting for fellowship

今日は夕方から後期研修プログラム説明会があり、その後で麻酔科の懇親会が OAKS RESTAURANT & BAR にて行なわれた。

初期研修医2年生が多数参加してくれて、大学だけでなく関連病院の先生たちからも病院や研修内容の説明が行なわれた。

自分が座っていたテーブルには、大学の麻酔科で現在初期研修中の T 先生と、はるばる三多摩地区から来てくれた K 先生がいた。

一人でも多くの後期研修医が入ってきてくれることを望んでいる。

We had a kind of party in Ochanomizu-area to recruit young doctors for our fellowship program.

Anesthesiologists from our affiliated hospitals came to make brief presentations about the programs to the candidates.

I hope many of them will apply for our program next year.

2012年8月25日土曜日

パソコン復活 --- My PC still alive

先日壊れたパソコンが、1週間ぶりに戻ってきた。

費用は宅急便を受け取る際に払ったのだが、2万円弱で済んだ。

子供の宿題も含め、全てのデータが無事でほっとした。

My PC was finally sent back from the manufacturer after repaired.

I am very happy all the data are OK.

2012年8月24日金曜日

カタルシス的インシデント報告 --- Like a priest

リスクマネージャーとしてインシデントの報告を受けることはよくあることだが、「インシデントを報告してスッキリした」と言われたのは初めてのことで、正直かなり驚いた。

落ち度の有無にかかわらず、インシデントの当事者になってしまうと、誰かに話を聞いてもらいたいという心理が働くこともあるのだそうだ。

まるで罪の告白を受ける神父のようだが、リスクマネージャーにはそういう役割もあるのだろうかと、新たな視点を得たような心持ちがする。

I was given a new perspective of risk management when one of my colleagues told me she was relieved after reporting a incident case to me.

It was the first time I felt like I was a priest in 10 years of my career as a risk manager.

2012年8月22日水曜日

パソコン壊れた --- Unable to update my website

夏休みの休暇を利用して旅行に出かけたが、帰ってきたらなぜか家のパソコンが壊れていて、全く動かなくなってしまった。
なのでホームページの更新ができないし、メールの送受信もできないしで、とても困っている。

それでメーカーに電話したら、本体の故障が考えられるとのこと。(当たり前だ!)
3万円弱で直してくれるらしいので、宅急便で送って修理を依頼した。

どうせ直してもまたすぐ壊れるかもしれないし、新しいのを買うことも一瞬考えた。
でもふだんから子供たちには物を大事にするように言ってるし、何よりも子供の夏休みの宿題のデータがバックアップを取らずにパソコンに保存しっぱなしなので、見捨てるわけにもいかないのだ。

どうか、初期化されることなく、ハードディスクは無傷で戻ってきますように・・・。
どうしても必要な場合は初期化することもやむなしと、メーカーからのインフォームド・コンセントに同意したが、単なる電気系統の異常ならハードディスクをいじることもないのではないかと、淡い期待を抱いている。

After my 5-days trip, I found my computer would not come on line at all for some unknown reason.

So I am unable to check my e-mails as well as update my website.

It is already 3 days since I sent the computer to the manufacturer but sadly, I have not yet heard anything from it.

2012年8月19日日曜日

なぜ PEEP は効かないのか --- PEEP does not always improve arterial oxygenation during OLV

夏休みの休暇から帰ってきたら、海外の麻酔科医と思われる人から質問のメールが届いていた。
自分が以前に書いた一側肺換気中の酸素化に関する総説で、PEEP を治療手段に含んでいないのはなぜかというもの。

PEEP が一側肺換気中の酸素化を必ずしも改善させないことは多くの研究ですでに示されており(改善するという主張も存在することはするが)、少なくとも北米では広く受け入れらているように思われる。
Slinger PD, et al.  Anesthesiology 2001; 95: 1096-102.
Leong LM, et al.  Anaesthesia 2007; 62: 23-6.
Hoftman N, et al.  Ann Card Anaesth 2011; 14: 183-7.

一側肺換気中の PEEP と酸素化の関係については、上記の Slinger らの論文に著者自身のデータを含めて説明が行われているが、簡単に理解するためには以下の理由で十分なように思う。

1) 無気肺を再開通させるためには 5~10 cmH2O 程度の PEEP では不十分で、Rothen らが CT を用いた研究 (Br J Anaesth 1993; 71: 788-95) で示すように、40 cmH2O 程度の高い圧が必要である。そしてこのことがリクルートメント手技で 40 cmH2O を用いる根拠となっている。

2) PEEP をかける前の肺の状態によっても、PEEP に対する酸素化の反応は異なるだろう。極端な例として上述のリクルートメント手技を施したばかりの肺に対して PEEP を加えた状況を考えると、PEEP はリクルートメント手技の効果を長持ちさせるだろうが、それ以上に酸素化を改善することはないように思う。特に PEEP レベルが高い場合は、非換気側肺への血流の再配分の効果も大きいように感じる。

3) PEEP によって心拍出量が低下する効果も無視できないと思う。

I got an email asking me why PEEP was not included in one of my review articles as a measure to improve arterial oxygenation during one-lung ventilation (OLV).

My co-author and I decided not to include it because it has been widely accepted that PEEP does not always improve arterial oxygenation during OLV in various clinical settings.
Slinger PD, et al.  Anesthesiology 2001; 95: 1096-102.
Leong LM, et al.  Anaesthesia 2007; 62: 23-6.
Hoftman N, et al.  Ann Card Anaesth 2011; 14: 183-7.

The mechanisms behind it may be explained by ...
1) Low level (5-10 cmH2O) of PEEP may not be enough for recruitment in the atelectatic lung regions.  As was suggested by Rothen et al. (Br J Anaesth 1993; 71: 788-95), high inspiratory pressure (40 cmH2O) may be required.
2) Whether PEEP improves arterial oxygenation or not during OLV may depend on the extent of V/Q mismatch in the dependent lung.  In extreme cases, I do not think PEEP would improve arterial oxygenation just after recruitment maneuver in the dependent lung.
3) PEEP may also be associated with decrease in cardiac output, resulting in deterioration in arterial oxygenation during OLV.

2012年8月11日土曜日

千葉大学麻酔科勉強会 --- My talk at Chiba University

千葉大学麻酔科の勉強会にお招きいただき、そこで先日の東京麻酔専門医会のリフレッシャーコースセミナーでお話ししたのと同様に、開胸手術の麻酔についてお話しする機会をいただいた。

リフレッシャーコースの場合には1時間しゃべり通して、その後で参加者に質問していただくという形式だったが、今回はしゃべっている途中でどんどん質問していただいた。
結局、全部で2時間ぐらいかかってディスカッションした。

自分の大学だとふだんから話しているだけあってなかなか新鮮なアイデアが出てこないが、今日はふだん気がつかないようなことを指摘されたり、意外な角度からのコメントをいただいたりして、新たな課題がいくつか見つかった。

忘れないようにここでメモしておくと、
・保護的一側肺換気では高二酸化炭素血症を受容するが、pH についてどこまで容認するか。
・保護的一側肺換気中における I:E 比の設定について。特に吸気時間を長くとるパターンについて。
・COPD 患者に PEEP をかけることの是非。特に陽圧換気中について。
・硬膜外麻酔が禁忌の患者における傍脊椎ブロックの是非。本当に安全か。特に出血傾向のある患者について。
・硬膜外ブロックの針がそれて傍脊椎腔に入ることはあるか。その場合、抵抗消失法の感触は同様か。カテは入るか。

I visited Department of Anesthesiology, Chiba University and made a presentation on thoracic anesthesia.

I was planing to talk for an hour, but actually spent in total of 2 hours discussing on many topics, which I had not expected.

It was a great experience for me, as the anesthesiologists of Chiba have different backgrounds from ours and gave me a new perspective on thoracic anesthesia.

2012年8月8日水曜日

女性は変わらない --- Women change little in appearance

某出版社からゲラ刷りを送ったからお盆休み中に返送してほしい・・・というメールがあったのが、数日前のこと。
ふだんは自分では行かない総務課に郵便物を探しに行ったりもしたのだが、やはり届いておらず今日はちょっと困っていた。
 
それで「ゲラ刷り届いていない」と出版社にメールを書いたのだが、まさに送信しようとした直前に、なんと麻酔科外来から書類が届いていると電話あり。
本当に小さなことだが、ある意味奇跡なんじゃないかと思ってしまった。
 
さらに留学前にお世話になった外来の看護師さんと3年ぶりに会い、ものすごく懐かしかった~。
いつも思うことだが、数年経つと男は腹が出たり髪が薄くなったりといった劣化が激しいが、女性たちは本当にかわらない。
 
When I visited the out-patients clinic to get a mail from a publisher, I met one of the nurses I worked with before I went to Canada for the first time in three years.
 
I was surprised that she was just what she was 3 years ago.
It looks like women in general change little in appearance, while men tend to put on weight and lose hair even for a short period of time.

2012年8月1日水曜日

富士システムズの製品 --- Products from Fuji Systems

先日、ボストンで知り合った富士システムズから熱心な売り込みがあり、話を聞いてみることにした。

ウチは伝統的にダブルルーメンチューブはブロンコキャスだし、気管支ブロッカーは Arndt で、富士システムズとはほとんど縁がなかった。
最近、気管支内に挿管するロングチューブを入手したことを除けば、20年以上前に一度、ユニベントチューブを使ったくらいか・・・。

富士システムズの S さんはいろいろな製品をもってきてくれたが、実際に触ってみて気づいたのは、塩化ビニルのチューブとは違ってシリコンのダブルルーメンチューブはすごく軟らかいということだ。
声門や気管分岐部を通過する時の生体に与えるダメージは、軟らかい方がずっと小さいだろう。

しかしその一方で、シリコンのチューブがあまりにも肉厚で、内腔が小さいことも気になった。
両方とも手元に置いておいて、患者の状態や術式によって使い分けるのが理想的だろうが、在庫管理やコストの点でそれが許されるかどうかは微妙なところだろう。

また、TCB ユニブロッカーは操作性が良さそうで、ぜひ使ってみたいと思った。
米国では Arndt の気管支ブロッカーがコストが安い点で人気らしいが、日本では値段はそう変わらないとのこと。

Two sales representatives came to see me from Fuji systems and talked about their products related to thoracic anesthesia.

The TCB Uniblocker seemed much easier to me to operate than Arndt bronchial blocker and I like to try for it in the near future.

They told me that the price for Arndt BB is lower than Uniblocker in the United States but in Japan they are close.

2012年7月28日土曜日

Clinical Clerkship 修了 --- Two students finishing the CC program

7月はじめから始まった麻酔科の4週間のクリニカル・クラークシップに2人の学生が参加していたが、昨日無事修了することができた。

「これだけは学んでもらいたい」という症例を厳選し、担当してもらったのだが、すごく熱心に勉強しており、プレゼンテーションの技法も身につけたようだった。

帝切とクリッピングの症例を逃したのは残念だったが、それ以外はコンプリートしたようなので良しとしよう。

教える方もがんばった。
自分で自分をほめてあげたい(笑)

Two Medical students finished the Clinical Clerkship (4-week program) yesterday.

They studied very well and their presentation skills were remarkably improved.

I believe the teaching staffs including H-sensei and I did very well, too.

2012年7月25日水曜日

プチ国際親善 with NUS medical students

夏休みで不在の T 手術部長に代わり、National University of Singapore からウチの大学に短期滞在中の医学生6人に手術部の中を案内した。

事務方からスケジュールが遅れ気味なので早めに終わらせてほしいと頼まれ(実際、20分遅れでオペ室にやってきた)、早く終わらすのは簡単だし得意(?)だと約束しておいたのだが、実際は着替えに手間取ったり、いろいろなよもやま話や写真撮影で盛り上がったりで、さらに10分以上スケジュールを遅らせることになってしまった。

事務方の女性には、悪いことをしてしまったかも・・・。
まあ、もしも万一このことで病院からお目玉を食らうとしたら、それは T 部長にお願いすることにしよう・・・と思っている。

学生さんたちが手術部に着いた時は表情が硬くて、思いっきり緊張しているのが手に取るようにわかったが、帰りはリラックスしたようで笑顔が見られて、こっちもホッとした。

2012年7月24日火曜日

東京麻酔専門医会リフレッシャーコース 第2日

リフレッシャーコース第2日もいろいろと盛りだくさんで、学ぶことは多かった。
いろいろと忙しかったために更新が遅れてしまった。

「産科出血の管理法」では、産科出血を通常の手術での出血と同様に扱ってはならないというのが、講演の趣旨のようだった。
以下はその講演の際の、自分のメモ書き。

・単胎の場合、出血量は 800 ml までが正常範囲。
・産科出血が 2000 ml を超えると、10% の頻度で DIC を発症する。
・DIC を併発するとさらに出血が止まりにくくなるので、DIC をコントロールすることが重要。
・DIC に対してはフィブリノーゲンを 100~150 mg/dl 以上にすることを目標にし、FFP の投与を控えないようにする。
・ショックインデックスが 1 以上で PT が正常値でも、フィブリノーゲンが低い場合は FFP を投与する。
・DIC が起これば弛緩出血が起こるが、DIC が治療できれば子宮は収縮する。
・出血が 2000 ml 超える場合に膠質液でしのぐのは危険で、FFP を積極的に投与する。

「採血・献血に伴う神経障害性疼痛・CRPS の診断と治療」は、とても身近な話題を扱った講演だった。

静脈路確保後に患者が激しい痛みを訴えている時は、点滴がよく落ちていたとしてもすみやかに抜くことが大切である。
神経をひっかけていることがあり、抜いたとたんに痛みが改善することがある。

リフレッシャーコースの後での反省会では、もっと写真をたくさん撮ればよかったのだが、かろうじてイクラ入りのチャーハンだけを写したので、とりあえずそれを載せておく。

2012年7月21日土曜日

東京麻酔専門医会リフレッシャーコース 第1日

東京麻酔専門医会リフレッシャーコースが、今年もアステラス製薬ホールで開催された。
 
朝一番からたくさんの人たち(多くは若手の麻酔科医)が参加してくれて、3人がけのテーブルはほとんどが埋まっており、会場の脇に並べられたイスにもたくさんの人が座っていた。

とにかく盛況のため熱気でムンムンしており、しゃべっている途中で暑くて頭がクラクラしてくるほどだった。
今日は朝肌寒かったのでジャケットを着ていったのだが、それはちょっと失敗だったかも・・・。

午後は「論文を書こう!」というタイトルの講演で司会進行役を務めたおかげで、弘前大学・廣田先生と関西医科大学・浅井先生とお話しする機会を得た。

お二人とも学問に対してとても真摯な態度で臨んでいるということがとてもよくわかったのだが決してそれだけでなく、時折ユーモアあふれるトークで会場を湧かせたりと話術に長け、話題も豊富で仕事を心から楽しんでいるような印象を受けた。

明日もまた新しい出会いがきっとあるはずなので、それを楽しみにしたい。

2012年7月18日水曜日

続・マニュアル改編で歴史を振り返る

安全管理対策室から麻酔科の安全管理対策マニュアルと業務マニュアルの改編を命じられていたのだが、締め切り間際になって、ようやく提出することができた。
 
もともとのマニュアルは自分が医局長の時に作ったものなのだが、医局長業務から離れて 10 年弱経つので、自分の所属科とはいえ最新のルールにはすっかり疎くなってしまった。
それで現医局長の H 先生に協力してもらい、なんとか改編にこぎつけたというわけだ。

以前のバージョンは A4 の用紙で 33 枚分のものだったのだが、今回は削除する箇所がかなり多く、気がついてみると結局は 30 枚分に減ることになってしまった。

減った理由としてはまず、他科からの短期ローテーターからの受け入れが実質的になくなったことによるところが大きいように感じる。
バックグラウンドが異なる若者を教育するよりは、基本的には同じ教育を受けている初期研修医を指導する方が、教育のためのマテリアルは少なくてすむということみたいだ。

また、PHS や医療端末の普及と利用の度合いが高まったおかげで、さまざまな連絡や申し送りの必要がなくなってきたことも、マニュアル量の低下に寄与していると思う。

以前は午後3時になると手術部の看護師に翌日の患者情報や必要物品を直接申し送っていたものだが、現在はオンラインで事足りるため、そういう風景はすっかり見なくなってしまった。
かつては研修医がリスクのない S 状結腸切除術で輸血ラインをオーダーしてしまい、資源の無駄遣いだとベテランナースに一喝されるような場面もしばしばあったわけで、そういう人と人とのコミュニケーションの場が失われていくのは、なんとなくさびしいような気がしてしまう。

2012年7月14日土曜日

ラケット折れた

留学が終わった時に靴はいくつも捨てざるをえなかったが、これだけは・・・と思って持って帰ってきたラケットがついに折れてしまった。

安物だったけど、冬のインドアテニスとか最後の試合なんかではずいぶん活躍してくれたやつ。

ラケットが折れた後、他の人にラケットを貸してもらったのだが、これがグリップが細くて自分にはすごく使いやすく、サーブがビシビシ決まって気分が良かった。

折れたラケットはずいぶんとグリップが太かったことに今さらながら気づいたのだが、貸してもらった人に、「さすがはアメリカンサイズは違うね(?)」と言われてしまった。

2012年7月10日火曜日

院内医療メディエーションとは

先週月曜日の安全管理講習に出席することができなかったので、今日は当直明けだったがそのビデオ講習に出席してきた。
演者は、早稲田大学大学院法務研究科教授 和田仁孝先生。
以下はそのビデオ講習の時の自分のメモ。
 
深刻な医療事故が起こるとしばしば医療側と患者側が対立することになるが、そこで第三者的な立場で両者の対話を促進する役割を担うのがメディエーターということになる。

このメディエーターは病院のシステムに通じていないといけないことから院内の職員でないといけないが、だからといって患者側に、メディエーターが医療側の立場についていると思われてもいけないし、逆に患者側の味方になっていると医療側に思われるようなことがあってもいけない。

したがってメディエーターは難しい立場に立つことになので、病院としては彼らを「安全地帯」に置いておくような配慮が必要になってくるとのこと。

基本的にメディエーターは自分の意見や見解の表明は一切しない。
そのかわりに、メディエーターは医療側または患者側に質問を投げかけ、語らせることによって情報を引き出すことが期待される。

対立構造は貧困な情報がもとに形成されることが多いので、より多くの情報を引き出すことによってお互いの理解を促進することに役立てるらしい。

病院は患者を待っていてはいけない。
患者はつねに病院を待っているから、病院(メディエーター)の側から行動を起こす。

メディエーターの仕事は患者側から罵声を浴びることから始まることがつねだが、そこで行動を起こさないと、患者側から「病院は何もしない」といった別の怒りを買うことになる。

医療側と患者側は違うナラティブ世界に生きている。
だからメディエーターが両者をつなぐ役割を果たすことが期待される。

2012年7月6日金曜日

PBLD 抄録完成!

学会から支部集会の PBLD の抄録を送るようにせっつかれて、ようやく昨日、咳き込みながら登録を完了した。
 
一瞬、PBLD のシナリオを今の時点でもう送らないといけないのかと思ってあせったのだが、そういうことではなく、あくまでも一般的な情報を抄録に載せることが求められていたようで、ちょっとほっとしたのだった。
 
ついでながら学会からの説明によると、PBLD は EBM と密接な関係があって、設問の解説では個人的な見解ではなくて EBM に従った解説が求められるとのこと。
 
・・・のだけれど、今回のケースはかなりまれなものなので、どこまで EBM でうまくやっていけるのかよくわからない。
EBM の限界に挑戦してみたいと思っている。

2012年7月5日木曜日

ドクターショッピングじゃないのだけれど・・・

先週の土曜日に近所のクリニックにかかり、最初の2日間はとてもよく眠ることができた。
 
さすがは濃厚ブロチンコデイン配合シロップ + ホクナリンテープ! と思ったのだが、3日目からはまた咳で眠れなくなり、しかもその頼みの綱の薬さえも切れてしまった。
 
そこでまたクリニックに行こうと思ったのだが、なんとそこは木曜日は休診。
しかも明日は早く帰れるかどうか微妙なところだったので、不本意ながらまた別の近所のクリニックに行くことにした。
 
実際行ってみると、そこは外見が上品なつくりをしていて、まるでペンションのようなところだった。
中に入ると待合室には誰も患者がおらず、5分ぐらい待つだけで診察してもらえた。
 
今までの経緯をかくかくしかじかと先生に説明したところ、薬を替えましょうとのこと。
もっと強力なやつでバーンと咳をやっつければ、必ず良くなると言われた。
 
で、今回の処方は、
ジスロマック錠 250mg 朝2錠 1日1回 3日分
リン酸コデイン錠 5mg 朝・昼・夕2錠ずつ 1日3回 5日分
ケンタン錠 60mg 朝・昼・夕1錠ずつ 1日3回 5日分
ホクナリンテープ 2mg 1日1回 5枚
 
抗生剤だけ3日分なのがポイントで、これは3日飲むだけで1週間効くやつなのだそうだ。
のどの刺激が嘔吐反射を催すほどひどくならないように、今のうちにしっかり治しておきたいところだ。

2012年7月2日月曜日

Web of Science 検索講習会

恥ずかしながら今まで一度も Web of Science を使ったことがなかったので、大学で行なわれた検索講習会に出席してきた。

PubMed と Web of Science の違いはいろいろあるが、PubMed は医学分野に特化していて比較的マイナーなジャーナルもカバーしているのに対し、Web of Science は生物学や化学、物理など広い範囲を網羅しているものの、カバーしているジャーナルは impact factor のあるジャーナル(コアジャーナル)のみである。
Web of Science = Impact factor という関係が成り立つ。

Web of Science では引用に関するさまざまな情報を入手することができる。
例えば、ヒットした論文を引用された回数の多い順に並べ替えるとか、あるキーワードに対する年代別論文数とか年代別被引用数を調べるなど。
著者名と和文タイトルがわかっている場合、その和書を引用している論文を検索することもできる。

また、しぼり込み機能も PubMed とはやや異なる。
Web of Science ではあるキーワードに対し、どの分野で使われているか、どの国で行われているか、所属先や助成金情報でもしぼり込むことができる。

所属先については、郵便番号からしぼることもできる。
ある大学の学部でしぼるにはやや技巧を要し、"Tohoku Univ same Med" のように "same" という語を使うことになる。
"same" を入れないと、"Tohoku Univ" 以外の医学部も含まれてしまうらしい。

PubMed でもできるかもしれないが、Web of Science では 2007 年以降の論文に対してフルネーム検索ができる。
"姓 + スペース + 名" で検索する。

PubMed と Web of Science の重複は、7割弱しかない。

今回の講習会の講師は、まず PubMed で検索した後にそれがどのように使われたかを Web of Science で調べ、さらに PubMed に戻って詳細な検索をすることを勧めていた。

2012年7月1日日曜日

コデイン効いた

昨夜はブログを書き終わると猛烈な眠気が襲ってきて、朝までぐっすり眠ることができた。

おそらくコデインが効いたことによるものと思われる。

朝目覚めると口の中がパサパサで、鼻汁と痰が溜まっていた。

今日も声が嗄れていて、あいかわらず咳は出るのだが、咳が出る時の苦痛はだいぶ和らいでいて、確実に治癒方向にあるものと思われる。

2012年6月30日土曜日

咳がとまらない

日曜日にプールに行ったのがまずかったのか、今週はのどの調子がずっと悪かった。

それでも水曜日ぐらいにはいったん調子は上向きになったのだが、ここのところ2日くらい咳と痰で寝つけず、今朝はほとんど声が出なくなってしまった。

それで近所のクリニックに受診し、たんまりと薬を処方してもらった。

クラリス錠 200 朝、夕 1錠ずつ
ニチコデ配合散 朝、昼、夕 1包ずつ
ムコソルバン錠 15mg 朝、昼、夕 1錠ずつ
濃厚ブロチンコデイン配合シロップ 寝る前 2ml
ホクナリンテープ 2mg 寝る前 1枚
イソジンガーグル液 7% 1日数回

夕方から薬を飲みはじめたのだが、ちょっと眠気がきてウトウトした以外は、まだ効いている感じがしない。
幸いなことに熱は出ていないのだが、あいかわらず咳が出て苦しい。

寝る前の薬はほんの10分前に飲んだり貼ったりしたところだが、まだ効果は表れていないもよう。
今日はよく眠れるといいのだが・・・。

2012年6月27日水曜日

マニュアル改編で歴史を振り返る

リスクマネージャーという役目のために、現在、二つのマニュアルの改編作業を同時並行で進めざるをえない状況に陥っている。

今日、仕上げたのは救命救急センターにおける、麻酔科関連のマニュアルだ。

センターができる前の救急部時代から使われていたものらしく、旧マニュアルの麻酔科のところに心肺蘇生手順が細かく記されている。

現在は救命医が常駐しているわけだから、これを見ながら誰かが蘇生を行なうということはないわけで、もはや無用の長物というわけだ。
・・・というわけで、バッサリ削除した。

さらに興味を引いたのは、ドクターコールの番号ともはや使われていない古い PHS 番号が載っていたこと。
確か、PHS が導入されたばかりのころは、ドクターコールと PHS の両方を持たなければいけなかったことを思い出した。

滑稽だったのは管理当直の場合で、管理当直用と麻酔科当直用と自分用の3人分のドクターコールと PHS を持たなければならなかったので、合計6つの通信手段をポケットに突っ込みながら当直業務をこなしていたというわけだ。

どれか一つが鳴り出すと、6つのうちから探し出さないといけなかったわけで、それだけで気持ちがあせったのを思い出す。

2012年6月26日火曜日

支部集会査読終了

締め切り間近だったので、先週の土曜日から日曜日の深夜帯を費やして、日本麻酔科学会支部集会の一般演題の査読を行った。

昨年のインターネット上の日記を振り返ると文字ばかりの抄録はあまり良くないと書いてあるのだが、今年は図が評価の対象になっているので、日本麻酔科学会の抄録査読システムは一段階進歩したということになるのだろう。

すばらしいことだと思う。

2012年6月21日木曜日

論文を書こう!

東京麻酔専門医会リフレッシャーコースが、いよいよ1ヶ月後に迫ってきた。

今までは演者の一人として自分の講演だけを心配していればよかったのだが、実はつい数日前、学術委員の一人として座長を務めるように仰せつかり、また別の意味でも緊張感が高まってきた。

自分が担当するのが 「論文を書こう!」 という講演で、2人のエキスパートが論文執筆(正確には研究計画なども含めて)のコツを伝授してくれるというものだ。

学術委員としてだけでなく、一人の麻酔領域の研究者としても、楽しみでしかたがない。

2012年6月18日月曜日

学生の電子教科書

麻酔科にまわっている学生の iPad を横から覗き見してみたら、「術前評価」という項目が目に入った。

一見、教科書っぽかったので、どこからダウンロードしたのか訊いてみたら、ダウンロードしたのではなく、本をスキャナーで取り込んだのだと言う。

それにしては歪むことなくきれいに取り込めてるし、全ページ取り込むのはめちゃくちゃ時間がかかったのではないかと気になってさらに突っ込んでみたら、自分で取り込んではないとのこと。

そういう専門の業者がいて、その業者のところに本を持ち込むと、なんとそれを裁断(!)して1ページずつバラバラにし、それを PDF 化してくれるのだそうだ。

ぶ厚い内科学の教科書では数ギガバイトのデータになるらしい。

そうすることで重い教科書を持たなくて済むのはとても便利なことだが、本がバラバラになってしまうのは、自分としてはちょっと気になるところだ。

でも、麻酔科学の教科書を持たない学生が圧倒的に多い中にあって、彼のように勉強熱心なのはすばらしいと感心した次第。

(このエピソードをブログに載せるにあたり、学生さん本人の承諾を得ました。)

2012年6月14日木曜日

さぬちゃんの「原稿天国」状態

今年のリフレッシャーコースのテキスト用原稿(っていうか、パワポの配布資料)がようやくできあがり、今朝、駅のそばのポストに投函した。

LiSA の原稿とたまたま締め切りが同じ日だったのだが、LiSA は比較的早く上がったのに対し、こちらは最後の最後まで苦しんでしまった。

しかし今は困難を乗り越えた(?)という充実感と達成感があり、ついでに解放感も味わっている。
これはきっと、さぬちゃん先生がおっしゃるところの「原稿天国」状態に近いものがあるのだと思う。

次は院内用の業務マニュアルを作成しなければならないのだが、これもなんとか早く脱出して、「マニュアル天国」状態にたどりつきたいところだ。

2012年6月11日月曜日

PC 環境復活!

ふだん研究室で使っているノートパソコンを学会に持って行ったのだが、今日久しぶりに研究室で使おうとしたら、インターネットにつながらなかった。

たいていの場合は、インターネットオプション → 接続 → LAN の設定でなんとかなるのだが、今日は一筋縄ではいかず、IP アドレスなどを手動で打ち込むハメになってしまった。
恥ずかしながら、全治に1時間以上費やしてしまった。

ノートパソコンを同じようにいろんな学会に連れて行っているようでも、微妙に先方の環境は違っているらしい。
いずれにせよ、コンピュータ音痴のわが身がうらめしい限りだ。

2012年6月9日土曜日

日本麻酔科学会 学術集会 最終日

JA シンポジウム 「気道トラブルの予見、準備、発生時対応」は、最終日午前中にもかかわらず、広い会場がほぼいっぱいになるくらい盛況だった。

講演の中で紹介された論文を参考にしつつ、メモ書きを残しておく。
(講演内容を正確に記録しているという意味ではなく、あくまでも自分のメモ書き。)

「予見」は、主に OSA 患者をいかに見つけるかということに関するもの。

Kheterpal S, et al.  Anesthesiology 2009; 110: 891-7.
マスク換気困難の頻度は 0.15%。マスク換気困難の独立した予測因子は頸部への放射線治療、男性、OSA、マランパチスコア III と IV、あごひげ。

Tsuiki S, et al.  Anesthesiology 2008; 108: 1009-15.
OSA 患者ではまわりの骨の成分にくらべて、舌が大きい。また、舌骨が低位であれば、OSA のリスクが高い。

Nuckton TJ, et al.  Sleep 2006; 29: 903-8.
マランパチスコアは OSA の有無および重篤度のリスク因子。スコアが1点増えると、OSA のリスクは2倍以上で AHI は5以上増える。

Isono S, et al.  Anesthesiology 2005; 103: 489-94.
Neutral neck position にくらべて sniffing position にした方が、気道の開通が良くなり咽頭閉塞圧が低下する。
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英国の気道換気に関する報告 "Major complications of airway management in the UK" に基づいた講演。

この報告については "NAP4" でグーグル検索可能だという話だったが、確かにヒットした。

年間 290 万人についての前向き調査。
これによると重篤な気道合併症は 133 例発生したとのこと。(22,000 人に1人の割合)
原因としては誤嚥が多い。
この時に使われた気道確保道具で最も多かったのは、声門上器具。

声門上器具が挿入困難な症例では、挿管困難やマスク換気困難を伴う。
Asai T.  Anaesthesia 1996; 51: 1063-5.

Ramachandran SK, et al.  Anesthesiology 2012; 116: 1217-26.
LMA Unique の抜去および気管挿管が必要になった気道系のイベントのリスク因子は、手術台のローテーション、男性、poor dentition、高い BMI。
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発生時の対応については、耳鼻科の先生から経皮的気管切開法(Blue Rhino 法)の話。

経皮的気管切開法は緊急の場合に気道確保が行なうことができる便利なデバイスだという認識だったが、実は緊急気道確保は禁忌項目の一つに挙げられているとのこと。
経喉頭的に気管挿管がされていることが条件なのだそうだ。

理論的は禁忌なのだが、救急や ICU ではやはり緊急用に使用することを念頭に置いているらしい。

気管挿管されている患者でこれを行なう時は、気管チューブを引き上げ、チューブの内側から内視鏡で第1-2気管輪間または第2-3気管輪間を確認する。
最初に盛り上がって見えるのが第1気管輪。

2012年6月8日金曜日

日本麻酔科学会 学術集会 第2日

今日もたくさん勉強したので、そのメモ書きを残すことにする。
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【シンポジウム: 気道確保困難な状況での声門上器具:その是非と選択】

予期しない困難気道に遭遇した場合に備え、ふだんから各々の声門上器具に習熟しておく必要性がよくわかった。
初期研修医はともかくとして、後期研修医に対してはトレーニングの機会を設ける必要があるだろう。

分娩前後では気道に変化が起こる。分娩前の評価はあてにならない。
Kodali BS, et al.  Anesthesiology 2008; 108: 357-62.

気管挿管をせずに全身麻酔を行っても、誤嚥性肺炎はめったに起こるものではない。だから挿管が困難な場合は、気管挿管にこだわらずに声門上器具に逃げるのが賢明かも。
Ezri T, et al.  Anaesthesia 2000; 55: 421-6.
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【企業共催セミナー: ディスポーザブル PCA 装置】

留学に行く前も帰ってからもディスポーザブル PCA 装置は全く変わっていなかったので、てっきりこれはこれでずっとこのまんまなんだろうと思っていた。

クーデック新型ディスポーザブル PCA ポンプは投与速度が変えられるだけでなく、投与履歴の確認ができて、ボタンを押した時のクリック感があり、完全なロックアウト時間が得られるのだそうだ。

ディスポのくせに投与履歴がわかるなんてすごいと思う。
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【PBLD: 肥満患者の麻酔について】

ランチョンセミナーが終わってから 30 分後に始まるはずだったのに、開始 15 分前にはもう満員だった。
会場内は熱気でムンムンしていたのだが、これはおそらくリスクの高い麻酔管理への関心の高さの表れだろうと感じられた。

Apnea Hypopnea Index (AHI): 1時間に無呼吸に陥る回数。AHI が 20 以上で CPAP の適応があり、CPAP で循環器系を改善してから手術を行うことになる。
BMI > 30 で減量外科手術の適応。

Ramped position: 外耳道口と胸骨切痕が水平となるように、頭~肩~背中にクッションを置く。

理想体重 (IBW) = (身長)×(身長)×22
補正体重 (CBW) = (IBW) + 0.4 × (TBW - IBW) (理想体重と実体重の間ぐらい)
除脂肪体重 = 実体重 × (1 - 体脂肪率)

血中濃度の解析から、プロポフォールは実体重に従って投与するのがいい。
スガマデクスも実体重。レミフェンタニルは理想体重。

薬物投与の際の体重の目安に関してくわしい。
Pieracci FM, et al.  Crit Care Med 2006; 34: 1796-804.

リクルートメント手技による効果がどのぐらい長持ちするかに関する論文。
Rothen HU, et al.  Br J Anaesth 1993; 71: 788-95

日本糖尿病学会では、今年の4月から HbA1c の表記を国際標準値(NGSP 値)を使用することに決めた。
空腹時血糖 200 mg/dl 以上なら、インスリン治療導入。

2012年6月7日木曜日

日本麻酔科学会 学術集会 第1日

初日から役に立つおもしろいプログラムが満載だったので、いくつかメモ書きとして残しておく。
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【招請講演: 周術期急性腎傷害】

「正常血圧性虚血性急性腎傷害」
演者の先生がこれだけは覚えて帰るようにと強調していた項目のひとつ。
輸入細動脈と輸出細動脈が微妙なバランスを保つことで 90% 以上の腎血流が維持されているが、輸入細動脈の収縮と輸出細動脈の拡張によって適切な腎血流が得られず、腎が虚血に陥ってしまうという病態。

輸入細動脈の緊張はプロスタグランディンが、輸出細動脈はアンギオテンシンII が司っているらしい。
ACE-I や ARB、NSAIDS、造影剤の投与がリスク因子となる。
敗血症では腎血流が必ずしも低下していないので、やはり輸入細動脈と輸出細動脈の緊張のアンバランスが起こっているのではないか、という仮説があるとのこと。

腎での autoregulation は平均血圧 80-180 mmHg の範囲内で維持されるが、これは脳での autoregulation にくらべてやや高めの範囲である。

「色素性腎症」
人工心肺による溶血で遊離ヘモグロビンが生じ、不安定な Fe イオンが AKI をもたらす。

敗血症性ショック患者において、輸液過剰にするとアウトカムが悪くなる。
Payen D, et al.  Crit Care 2008; 12: R74.
Bouchard J, et al.  Kidney Int 2009; 76: 422-7.

ARDS 患者では、肺保護換気によって AKI の頻度が低下する。
Imai Y, et al.  JAMA 2003; 289: 2104-12.
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【企業共催セミナー: 呼吸数モニタ RRa 】

のどにシールを貼って、もともとはパルスオキシメータとして使われている器械につなぐだけで、呼吸数がモニタリングできる。

手術室での使用よりは、術後の呼吸管理で使われることを想定しているらしい。
麻薬系鎮痛薬などによる呼吸抑制をモニターするには有用だろうと思われる。

ベアハッガーをのどのあたりで使っているような場合の呼吸数の信頼性には、やや問題があるらしい。(音が問題なのか、振動のようなものが問題なのか、よくわからないが・・・)
これからアルゴリズムの精度を上げていく途上にある。
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【招待講演: 呼吸器科医からみる周術期 NPPV 管理】

麻酔科医にとっては NPPV は必ずしもなじみ深いものではないが、とてもわかりやすい解説だったと思う。

狭義の NPPV はpressure support を中心としたもので、広義の NPPV はさらにそれに CPAP を加えたもの。
急性期に用いられる器械としては、レスピロニクス社の BiPAP Vision と V60。
V60 は新しいタッチパネル式のもので、駆動音も静か。

モードには S/T モードと CPAP モードがあり、換気補助の必要性に応じて使い分ける。
同調性が悪い時は CPAP モードとする。
設定の例としては、S/T モードでは EPAP 4-5 cmH2O、Vt が 8 (6-10) ml/kg となるように IPAP を決める。
CPAP モードでは 8-10 cmH2O。

COPD では内因性 PEEP に拮抗する意味で EPAP を高めとする。
術後 ARDS、無気肺でもやはり EPAP 高め。

Nasal CPAP はP/F ratio を改善するが、血行動態には影響を与えない。
Kindgen-Milles D, et al.  Acta Anaesthesiol Scand 2002; 46: 860-5.

肺切除後の急性呼吸不全で NPPV を使うと、再挿管率が低下し、死亡率も低下する。
Auriant I, et al.  Am J Respir Crit Care Med 2001; 164: 1231-5.

腹部大動脈瘤術後に NPPV を使うと P/F ratio が改善する。
Kindgen-Milles D, et al.  Chest 2005; 128: 821-8.

腹部手術後に重篤な低酸素血症を呈した患者で NPPV を使うと再挿管率が低下する。
Squadrone V, et al.  JAMA 2005; 293: 589-95.
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【シンポジウム: 抜管しても大丈夫?】

広い会場が満席になるぐらいものすごい数の聴衆が集まり、この話題への関心の高さをうかがわせるものだった。
座長の先生がおっしゃる通り、抜管に対する考え方が人によってまちまちなためにまとまることはなかったが、逆にそれだけにディスカッションが盛り上がっておもしろい内容となったと思う。

深い麻酔状態で抜管することを "Deep extubation" と呼ぶが、これは利点が多いかわりにリスクも高く、高等テクニックだと考えられている。
Difficult Airway Society Extubation Guidelines Group.  Anaesthesia 2012; 67: 318-40.

フェンタニル 2ug/kg 静注で抜管時期の咳を 90% 抑制可能。
Yoo YC et al.  Acta Anaesthesiol Scand 2011; 55: 1215-20.

Deep extubation (自発呼吸あり、刺激しても体動なし、吸引しても咳なし)できる最低のセボ濃度は、MACext 1.64%、MACext95 1.87%。
Deep extubation での問題点として、気道閉塞が必発、安全な気道確保できるか不明、相当な時間がかかる、手術室の汚染が挙げられている。

小児患者においてのおすすめの抜管のやりかたは、
患児が起きる前に陽圧を加えながら抜く。セボ 0.2-0.25% を目指す。その前後にプロポフォール注入中止。

小児患者において deep extubation と awake extubation を比較したが、合併症には差がなかった。
Patel RI, et al.  Anesth Analg 1991; 73: 266-70.

抜管前にプロポフォール静注で、咳を減らすことができる。
Pak HJ, et al.  Korean J Anesthesiol 2011; 60: 25-9.

小児患者において麻酔中に側臥位にすると、気道の体積(容積)が増加する。
Litman RS, et al.  Anesthesiology 2005; 103: 484-8.

喉頭機能の評価のやり方として、
1) 食道癌術後とか抜管にリスクを伴う患者では、抜管前の内視鏡による評価。深吸気時に声門が開大することを確認。
2) カフリークテストは簡便だが、敏感度、特異度ともに低い。6L/min のフローでカフを脱気させて、気道内圧が 20 cmH2O 以下かどうか。(あるいはカフを脱気させて 20-25 cmH2O の陽圧をかけて、リークがあるかどうか。)

内視鏡による評価では一度は抜管せざるをえないが、筋弛緩が効けば通常は喉頭は開大するので、リスクが著しく増大するというわけではない。

一方で、カフリークテストは完璧に喉頭機能を予測できるわけではないとする報告もある。
Kriner EJ, et al.  Respir are 2005; 50: 1632-8.
Engoren M.  Chest 1999; 116: 1029-31.

エコーで喉頭浮腫がわかるらしい。
Kundra P, et al.  Anaesthesia 2012; 67: 301-2.
Ding LW, et al.  Eur Respir J 2006; 27: 384-9.

陰圧性肺水腫の原因の 50% が抜管後喉頭痙攣で、健常青年に多い。
オピオイドは気道反射抑制作用があるため、好都合である。

2012年6月4日月曜日

LiSA の原稿完成

LiSA から依頼されていた一側肺換気に関する原稿がようやく完成した。

それで宅配便で送るために大学近くのセブンイレブ●へ行ったところ、なんとヤマ●便のオジさんたちがまさに店から荷物を預かろうとしているところだった。

セブンイレブ●のおニイさんに原稿と CD の入った封筒を渡したところ、それが直接ヤマ●便のオジさんたちの手へ。

なんとなくツイているような気がして、気分がいい。

2012年6月2日土曜日

奥ゆかしくしないでしっかり広報!

休日にもかかわらず FD があったため、朝から大学へ。
今日の FD は小グループに分かれるということはせず、大講堂で講演を聞くタイプのものだった。

どうもウチの大学や附属病院の研究、教育、診療はどれもレベルが高いらしいのだが、その割に世間の認知度はそれに伴っていないらしい。
それで午後からは Y 新聞東京本社の T 氏より、広報のあり方に関する講演があった。

T 氏の話はとてもわかりやすく、①奥ゆかしくしないこと、②新聞に載せるのはタダなので大いに活用する、③1回では載らなくても何度もトライする、④大学が載せたいと思う内容と新聞が載せたい内容は必ずしも一致しない、⑤大学の宣伝のような記事は載せられないが、結果として宣伝となる記事になることはありうる、⑥キャッチーな(catchy: 人の心を捉える、受けそうな)見出しになりそうなものは載りやすい、といったような内容だった。

自分も麻酔業界のブロガーの一人として、奥ゆかしくしすぎることなく、しっかり広報していきたい(笑)。

2012年5月30日水曜日

安全管理実習終了

講義に引き続き、2週にわたって行なわれた実習も無事終了。
こちらはジャクソンリースやアンビューバッグに直接触れながら、挿管人形への人工呼吸を経験するというもの。

ボンベの使い方も一緒に説明したが、「酸素を流す前にボンベを必ず開けましょう」ってくりかえしくりかえし全部で 30 回以上は言ったと思う。
「しつこいオヤジ」って思われてもいいから、「酸素を流したつもりで流れていなかった」みたいなインシデントが地上から撲滅されることを期待したい。

講義の時と同様に参加者の大半は看護師で、研修医とベテラン医師はごく少数だった。
ベテランになっても若い人たちと一緒に学ぶ気持ちを、かえってこちらが学ばさせてもらった。

1年にほんの数回のことだが、若いナースたちに囲まれると緊張して汗がだくだくになる。
ベテラン師長さんたちに囲まれても冷や汗でびっしょりになるが、気分は当然のことながら全く異なる(笑)。

2012年5月26日土曜日

お好みの先生は?

バンクーバーで2年間プラプラしていたせいか、せっかく身についた B 型肝炎の抗体が陰性化してしまった。

それで久々に予防ワクチンを受けることになったのだが、なんとその1回目の日が学会期間中ということで、受けられないことになってしまった。

いろいろと問い合わせた結果、少なくとも1回目に関しては自分で医療機関を受診して済ませなければならないということになり、しかたなく近所のクリニックに予約を取り、注射を受けてきた。

駅のすぐそばにあるそのクリニックはリハビリもやっているためか、お年寄りがものすごく多かった。

受付で手続きをしていると次から次へと患者さんがやってくるのだが、そのたびに受付の事務員が「お好みの先生はいますか?」と尋ねているのが、教育機関に長いこと勤めている自分にとってはとても新鮮だった。

人気のない先生は、きっと淘汰されてしまうのだろう。
実際、そこのクリニックは医師だけでなく看護師も事務員もとても親切だった。
(あたかも老人に対するかのような過度な親切さが、自分にとってはある意味不満だったが・・・。)

注射のあと、副反応対策ということで、少なくとも 30 分間はクリニックにとどまっているようにいるように指示を受けた。

その際も口頭での指示ではなく、ちゃんと印刷された紙を渡され、それにボールペンで大きい字で「XX 時 XX 分まで」と書いてあったのには感心してしまった。
間違えたくても間違えられないようにできている・・・というわけだ。

2012年5月25日金曜日

プチ懇親会@神保町

つい先日、先輩でありお友達でもある T 先生と、ベテラン麻酔科医であり御茶ノ水では新人でもある K 先生と一緒に、神保町にあるランチョンへ飲みに行った。

心配していた割にはそんなに混んでおらず、居酒屋と呼ぶには明るくて品が良く、レストランと呼ぶにはそこまでかしこまっていないような、独特の雰囲気を醸し出している。

値段はちょっと高めでもいいから、おいしいものをちょっとずつ食べたい・・・という人におススメだと思う。

翌朝が早かったのでこの日は早めの散会となってしまったが、おいしいビールと食事で話が盛り上がって、ホントに良かった。

2012年5月21日月曜日

金環日食

金環日食をオペ室のテレビで見ようと思い、ふだんより早めに家を出たら、電車がふだんありえないぐらいものすごく混んでいた。

お茶の水橋の上は日食グラスを持った人がたくさんいて、みんなで秋葉原の方角の空をながめていた。
写真はその様子を研究室から撮ったもの。

部分日食の間はオペ室は静かだったが金環日食になると突然盛り上がりはじめ、オペ室の東端に人がたくさん集まっていた。
自分も日食グラスを借りてのぞいてみたのだが、太陽の真ん前に黒くて丸いものがあるのがよーくわかった。

まぶしすぎて、肉眼では全くわからない。
あたりは思ったほど暗くならなかったので、言われなければ気づかないと思う。

2012年5月16日水曜日

激辛ラーメン

大学生協で、辛ミソラーメンにトウガラシ、ラー油、コショウを思いっきりぶっかけ、さらにカツカレーライスにもコショウをぶっかけて両方完食している業者さんを見かけた。

不健康なことこの上ないが、あそこまで徹底しているとなんかかえって清々しい。

2012年5月15日火曜日

安全管理対策の講義

2009年以来、久しぶりに安全管理対策室主催の講義を担当した。

自分の役割はジャクソンリースやアンビューバッグなどの器具、酸素ボンベなどについて原理や使い方を説明し、患者さんの搬送に役立ててもらうというものだ。

自分のノートパソコンをつないだところ、プロジェクタのケーブルがゆるんでいたせいか、スクリーンが真っ赤になるというトラブルはあったが、その他はまあまあ無事に終了。

参加者のほとんどは看護師さんだったと思うが、若い医師やベテランの医師もちらほらといった感じだった。

リスクマネージャーとして安全管理に熱心に取り組んでいるつもりでも、講義を担当してみることで新しく知った院内のルールなんかもあったりして、自分としてもけっこう勉強になる。

2012年5月10日木曜日

腕からガスもれ

麻酔器の始業前点検をしていたら、おびただしい量のリークがあることに気づいた。
フレッシュガスを 2L/min 流していてもなお回路内圧が下がるということは、それだけリークがあったというわけだ。

一応 CO2 キャニスタをチェックしたのだが、特に変わりなし。
バッグに破れはなさそうだし、感染防止用のフィルターの割れもなし。
入室時刻が迫ってくるし、困ってしまった。

それで看護師さんに頼んで ME さんを呼んでもらった。
ME さんは何回か蛇管を交換したり、CO2 キャニスタを再度チェックしたりして苦労していたようだが、最後にはついに漏れの個所を発見した。

ゆるんでいたのはエスパイアのバッグがぶらさがっている「腕」の部分。
この腕が自由に回転できるように関節がついているのだが、今回はその関節部分のパッキンがゆるんでいたということだった。

恥ずかしながら、全くそこには発想が及ばなかった。
またひとつ、賢くなった。

2012年5月9日水曜日

意識と痛みの機能的脳画像法研究

夕方7時から M&D タワー2階で、神経内科、精神神経科、脳神経外科、麻酔科による四科合同カンファレンスがあった。

今日は麻酔科の当番だったのだが、「意識と痛みの機能的脳画像法研究」というタイトルで、倉田二郎先生による講演が行われた。

講演は二部構成になっていて、前半は全身麻酔の意識消失メカニズムに関する研究で、後半は慢性疼痛の脳内メカニズムに関する研究についての話だった。

倉田先生がピッツバーグから帰国されてからの一連の仕事がひとつの物語になっていて、それがこれからもどんどん続いていきそうな情熱を感じさせるところが本当にすばらしい。

他科の先生方も倉田先生の研究に高い関心を示しており、他科といい関係を保ちつつこれからさまざまなプロジェクトが始まっていくような予感がする。

2012年5月8日火曜日

研究倫理講習会

大学で研究倫理講習会があり、3年ぶりぐらいだと思うが久しぶりに出席した。

この講習会を受講していないと科研費申請や研究倫理審査の申請ができないとのことで、当直明けで眠いことこの上なかったが、強い意志で勉強してきた。

簡単な話や理解困難な話、自分には縁遠い話など内容はいろいろだったが、「被験者への説明文書をひと目見れば、どういう気持ちで研究者が被験者に向き合っているかがわかる」という話には、はっとさせられた。

莫大な数の研究倫理審査の申請を扱っている人ならではの視点だと思うのだが、この話がひょっとしたら今日一番の収穫だったかもしれない。

2012年4月30日月曜日

ボストンの交通

きちんとボストンの交通機関について調べていけばよかったのだが、中途半端な知識のまま出かけてしまったために、ひどく混乱してしまうという苦い経験をしてしまった。
なので、反省をふまえて今後のために備忘録に残しておく。

ボストンでは公共交通機関が発達しており、路線ごとに Red Line とか Green Line といったぐあいに色で識別されていてとても便利である。
(ちなみに、Red Line, Green Line, Orange Line, Blue Line はそれぞれ地下鉄。)
自分の泊ったホテルは Silver Line 沿いにあったため、空港から Silver Line という名前の地下鉄に乗るというイメージを思い描いていた。

ところが、だ。
いろいろうろつきまわっても、空港には地下鉄が見当たらないのである。
空港の人に Silver Line がどこかと訊ねても、空港の外のバス通りを教えてくれるだけ・・・。

すっかり思考のポケットにはまりこんでしまった形だったのだが、Silver Line が地下鉄ではなくてバスだと気づくのに1時間ぐらいかかってしまっただろうか・・・。
違う種類の乗り物ならば、"Subway Map"に載せてほしくなかった・・・。

その Silver Line なのだが同じ停留所(駅)を通るバスでも、なぜか一部は道路を走り、一部は地下鉄のようなところを走っている。
往きが道路だったので、当然帰りは道路の逆側に停留所があるはず・・・と思っていたのに見つからず、実は近くに駅があって、その中を地下鉄のように走っていたりする。

右上の写真は "World Trade Center" で撮ったものなのだが、地下鉄のような改札口を通って階段を降りると、この写真のようにバスのための地下道があるというわけだ。
ホテルの人の助けがなかったら、ここには行き着けなかったと思う。

ボストンからの帰りは JAL の直行便で、快適なこと、この上なかった。
真新しい飛行機で、窓のそばのボタンを押すと、窓に段階的に日よけ用に色が少しずつついていくようになっていたりする。

着陸前に高度を下げた際に水が滴り落ちる現象はあったものの、たいして気にならない。
自分用のスクリーンでマンガを読むことができるというサービスも目新しかった。

2012年4月29日日曜日

Thoracic Anesthesia Symposium --- 第2日

4/28 (土) 晴れ

第2日とは言っても最終日なので、午前中にワークショップと教育講演、および pros&cons があっただけで終わりとなった。

ワークショップは4つの場所を30分ごとにくるくる回るというもので、どこから回り始めるかがあらかじめ指定されている。
自分の場合は 挿管困難 → 気管支ブロッカー → 傍脊椎エコー → 肺のエコー と回るようになっていた。

なぜかよくわからないが、挿管困難のワークショップでは GlideScope が紹介されず、そのかわりにダブルルーメンチューブ用のエア・トラックが紹介されていた。

ダブルルーメンチューブを気管支ファイバースコープを使って挿管しようとしても必ずしもうまくいかないのは、ファイバースコープの長さがタブルルーメンチューブの挿管には十分ではないということに加え、先端がシングルルーメンチューブよりも固いこととか、ファイバースコープの径とチューブの内腔の間のアソビの部分が問題になるからなのだそうだ。

会場にいる麻酔科医の経験としては、挿管困難患者では一度シングルルーメンチューブを入れて、それからダブルルーメンチューブに入れ替えるという人が多いようだった。
チューブの径は失念したが、困難気道モデルのマネキンを用いたデモでは、シングルルーメンチューブに 14Fr と 11Fr のチューブエクスチェンジャーを1本ずつ入れて、それぞれダブルルーメンチューブの気管ルーメンと気管支ルーメンを通して入れ替えるという方法を紹介していた。

気管支ブロッカーのワークショップではさまざまなブロッカーが紹介されていたが、ちょうど隣が挿管困難のワークショップだったということもあり、挿管困難にも大いに役に立つという印象が非常に強くなった。
ICU への帰室時に、ダブルルーメンからシングルに戻さなくてもいいし・・・。

Cohen の意見としては、左肺の切除や右の中または下葉切除ではどちらでもいいのだが、右上葉切除の症例ではCohen のブロッカーが Fuji ブロッカーに優るとのこと。
Cohen のブロッカーは先端が柔らかいので抜けないが、Fuji ブロッカーは先端が硬いので術者の操作によって抜けてしまうらしい。

(余談: 第1日の夜の懇親会の時に富士システムズの方とお会いした時に教えていただいたのだが、どうやら 「Fuji ブロッカー」という呼び方は正しくないのだそうだ。しかし Narayamaswamy らの論文などで Fuji ブロッカーはある意味世界的に有名になったと思うし、バンクーバーの指導医も Fuji ブロッカーと呼んでいたぐらいなので、これからの修正はいろいろな意味で難しいかも・・・と思う。)

傍脊椎ブロックのワークショップでは、名古屋大学の Dr. Shibata のエコー画像が紹介されていた。
Shibata T, et al.  Anesth Analg 2009; 109: 996-7.
どうやら、エコー上で横突起や肋骨の影と壁側胸膜の間に薬液を投与するのがコツのようで、うまくいくと壁側胸膜が(患者の)前方に移動するらしい。
傍脊椎ブロックのやり方は決してひと通りではなく、さまざまなやり方がある。
バンクーバー時代の指導医が自身のやり方を主張していたが、ワークショップの担当者との間でいまひとつ話がかみあっていないような印象を受けた。

術野から入れるという方法もあり、Sabanathan という外科医が 1988 年に行なったのが初めてらしい(?)。
壁側胸膜外をはがしてポケットのような空間を作り、そこをめがけて皮膚の上から針を刺してカテーテルを挿入する (Sabanathan Technique) とのこと。

傍脊椎ブロックはしばしば硬膜外ブロックと比較されるが、傍脊椎ブロックのやり方によって結果はずいぶんと変わってくるのだそうだ。
たとえばエコーを用いずにブラインドで傍脊椎ブロックを行うと (Messina M, et al.  Minerva Anestesiol 2009; 75: 616-21)、傍脊椎ブロックを過小評価するような結果につながることになる。

それから、傍脊椎ブロックは "extrapleural block" と同義らしいということを初めて学んだ。
恥ずかしながら自分のホームページでは別物として扱っていたので、帰国したら修正することにする。

教育講演は面白かったが、備忘録に残すようなことはそんなになかったような気がする。
話の流れから、"breath down" というのは吸入麻酔薬で導入することを意味するらしい(?)ことを知った。

Pros & Cons は誤解を恐れずに言えば、完全にアソビの範囲内だったと思う。
患者にどのサイズのダブルルーメンチューブを用いるかとか、つねに左用のダブルルーメンチューブを用いるのがいいかどうかとか、エビデンスに基づく診療というよりも、個々の麻酔科医の信念に基づくことがらについて扱ったもの。

2012年4月28日土曜日

Thoracic Anesthesia Symposium --- 第1日

4/27 (金) くもり

Society of Cardiothoracic Anesthesiologists 主催(だと思う)の Thoracic Anesthesia Symposium が、Westin Boston Waterfront で今日と明日の2日間にわたって開催された。

どうも今年が記念すべき第1回らしい。
"Annual" と銘打っているので、これから毎年やるのだろう。
はっきりとは覚えていないのだが、来年はマイアミでやるって言っていたような気がする(まだ、SCA のホームページには明示されていない)。

登録の制限があったこともあり、とてもこじんまりした集会だった。
全部でせいぜい 百数十人ぐらいしかいないのでないだろうか。
遠い国から来たのは自分ぐらいかと思ったが、インドやオーストラリア、ドイツからの出席者もいた。

PBLD などの教育的なプログラムが多く、研究発表はどちらかというと「添え物」的な感じだった。
40 個弱のポスターのうち、正直なところ、原著論文としてアクセプトされそうなものは多くはなかったし・・・。

ウチの大学には肺移植はもちろんのこと、気管手術や VRS さえもないので、自分にとっては得るものが多かった。
でも OLV の呼吸生理を一生懸命やっているような人たち(特に日本人)にとっては物足りないかも・・・。
多くの教育講演で呼吸生理に関する研究が引用されると、そのうちの多くが日本人のものだったりするので、日本の Thoracic Anesthesia はそういう基礎的な部分ではとても強いように感じる。

PBLD も一つのテーブルに 10 人程度とこじんまりしており、日本麻酔科学会のものとは趣きが全く異なる。
ひとつが 30 分間で4つのテーブルを回るのだが、あまりにも慌ただしくて消化不良の感は否めない。
自分としては、ひとつの症例をつきつめる日本麻酔科学会のやり方の方がいいように思う。

その中でも勉強になったと感じたのは、ロボット手術の PBLD だ。
ウチではロボット手術もないのでイメージがあまりわかなかったのだが、患者の体位をテープなどでガチガチに固定しなければいけないこと、ロボットの邪魔をしないようにするために腎摘位に近い体位になること、そういった固定や体位に基づく合併症(特に神経学的後遺症)が起こりうること、麻酔科医の術中の患者へのアクセスが良くないことなどを学ぶことができた。

特に術者とのコミュニケーションの悪さは問題みたいで、大声で何度も注意を促さないといけないことがあるらしい。
突然血圧が下がったので昇圧薬を入れたり四苦八苦していたら、実は術者が心臓を専用の器具で押さえつけていたということが、あとからわかったということもあるのだそうだ。
麻酔科医が術野をスクリーンで必ずしも見ることができないことも、そういうことが起こる原因のひとつだとのこと。

あとは気がついたこととか、役に立ちそうな文献を必死にメモしたので、以下に残しておく。

術後の急性肺傷害関係の文献
Tumage WS, et al.  Chest 1993; 103: 1646-50.
Padley SP, et al.  Radiology 2002; 223: 468-73. (珍しい片側の PPPE の症例)

自分がバンクーバーでやった肺切除後の急性腎傷害に関する仕事も紹介されたが、輸液制限を行いがちな肺切除術において、輸液量が急性腎傷害のリスク因子でなかったことがわかった点は意義深いのだそうだ。
他人の目を通すと、自分の研究の別の価値が見い出してもらえることがあるものらしい。

10年前は HPV 抑制という点から吸入麻酔は良くないとされていたが、今は炎症反応抑制という点から吸入麻酔の方がいいとされているようだ。
Casanova J, et al.  Anesth Analg 2011; 113: 742-8.
De Conno E, et al.  Anesthesiology 2009; 110: 1316-26.
Schilling T, et al.  Anesth Analg 2005; 101: 957-65.

その他、酸化ストレスやサイトカイン関係の論文も、多数紹介されていた。
Schilling T, et al.  Anesth Analg 2005; 101: 957-65.
Funakoshi T, et al.  Br J Anaesth 2004; 92: 558-63.
Lases EC, et al.  Chest 2000; 117: 999-1003.
Misthos P, et al.  Eur J Cardiothorac Surg 2005; 27: 379-82.
Yulug E, et al.  J Surg Res 2007; 139: 253-60.  (遠隔臓器への影響)

虚血再灌流傷害
Reece TB, et al.  Ann Thorac Surg 2005; 79: 1189-95.

無気肺に関する総説
Duggan M, et al.  Anesthesiology 2005; 102: 838-54.

食道手術の合併症は、肺合併症と縫合不全の2つに分類できる。
肺合併症はさらに(誤嚥による)肺炎と ALI/ARDS の2つに分けられる。
術後のリークは血流の良否と関係がある。
リークを防ぐ上で硬膜外は有用かもしれないが、MAP は 70 mmHg をキープすべき。

Sakamoto K, et al.  Cytokine 1994; 6: 181-6.  (食道手術ではサイトカインが高い)
Sato N, et al.  Ann Surg 2002; 236: 184-90.  (ステロイド投与の影響を調べた)

VATS で低酸素血症の治療は難しいので、予防が重要になってくる。
リクルートメントは予防法のひとつ。
Park SH, et al.  Eur J Anaesthesiol 2011; 28: 298-302.  (リクルートメントのタイミング)
Abe K, et al.  J Anesth 2006; 20: 1-5.  (HFJV vs. CPAP)

(個人の意見として紹介されていたが)手術適応が微妙な症例では、硬膜外麻酔を積極的に行ないたい。
ppoFEV1 < 60%
ppoDLCO < 60%
Vo2max < 65% predicted
RV strain/failure

Mediastinal Mass Syndrome の管理方法
自発呼吸から人工換気になると、巨大縦隔腫瘍の重みが気道や肺循環系にのしかかってくる。
Erdos G, et al.  Eur J Anaesthesiol 2009; 26: 627-32.

2012年4月27日金曜日

遠かった東海岸 (ボストンにて)

4/26 (木) くもり時々小雨

ダラスでアメリカン航空を乗り継ぎ、ようやくボストンへたどり着いた。
家を出たのが午前8時で、ホテルに着いたのが日本の翌日午前6時なので、22 時間かかったことになる。

今日は JAL もボストンへの直行便はなかったみたいで、どうも毎日運航しているわけではないらしい。
帰りは直行便なので、往きよりはずっと楽できるはずで楽しみだ。

往きの飛行機の中で PBLD の予習をしたのだが、肺切除術の際の術前評価に関する項目がずいぶん多かった。
日本の実際の臨床でどのぐらいやっているのかよくわからないのだが、いくつかの欧州のガイドラインによると、一秒量と DLCO の予測値が 80% を下回る場合は運動負荷テストに進むようになっていた。

本格的な術前評価は自分にとっては弱いところなので、明日はこのあたりを中心に勉強してみたい。

2012年4月26日木曜日

麻酔科はお咎めなし

ゴールデンウィーク間近の成田空港はやけに混んでいて、搭乗手続きだけでなく、セキュリティ・チェックの通過にも、いつも以上に時間がかかってしまった。

それでもなんとか出発ゲートにたどり着き、いろいろと試行錯誤の末にインターネットへの接続に成功したところ。
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備忘録への記録が遅くなったが、先日、クリニカル・クラークシップに関する会議に出席した。
学生へのアンケート結果をもとに、今後さらにクラークシップを充実させようというものだ。

このアンケート結果によると学生が一部の診療科の教育に不満を持っているようなのだが、それがいかにもふだん忙しそうな診療科だけに、対策を講じるのも大変だと同情を禁じ得ない。

ちなみに麻酔科はアンケート期間中にまわってきた学生はいなかったみたいで、褒められもせず苦にもされず・・・といったところで、お咎めなし。

2012年4月18日水曜日

ポスターできた

バンクーバー留学時代の指導医と連絡を取り、来週後半に行なわれる Thoracic Anesthesia Symposium のポスターの内容がようやく決まった。

本来だったらウチの大学のプリンタ室を使ってポスターを印刷し、現地へ直接持って行くところだが、時間が十分にはないことと、飛行機での旅の途中でなくなる (lost baggage) リスクが皆無ではないことから、今回はインターネットを使って学会と提携しているプリント業者に依頼することにした。

こうすることで実際にポスターを持って行く手間が省けるし、ポスターをなくす心配もないというわけだ。

ただし費用はそれなりにかかり、印刷費用だけでなく現地で受け取るためのサービス料、さらには税金まで加えて 200 ドル弱かかってしまった。
安心を買ったというふうに解釈するしかないだろう。

2012年4月12日木曜日

RCS2012 --- 半分埋まった

東京麻酔専門医会の S 先生からのメールによると、リフレッシャーコースセミナーの参加申し込み者数が、現時点で予定定員の半数を超えたとのこと。

まだ臨床麻酔にも LiSA にも予告が載っていない段階なので、口コミとかフェイスブックなどでの宣伝が効いたということなのだろう。

残りの半数の席が、このブログを読んでくれた人たちで埋まってくれるととてもうれしい(笑)。

2012年4月11日水曜日

USB メモリ復活

数か月前に USB メモリの調子が突然悪くなり、パスワードを要求してこなくなっただけでなく、データに一切アクセスできなくなるということがあった。

B 社に問いあわせてみたものの回答はこれといってパッとしたものがなく、結局は再度フォーマットが必要だというものだった。

フォーマットを行なうということは中身のデータを失うというわけで、なかなか決心がつかずこの数ヶ月間放置していたのだが、かといっていつまでも放っておくわけにもいかず、ついに今日フォーマットを行なったというわけだ。

パスワードつきの USB メモリがあっさり壊れたのは、これが2回目だ。
パスワードつきでないものにくらべて、脆い印象が否めない。

2012年4月10日火曜日

CBT 問題作成講習会

当直明けだったが、眠い目をこすりながら CBT 問題作成講習会に出席した。

これはうちわの試験ではなく全国で使われるものだけに、問題の作り方にも厳密なルールがあるということを再確認することができた。
自分が過去に受けた国家試験なんかでもそういうルールはあったに違いないわけで、受ける側だと作り手側の苦労を感じることはないが、ひとたび作る側にまわるとたいへんな道のりであるように感じられる。

講習会では良くない問題の例が挙げられ、それを良いものに作り直されるプロセスが紹介されていた。
これを見ると良い問題を作るには相当の技量が必要とされるのは明らかで、この道に長けた人のアドバイスが欠かせないように思われる。

2012年4月4日水曜日

初めての「帰宅困難者」体験

昨日は異常に発達した低気圧のせいで、夕方から夜にかけて東京・御茶ノ水にも暴風が吹き荒れた。

一部の地下鉄を除いて大部分の鉄道が運転を見合わせる事態となり、たまたま自分が IC だったということもあるのだが、9時過ぎに大学を出ることになった。

あとから考えれば北千住から TX に乗り換えて、さらにバスを使うのが最善手だったと思うのだが、それに気づいたのは北千住を過ぎたあとだったので、そのまま終点の綾瀬まで行ってしまった。

そこでじっと待つのが次善手だったのだが、待つのは苦痛だったため、亀有方面にずんずん歩き始めることにした。
昨年の大震災では多くの人が帰宅困難者となってしまい、家まで歩くことを余儀なくされたことが記憶にあったということもあるのだが、ひょっとしたら亀有ではタクシーを拾えるかもしれないという淡い期待があったことも事実だ。

ところが亀有でもタクシーを待つ客で長い列ができており、そこでタクシーをつかまえる根気がなかった。
それでもそこでじっとしていれば良かったのだが、金町方面に歩き始めたのが痛恨の大悪手だった。

途中まで歩いたものの、線路と直角に走る河川敷に行く手を阻まれ、亀有まで戻らざるを得なくなってしまった。
この時点でもう足がパンパンになっており、疲れがどっと出てしまった。

亀有に戻ると幸いなことに常磐線が復旧しており、混み合ってはいたが家に帰ることができた。

大震災時を経験していない自分にとっては、これが初めてのいわゆる「帰宅困難者」体験だった。
いざという時は体力勝負だということを、痛感せずにはいられない。

2012年3月30日金曜日

机が増えた

まもなく新年度が始まる。

4月から来られる K 先生をお迎えするために、今日、准教授・講師室の机がひとつ増やされた。

というわけで、今までは自分の机やロッカーが一番端っこだったのだが、今日からは端から2番目になった。

それでも、わずか半年余りとはいえ今までの習慣は簡単には直らず、ついつい一番端っこのロッカーを開けてしまう。

挙動不審だと思われないうちに、改めなければ・・・。

2012年3月28日水曜日

研究情報データベース

ウチの大学院への進学希望者が自分に適した分野や研究者を容易に探すことができるように、希望者向けホームページに検索システムを導入することにしたとのこと。

それで研究情報データベースに研究テーマやキーワードを入力するように・・・という指示が大学からメールで届いたのだが、データベースにログインしてみてびっくり!

なんと、研究テーマやキーワードどころか自分の情報が全くまっさらな状態で、氏名などの基本情報さえも入力されていないのに初めて気づいた。

以前に、「研究情報データベースに全く情報を入力しない研究者がいまだにいて困ってます」的なメールが大学から届いたのを思い出し、実は自分がその一人だったということを知った次第。

このシステムが導入された時期は全く記憶にないので、とりあえず今は、自分の休職期間中に始まったシステムだということにしておこうと思う。

2012年3月25日日曜日

医学部合格 --- 地元の誇り

家の庭木の剪定をしていたら、近所のお宅のご主人から話しかけられ、引越しされるというご挨拶をいただいた。
それでいろいろとよもやま話をしたのだが、その中でそこのお宅の息子さんの進学先(大学)に話が移り、なんとその進学先がウチの大学だったということで、非常に驚いてしまった。

私はもちろん驚くとともに嬉しく思ったが、そのご主人も私がまさか息子さんの進学先で教員として務めているとは思わなかったらしく、ものすごく驚いていた。
自分としては保育園の頃から知っている彼が昔から優秀だということは知っていたが、医師になりたいという夢を小さい頃から持ち続けて努力し続けたということに、感動を禁じえなかった。

景気の悪さも手伝って最近では医学部の人気が上昇中とのことで、ますます大学医学部の入学試験の難易度が高まってきている。
そんな中で医学部入試合格というハードルを突破した彼はまさに地元の誇りであり、わが家を含めて近所の子供たちの大きな目標になることだろうと思う。

自分としては1年次の early exposure や3年次の講義や PBL、4~5年次の CB や CC で彼に会うことがとても楽しみだ。

2012年3月18日日曜日

経食道心エコー講習会 第2日

昨日に続き、経食道心エコー講習会が品川であった。

小児の TEE 所見を理解するにはその病態生理の知識が必須だが、そういう意味では朝イチの病態生理の講演は大いに役に立った。
昨日の LVAD と同様、自分には縁遠いと思うとなかなか学習が進まないものだが、こういう機会に知識を整理しておくのは重要だと思う。

過去の経験が積み重なったせいか、今回の講習会では全般的に、あまり重要ではない細かいことはバッサリと切り捨て、本当に重要なことだけを伝えるような努力がなされていたように感じる。
そういう意味では、どちらかと言うと初学者向けの内容だという言い方ができるし、JB-POT の試験対策を意識した内容だったと言うこともできるかもしれない。

例えば僧帽弁の病変部位の同定について、以前の講演では僧帽弁の相対的な位置(立っているかねているか)によって変わってくるというような話があり、すっかり混乱してしまったことがあった。
それはそれで大事なことには違いないが、大半の参加者にとっては重要ではないだろう。

今回はそういうことはさておき、僧帽弁交連断面と中部食道大動脈弁長軸断面で大ざっぱに病変部位を把握し、例えば前交連側を観察するにはプローブを左にひねるか 80 度ぐらいまで戻せば良いという話だった。
大動脈解離のエントリー部位の同定、真腔と偽腔の区別、弓部三分枝の同定方法についても、すっきりとした話で自分としては助かった。

2012年3月17日土曜日

経食道心エコー講習会 第1日

第15回経食道心エコー講習会が、ガーデンシティ品川で行なわれた。

初めて講習会に参加したころは、講習の内容がさっぱりわからず茫然としたが、今はまあまあついていける。
自分が知りたい内容に集中できる分だけ、この領域に関する自分の理解が進歩したと考えたい。

今日、最も役立ったことはデシベルの定義だ。
教科書には dB = 20 log10 A2/A1 とか dB = 10 log10 I2/I1 とかさまざまな定義が載っていて混乱していたのだが、上の式の場合は A = 音圧(振幅)、I = パワー を意味していて、パワーが音圧の二乗に比例することから係数が変わるということがわかり、納得してしまった。

また、左室拡張機能に関する講義がとてもわかりやすく、プレゼンの技法もあわせて感銘した。
左室弛緩の遅延からスティッフネスが高まるプロセスを理解することで、僧帽弁口血流速波形の解釈が容易になるということがよくわかった。

それから、JB-POT には大いに関係があると知りながら、ふだんの臨床には全く無縁なことから無視していた LVAD についても麻酔管理との関連を学ぶことができてよかった。
僧帽弁の病変部位の同定に関する講義も、今までのものにくらべて格段にわかりやすかった。

「過去の試験問題を振り返って」ということで、昨年の JB-POT の試験問題のうち識別指数が低かった5問についての解説があった。
いずれも自分にとっては解答に自信があった問題だったのだが、実はそれらのうち4問が不正解だったことを知り愕然としてしまった。
本当によく合格できたものだと思う。

2012年3月13日火曜日

後期日程終了

ウチの大学でも昨日と今日、後期日程の入学試験があり、試験を円滑に進めるためのスタッフの一人としてお手伝いする機会を得た。

自分の子供が大学受験の世代に近づいているということもあり、最近はどうしても親の視線で受験生たちを見てしまう。

試験中に下痢ピーになってしまったら大変とか変な心配をいろいろとしてしまったが、そういう緊急事態はなかったみたいで、まあひと安心といったところ。

2012年3月10日土曜日

フェローシップの続き

来月の終りに Thoracic Anesthesia Symposium に参加・発表することは前に書いた。

この発表のためにポスターを作成しないといけないので、また最近、バンクーバーの指導医と連絡をとるようになった。
まさにフェローシップの続きというわけだ。

いつもそうなのだが、今回の研究の発表もなかなか一筋縄ではいかず、今までの知見とは異なる結果が出てしまい、その説明に四苦八苦している。
大方、分析に加えていない confounding factor(s) のせいなんだろうとは思っているのだが、ひょっとしたらおもしろい発見なのかも・・・と、ひそかに淡い期待を抱いているところ。

2012年3月4日日曜日

学生さんとの合宿研修 @ 船橋

これから臨床実習に臨む学生さんとの合宿が、船橋で一泊二日で行なわれた。
ちょうど学生さんはプロジェクト・セメスターが終わったところなので、リサーチがどのようなものかがわかってきたところで、今度は臨床の現場に出るというわけだ。

自分としては 10 年ぶりぐらいの合宿への参加である。
前回はバスに揺られて、房総半島の先っぽの方に行ったようなおぼろげな記憶がある。

教官と学生さんとの4対4での対談が前回と同様にあり、とても懐かしい感じがした。
学生さんからの質問が、前回とほぼ同じような感じだったからである。

前回と同様に、それぞれの専門分野に進むのにどのように決めたのかとか、留学などに伴うリスクについてどう考えるかとか、仕事に伴う家族の犠牲をどう考えるか・・・などの質問があった。

前回と違って、今回は留学の経験をふまえていろいろと話すことができたと思う。
この 10 年で自分の人生の経験値がアップしたのだと考えたい。

2日めは学生さんに対するオリエンテーションがあった。
PCC とか CB、CC が何をねらいとしているのかということが、T 先生の話でようやくつかむことができた。
明日からの CB に役立てることがきっとできると思う。
得るものは多かった。

2012年3月3日土曜日

合格証書届いた

おととい、日本心臓血管麻酔学会事務局から、JB-POT の合格証書とピンバッジが届いた。
お金を振り込んだのが年末だったので、すっかり忘れていた。

以前に合格した時は合格証書を申請しなかったために更新ができなかったので、今回はこれをとっておいて5年後には更新できるようにしておこうと思う。

最近は若い麻酔科医の間にはこういう資格を取ることに熱心な人が少なくないと聞くが、努力がこうして認められることに達成感や喜びを感じる気持ちはわかる。
特に最近は以前とくらべて研究を行なったり論文を書いたりするのがいろいろな意味で困難になっているので、ますます資格に走る傾向に拍車をかかるのだろうと思う。

2012年2月29日水曜日

もう半年・・・

駅の改札を出ようとしたら、自動改札に定期の期限が今日までだと表示されているのに気がついた。
定期を新規で購入したのが復職した昨年9月だったので、それからちょうど半年経ったということになる。

この半年でいろいろあったが、一番大きいのは M&D タワーからオペ室に行くのに迷わなくなったということだろう。
降りてから昇るパターンに慣れるのに、けっこう時間がかかった。

それから、オペ室内の物品のありかももう大丈夫。
BIS のシールも、エアウェイ・スコープの先っぽも、ブジーもどこにあるか全部覚えた。

2012年2月25日土曜日

最近の PBL 事情 (続き)

PBL の最終日の午後には学生が一か所に集められ、各班の代表が自分たちで調べたことを発表するというイベントがある。
したがって2日めの PBL が終わる時点でテーマを決めておく必要があるのだが、自分の班の学生が「どんなテーマがいいと思いますか?」と尋ねてきた。

「そりゃー、病態生理とか王道を突き進む発表がいいんじゃない?」と答えたら、王道の発表だとお互いに発表内容が重なってしまうのだと言う。
確かに 10 個以上のグループがそれぞれ発表するのだから、みんながみんな、病態生理の発表をしたら、それは退屈なことこの上ないだろう。

そうしたら誰かが、「じゃあ、『人工呼吸について』はどうですか?」と言い出した。
この PBL のシナリオでは open lung strategy を意識した、自分にとっては興味深い内容にはなっていたのだが、あまりにも王道から外れすぎている・・・。

それで、「このシナリオの中では人工呼吸は超マイナーな項目だよ」と、「だからやめとけ」という気分を込めて答えたのだが、そうしたらなんとみんなが、「よし、それで行こう!」だって・・・。
本番の発表は見ていないのだが、あのシナリオから学生たちが保護的人工換気がどうのとか、permissive hypercapnea がいいだとか、リクルートメント手技もやるべきだったんじゃないかとか言い出したら、担当教官が面食らうのではないかとひそかに恐れている。

2012年2月22日水曜日

最近の PBL 事情


今週は久しぶりに学生の PBL を担当している。
前回担当したのがいつだったのか正確には覚えていないが、まだ学内で UpToDate が使えなかった頃なので、少なくとも5年以上は前だろう。

前回は学生にどのように医学情報を得るかの技法を教えることも重要な仕事のひとつだったが、今の学生は IT 機器に精通していてその心配は全くないようだ。
自前の iPad を学内の WiFi に接続して、インターネットから情報を取り出すのも朝メシ前だ。

むしろこっちが教わることも多い。
聞くところによると、3号館や M&D タワーでは無線 LAN が使えるらしく、学生には ID とパスワードが配布されているとのこと。
ある意味、教官よりも IT 環境は恵まれているのかもしれない。

2012年2月19日日曜日

クラス会 @ M&D タワー

大学を卒業して 20 年ちょっと経つが、昨日は久しぶりに本格的なクラス会が催された。

以前にあったクラス会は場所がどこだったか覚えていないが、今回は母校の新しい建物(M&D タワー)のラウンジで行なうことができたことがとても良かったように思う。
M&D タワーの場所(正確には入り口)をわかってもらえるかどうかの心配はあったが、幹事の K 君がみんなに送った地図が良かったようで、迷った人はいなかったみたいだ。

念のためにと思って場所を書いたポスターを周囲にべたべたと貼ったのだが、昨日は寒い上に風が強くて、それだけでもけっこう苦労してしまった。
土嚢を運んで看板を押さえつけたりしたのは、あとから振り返るとたぶん滑稽な思い出になるだろう。

クラス会でありがちな、誰が誰だかよくわからない・・・ということはなかった。
20 代半ばまで一緒に過ごした仲間だからということもあるが、特に女性は変わらない人が多い。

2012年2月14日火曜日

地位向上しました

今日はバレンタインデーでオペ室で女子職員が男子職員にチョコを配っており、自分もひとついただいた。

今回は女子職員に存在を認識してもらえたわけで、復職後3ヶ月間は宴会の出欠名簿に名前を載せてもらえなかったことを考えると、麻酔科内における著しい地位向上だと考えたい。

IARS 査読終了

IARS に投稿された演題の査読が、締め切りぎりぎりになってしまったが、日曜日にようやく終わった。
さまざまな分野で 19 演題も割り当てられており、時間がけっこうかかった。

これと関連して、最近いろいろなところで話題になっているのが JA の査読だ。
ごくたまにならいいのだが、最近は査読を断る人が少なくないという話で、一人あたりの負担が増えているとのこと(あくまでも噂だが)。

全くのボランティアで長期間にわたってこういう活動を続けていくのは、正直なところ難しいように感じる。
しかもジャーナルの側が質の高い査読を望むのであればなおさらだ。

昔の記憶では、A&A の査読では CME のポイントにつながったように思う。
JA についても指導医更新のポイントなどにつながるようなシステムにしてもらえると、よりモチベーションが高まるのではないかと思う。

2012年2月11日土曜日

医局長選挙

今日は国民の休日だったが、午前中に大学の麻酔科医が集まり、1年に1度の医局長選挙が行なわれた。
自分は当直明けだったが、眠い目をこすりながら参加。

ウチでは伝統的に医局長は2期2年務める慣習があるが、現医局長が2期務め終えるところなので、次は誰になるかに注目が集まった。
1回目の投票で決まらず決選投票の結果、H 先生が当選。
おめでとうございます。

その後、T 先生、I 先生と湯島方面にダラダラと歩いて行き、イタリアン・レストランで昼食。
今は昼メシはほとんどいつも生協弁当だが、学生時代はいろいろと食べ歩いたものだ。

もう 20 年以上行っていないが、大学の裏のきじ丼屋は今もあるのだろうか?
おそらくこの辺だろうという場所は今日通ったのだが、もう正確には思い出せなかった。

2012年2月8日水曜日

もうすぐクラス会

卒後20年をちょっと過ぎ、もうすぐクラス会がある。
ちょっとした集まりは今まで何回かあったが、本格的なのは初めてだ。

今回のクラス会の幹事をしてくれる病理の K 先生とそのクラス会のことで会ったのだが、あまりにも久しぶりだったということもあり、肝心のクラス会のことはさておき、よもやま話で盛り上がった。
同じ大学に勤めていても、外科系医師でなければなかなか会う機会はないのだ。

それにしてもウチの大学、20年前とは姿かたちがすっかり変わってしまった。
旧3号館がなくなった今、当時の面影を残すのは1号館と5号館ぐらいのものだろう。

みんな、迷わずに来られるだろうか??

2012年2月6日月曜日

医賠責の写し

この3月で大学病院のポジションの任期が切れ、4月から更新されることになる。
その更新にあたってはその同意書とともに、4月以降有効な医賠責の写しを今月の中旬までには提出するようにという指示が来た。

しかし考えてみると、麻酔科関係の団体責任保険では多くの場合は3月末に保険証が届くようになっており、2月に手に入ったためしはない。
それで事務に問い合わせてみたら、医賠責の申し込み書の写しを提出するようにとのこと・・・。

ところが自分の医賠責は年度末での自動更新になっており、いちいち申し込みしなくてもいいようになっている。
なので、申し込み書自体さえも存在しないというわけだ。

いったい他の科の先生たちはどうしているのだろう?
また、他の病院ではどうしているのか、つくづく疑問に感じる。

2012年2月5日日曜日

Early bird --- 逃した

4月末にある Thoracic Anesthesia Symposium に演題がアクセプトされたので出席・発表するつもりだったのだが、本番までまだ間があるので登録せずにいた。

そうしたら最近になって、registration が売り切れ状態であり early bird の期間が終わったことを知らせるとともに、本当に発表するつもりがあるのなら発表者特権ですぐに登録するようにとの催促が学会から来た。

ホテルはとっくにおさえていたのだが、登録に関しては early bird の期間がまだまだ続くと思っていたのでうっかりしていた。
それにしても「売り切れ状態」があるなんて、まるで JB-POT 対策のセミナーのようだ。

Early bird の期間が過ぎたために、50 ドル余計に支払うことになってしまった。

2012年1月29日日曜日

ようやくアクセプト

カナダから帰国直前に投稿した論文が、2回の査読を経てようやくアクセプトにこぎつけた。

最初にアクセプトされそうな反応があった時は、指導医たちから盛り上がっている様子が目に浮かぶようなメールをもらったが、今回はエディターとやりとりを繰り返した後だけに「ようやくか・・・」といった感じの反応だった。

ASA での発表を終え、論文を仕上げた今強く感じることは、基本的に疫学研究は好き嫌いが分かれがちな領域だということだ。
新たな病態やリスク因子を発見する端緒になりうる一方で、疫学研究の本質を理解している人以外には侮られやすく軽んじられやすい・・・という言い方もできると思う。

査読者の反応も好き嫌いがくっきり分かれており、これが世間一般の意見を反映しているということなのだろう。

2012年1月28日土曜日

G 先生、島根へ帰る

2週間一緒に働いた G 先生が、昨日の飛行機で島根へ帰って行った。

ちょうど東京が一番寒い時期だったわけで、しかもインフルエンザが猛威をふるっている中で、彼がそういう逆境(?)に負けない成果を上げてくれていればいいのだが、実際のところはどうだったのだろう・・・。

ウチから島根に行くとエコーガイド下神経ブロックなど、多くのことを学んで帰ってこられることを考えると、逆にウチが何を提供できるのかをつねに真摯に自らに問い続けないわけにはいかないと思う。

2012年1月24日火曜日

雪が残る御茶ノ水

昨日は日が暮れてから雪が降りはじめ、今朝起きたら数センチは積もっていた。
家のまわりは坂が多いので、昨日のうちに用意しておいたハイキングシューズをはいて病院に向かうことにした。

ハイキングシューズで勤務先に向かうのは、バンクーバーで雪が降った昨年冬以来のことだ。
バンクーバーから帰る時に靴類はたくさん捨てざるをえなかったが、ハイキングシューズは持って帰ってきてよかった。

御茶ノ水に着くと雪はかなり溶けていたが、それでも早出の職員が院内の敷地を除雪していた。
中央線に遅れが出たらしく何人かが遅刻したぐらいで、麻酔科の業務にはダメージはなかった。

2012年1月20日金曜日

リフレッシャーコースの演題候補決定

毎年夏に行なわれる東京麻酔専門医会のリフレッシャーコースの演題候補を決めるために、慶應大学の津崎先生をはじめとする学術委員の先生方との話し合いがあった。

いつも思うことだが、学術委員の中には小児麻酔や産科麻酔、ペインクリニックなどのさまざまな専門分野のトップの先生方がいらっしゃるので、その場に居合わせただけで次から次へと新しい情報が得られて、自分にとってとても刺激になる。

自分が担当になったリフレッシャーコースの演者候補の一人は、まだ一度も直接お話ししたことがない人なので、また新たな出会いがありそうでこちらもとても楽しみだ。

2012年1月14日土曜日

"Think" と "suppose"、 そして "guess"

日本語で「思う」に相当する英語が複数あるが、今ひとつニュアンスの違いがよくわからない。

先日 NOV● で習ったところによると、理論を推しはかる際には "suppose" が用いられるのだそうだ。
それに対して "think" は個人の考えを述べる際に用いられるらしい。

それじゃあ学会発表の時には "suppose" を使うのか? ということになるのだが、そこは "think" を使うのだそうだ。
自分の考えを述べるからなのだが、正直なところ今ひとつ違いがすっきりとしない。

また、仲間うちの仕事の時には "suppose" でいいらしいのだが、学会で "suppose" を使うと上から目線のような印象を与える可能性があるとのこと。
ちなみに "guess" は "I guess" のように動詞で使うよりも、むしろ "My best guess would be ..." のように名詞で使うことがふつうらしい。

extinct は形容詞(絶滅した)、extinction は名詞(絶滅、死滅)で、動詞は存在しない。
かわりに killed off (全滅した)とか killed all などを使う。

age (age of the dinosaurs) の方が era (Showa era, Edo era) よりも長い。

「×× 病になる」は、"develop" や "get" を用いる。
例) They developed (got) lung cancer.

2012年1月8日日曜日

FD --- 学習成果基盤型教育

ウチでは毎年のことらしいのだが、正月早々、教員研修 (Faculty Development: FD) が昨日行なわれた。
今回の FD は、「学習成果基盤型教育 (Competency Based Medical Education (CBME) の導入」に関するものだったのだが、「学習成果基盤型って何?」っていう感じで最初は何が何やらさっぱりわからなかった。
しかし帰る頃には何となくわかってきたような気がしてきたわけで、半日の FD の効果は大したものだと思わざるをえない。

学習成果基盤型というのは従来のように学習のプロセスを云々するのではなく、まず最初に医学部卒業時のゴールを定めておくことに特徴があるようだ。
ゴールを定めておくことで、医師の質の一部を担保することにつながるらしい。
そしてそのゴールを達成するためにいろいろな教科の垣根を取り払って、大学入学時から卒業時までの6年間を見渡してカリキュラムを組んでいくことになるのだそうだ。

医療に限らず最近はなんでもそういう傾向にあると思うのだが、「質の保証」が以前よりも重要視されている。
身近なところでは麻酔科指導医・専門医が更新制になったことが挙げられるし、JB-POT は少なくとも 10 年に一度は基準点に達しないと資格を失うことになってしまう。
受験する側にとってはキツいことこの上ないのだが、そうでもしないと資格自体の信頼が損なわれてしまうことにもつながるということだろう。

医学教育は毎年何らかの進歩を遂げており、医学の進歩とはまた別の意味で、医療の質も向上しているように感じる。
その一方で医学生の負担はどんどん増えているみたいで、ちょっと気の毒な気さえしてしまう。

20 年以上前は今よりもずっとずっとのんびりとしていて、学生の立場としてはとても恵まれていたように思う。
鉛筆を握る時間よりもオールやバーベルを握る時間の方がはるかに長かった学生時代は、今となっては夢の中のできごとのように感じる。

2012年1月4日水曜日

NOV● 契約延長!

NOV● のポイントが貯まりまくっていることに気づいてはいたのだが、ずるずると時だけが過ぎ、ついにポイントの有効期限が切れる時期になった。
それで久々に地元の NOV● に行き、ポイントについて説明を受けてきた。

話を総合すると自分がカナダに行っている間にシステムが変わったらしく、予約制でなく月謝で固定制の場合だと施設利用費がかからないことになったらしい。
これだとポイント制にくらべてずいぶん費用が安くなるようだ。

ペラペラになったわけではないが、カナダに行っている間に多少は英語がマシになったと思うので、できればこれをキープしたいし、あわよくばさらに向上させたい。
だから貯まったポイントを捨てるわけにはいかないし、NOV● には金を注ぎ込み続けることになるというわけだ。
完全に NOV● の商法にハマっている。