ついでにテニスでもできればよかったのだが、日帰りで帰るのはなんかうらめしい。
午前中はデスフルランのシンポジウム。
デスフルランについては、わかっていない(調べられていない)ことがいまだにたくさんあるらしいということが、よくわかった。以下はそのメモ書き。
デスフルランの沸点は23.5℃と、他の麻酔薬よりずっと低い。
1気圧20℃では沸騰しない。蒸気圧が681mmHgで、1気圧よりずっと低いから。
デスフルランはわずかの温度変化で蒸気圧が大きく変わる。
ほかの気化器とは構造が全く異なり、39℃に加熱している。亜酸化窒素を使うと気化器から出てくるデスフルランの量が減るが、臨床的に問題になるほどではない。
デスフルランの濃度上昇速度と交感神経活動には、正の相関関係がある。
デスフルランの濃度上昇により、平均血圧↑、心拍数↑。(Muzi M, et al. Anesthesiology 1996; 84: 1035-42)
デスフルランによる高血圧や頻脈は、フェンタニルによりある程度、抑制可能。
(Pacentine GG, et al. Anesthesiology 1995; 82: 823-31)
40才、男性。165cm、60cm。フェンタニル 100ug 静注で、ピーク血中濃度は 2ng/ml。
1時間後は 0.4ng/ml、2時間後は 0.2ng/ml。適切な血中濃度は1~2ng/ml。
デスフルランではセボフルランにくらべて醒めが速く、抜管までの時間も速い。
(Bilotta F, et al. J Neurosurg Anesth 2009; 21: 207-13)
てんかん患者の一部では、12%デスフルランを吸入させると、平坦脳波となる。
一方、2MAC セボフルランでは平坦脳波は見られず、burst-suppression となる。
午後は長期予後に関するシンポジウム。
以下はそのメモ書き。
d-Tc を用いると、死亡率が上昇する。
(Beecher HK, et al. Ann Surg 1954; 140: 2-34)
残存筋弛緩の定義がモニター方法によって異なり、MMGではTOF>0.9、AMGではTOF>1.0以上ないと危ない。
TOF値が十分にあっても、外舌筋、舌骨上筋、咽頭筋は母指内転筋よりも筋弛緩薬に対する感受性が高いので、上気道閉塞が起こりうる。
その一方で、初期のARDS患者に筋弛緩薬を投与すると、その後の P/F 比や炎症反応が改善する。
(Forel JM, et al. Crit Care Med 2006; 34: 2749-57 )
2000年ヒトケタ台には麻酔法が長期予後に影響を与えるという論文が多く見られた。
2010年以降は、麻酔法によって癌患者の長期予後は変わらないとするレトロスペクティブ・スタディが多く見られる。
Ismail H, et al. Br J Anaesth 2010; 105: 145-9.
Gottschalk A, et al. Anesthesiology 2010; 113: 27-34.
Tsui BC, et al. Can J Anesth 2010; 57: 107-12.
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Gottschalk A, et al. Anesthesiology 2010; 113: 27-34.
Tsui BC, et al. Can J Anesth 2010; 57: 107-12.
自分の PBLD はと言うと、うまくいかなかった症例をもとにシナリオを作り、それを題材にして若い先生たちに多くを学んでもらおうと思ったのだが、こちらの意図が伝わっていなかったようで全く不本意な結果に終わってしまった。
シナリオの作成がまずかったのかもしれないし、PBLD全体の構成に問題があったのかもしれない。
反省の一日。
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