2014年5月15日木曜日

日本麻酔科学会 学術集会 第1日

日本麻酔科学会第61回学術集会が横浜で行なわれた。
以下は、今日のプログラムのメモ書き。

OSA 患者の咽頭気道は解剖学的に閉塞しやすい。
これは、骨構造物の大きさとその中の軟部組織量のアンバランスによる。

覚醒時には、咽頭拡大筋の働きによって気道を開通させている。
残存麻酔薬、筋弛緩により、咽頭気道拡大筋の働きが抑制される。

咽頭閉塞性の肺容量依存性は、特に肥満患者で顕著である。
→ BMI の高い患者ほど、肺容量を保つことが重要である。

NPPV の効果
舌根沈下、肺胞虚脱、低肺コンプライアンスには PEEP が効きそう。
低1回換気長に対しては PS が効く。

NPPV は自発呼吸があることが前提となるが、一時的なマスクでの強制換気に用いることもある。

High Flow Oxygen Therapy (HFOT) は、酸素療法と NPPV の間に位置づけられる。

加温加湿した高流量ガスを鼻腔カヌラから投与する酸素療法。
最大流量 60 L/分で、吸気流量を超える設定なら FIo2 が安定する。

RCT のデータが欠けている。
長期使用の安全性はまだわからない。
あきらめて NPPV に進むべきタイミングも明らかではない。

帝切後には、一般の手術の痛みに後陣痛の痛みが加わる。
これには NSAIDs が有効だとされている。

産褥期の脊髄くも膜下麻酔の局麻量は帝切時より多いが、非妊時よりは少ない。
妊娠により亢進していたオピオイドの感受性は、産後 24~48 時間で非妊時に戻る。

フェンタニルの乳汁への移行は無視しうる。
モルヒネの慢性使用者の乳汁では、思いがけない高濃度になりうるが、児に異常行動が見られることはない。

NSAIDs メロキシカム、メフェナミク酸は乳汁移行の点から勧められない。
授乳中のメペリジン、コデイン、トラマドールは勧められない。

くも膜下モルヒネの至適投与量は 100~150 μg
硬膜外モルヒネは 2~3 mg 程度

0 件のコメント:

コメントを投稿